精神科医/心理学者の方々に
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このブログを見ていただいている『心の相談とその対応に携わる公的な支援機関』の皆様に大事なお願いをさせていただきます。 全国の『精神保健福祉センター』 http://www.jsccp.jp/whatscp/center.htm を中心として、心の病に苦しむ方がすぐに相談でき、適切な対応をしていただける公的な相談機関の存在は非常に重要です。 各地のセンターの対応状況を適宜うかがっておりますが、24時間対応の窓口を設置していただいているセンターが増えるなど、切迫した心の危機にある方にとって安心できる環境が少しずつ整ってきていることは誠にありがたいことです。 しかし、命の危機にある方を確実に助けるためには、非常に慎重な受け入れ態勢を整える必要があります。 どんな相談機関でもそうですが、問い合わせ相談には非常に心が切迫した方から、「人生相談」に類する相談にいたる方まで、さまざまな方がお越しになります。 そうした電話に応対する時に絶対必要な基準が『トリアージ』です。 電話対応で相手の方の心の危機の切迫度が即座に判定できるような『トリアージ基準』の完備が必須です。 同時に、電話を受けて最初の数十秒で危機が判断できるような、相談員の訓練が欠かせません。 心が切迫している方は、藁をもすがる思いで電話をしてきます。 声を聞くだけで、声の具合を聞くだけで、そして数言の対話で、「危機のサイン」をつかみ取れるような訓練が必須です。 ここで気をつけていただきたいことは、命の危機にある方はもちろん、命の危機に陥る可能性のある方に対して、決して通り一遍の「窓口紹介機関」になってはいけないということです。 もちろんセンターの窓口ですべての心の悩みの相談に答えることは不可能であり、すみやかに対応部署の窓口を紹介することは大事な業務の一つです。 しかし、心が切迫した方にとって、無機的に窓口を紹介され、「そこに行ってください」と冷たく言われることはとても耐え難いことなのです。 ★ その窓口できちんと話を聞いてくれなかったらどうしよう。 ★ その窓口で雑な扱いをされたらどうしよう。 ★ またたらいまわしにされたら心が耐えられない ―――と深い不安があるから、自分が一番信頼できるところに連絡をするのです。 「紹介」はもちろん大事な仕事です。 しかし、心が切迫された方に対しては、 ●「紹介」の前にじっくり心の具合と事情をうかがってください。 ●優しく心をいたわってください。 ●もし紹介した窓口で何かあったらいつでもここに連絡をしてくださいね、と安心させてあげてください。 ―――そんな気配りと配慮が心を救うのです。 さらに、相談窓口の管理者の方は電話回線がふさがっていないか、常に慎重な注意をはらってください。 『命の電話さん』の場合でもそうですが、せっかく電話をしたのにつながらないと相談者は絶望してしまいかねません。 そうしたことのないように『全国統一電話番号』があるはずなのですが、この番号はまだ認知されていません。 電話の待ち状態がチェックでき、複数の回線で対応できるような仕組みを整えてください。 ※ この、『命の危機にある方を支えるシステム』はとても大事なことなので続けて綴っていきます。 |
コメント(10)
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うつ病で苦しむ方にとって、良い医者との出会いは何よりも大事なものです。 文字通り「命をかけた出会い」と言っても良いかもしれません。 このブログにお越しいただいている皆さんも、平均して三回ほど医者を変え、やっと安心して心を委ねられる医師に出会っています。 記事にも書いたように、 ● 『非定型・自己愛型うつ病』患者の増加によって診療所がパンクしてしまっていること ● 患者が多すぎ、治療が薬物偏重になってしまっていること ● 薬物治療だけではうつ病は治らないこと ● 抗うつ薬が適切に投与されていない場合が多いこと ―――など、今の医療機関が抱える課題はたくさんあります。 うつで苦しい時には、医師への信頼が失われた時には絶望してしまいがちですが、なんとしてもあきらめずに良い医師を求めて、心の回復を求めましょう。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 安心して心を委ねられる医師に出会えない――― そんな悩みを抱える方々のために ■『心のドクターナビ』:http://www.kokoro-dr.jp/index.htmlを紹介したいと思います。『心のドクターナビ』は、厚生労働省の愛知県精神科医療連携モデル事業の一環として、『愛知県の精神医療関係者の連携を円滑に行い、患者さんへより良い情報を提供する』たことを目的として、愛知県精神病院協会が運営しています。 『心のドクターナビ』は、ウェブサイトの上で医療機関を選択します。 ● 地 域 ● 医療スタッフの整備状況 ● 治療内容 ● 社会復帰施設の有無 ―――などを入力することで、医療機関の選択が行なえます。 セカンドラインとは(『心のドクターナビ』より)――― 患者さまが、より適切な治療を選択できるというシステムです。
別の医師にかかってみたいという患者様の要求に医師が応えて、紹介状を書き、別の医師にかかることができます。 もちろん、元の医師に戻りたければ、経過を書いてもらうことにより戻ることができます。つまり、患者様が不要な気遣いをすることなく、医師を選ぶことができるシステムです。 セカンドオピニオンは、治療が適切であるかを確認、相談し意見を聞くものですが、セカンドラインは、一時的に他の医師に相談してみたいというケースから、別の医療機関で治療したいというケース、また、ご家族が他の医療機関に相談したいケースなど、様々な場合にご利用できます。 残念ながら、こうした『心のドクターナビ』制度は、現状では愛知県のみでしか行なわれていませんが、こうした制度がすみやかに全国で広く行なわれるようになって欲しいものです。 このブログを読んでいらっしゃる医療関係者の皆さん、どうかこうした制度を全国に広めていただけるようご尽力をお願いいたします。 |
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先月、『奪われた記憶 記憶と忘却への旅』と題する本が求竜堂から刊行されました。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 著者のジョナサン・コット氏は、『ローリング・ストーン』誌創刊時からの敏腕インタビュアーであり、危険性を知らされないまま、鬱病治療のため、脳にETC‐電気ショック療法‐を施された結果、15年間の記憶を永遠に失ってしまった。 本書は、神経生物学者、老年学者、精神医学者、心理療法学者、宗教家と対話し、人間にとって「記憶」とは何かを追求した貴重な記録。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― セブンアンドワイのHPより http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31972275 また、朝日新聞の書評(19年11月25日)によれば 著者は(中略)重いうつ病の治療で繰り返し受けた脳への電気ショック療法によって、1985年から15年間の記憶を失う。
とされています。しかし彼はヘミングウェイが同様の治療で「資本である記憶が消え」と自殺直前に手紙を残したことなど、同じ体験をした人の喪失の痛みをたどり、さらには、神経科学や忘却と記憶について、研究者、宗教家、芸術からと対話していった。 ヘミングウェイ氏がうつ病で苦しんでいたことは有名ですが、彼の自殺の原因が電気ショック療法による記憶抹消であるとすれば由々しきことです。 多くの医療機関のホームページを見ると、精神科の治療に電気ショック療法を行っていることが明示され、しかも「安全性は確立されている」と書かれています。 しかし、本当に厳密な臨床試験を行なった結果に基づき「安全」性をうたっているのでしょうか? 海外文献直輸入で「安全」を述べているのではないでしょうか? また、電気ショック療法がなぜうつ病治療に効果があるのか、明確なメカニズムを示しているのでしょうか?―――残念ながらそうした文献に出会ったことがありません。 この電気ショック療法の安全性について精神科医からの見解を是非うかがいたいものです。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――
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「ファイアーマンさん」ブログ(http://blogs.yahoo.co.jp/firemanswimmer/16460577.html)で 医者をもっと利用してくださいと言いたいですね。 私は鬱など体調不良の患者さんには「職場や家庭で何か言われたら『主治医がそうしろって言ったから』と、みんな私のせいにして下さい」と伝えています。 必要なら遠慮しないで、診断書を書いてもらうこと。これは保険の書類に対しても言えることですが、患者さんが遠慮してもなんの得にもならないし、ちょっと言ったところで医者はその患者さんに対してなんとも思やしないですから。 無理なことは断ると思いますし、患者さんは自分の状態はもちろん、今後の希望も含めてきちんと言葉で伝えないと、主治医と方針が食い違っては治るのに時間がかかってしまいますもんね。―――こんなコメントに出会いました。 『半分主婦で半分医者のささやかな日記』の「ゆみ先生」です。http://blogs.yahoo.co.jp/birdyumi「ゆみ先生」は――― 私は鬱を経験後、現在フリーで働いている産婦人科医です。体調を崩して休職するまで、ブログをみたこともなかったし(時間がなかった)、ましてや自分がブロガーになるなんて思ってもみなかったです。 でも、このブログを通じて知り合った方々は、バーチャルとはいえ何か心通じるものがあるように思いますし、彼らとのやり取りによって、いや、自分の心をただ吐露するだけでも自らの心の安定を取り戻すことができ、非常に有難く思っていました。 服薬もなく、心療内科も終診となった今となっては、鬱の回復期も終わったと言えるのでしょうが、せっかく経験したのですから、少しでも誰かのお役に立てるなら光栄です。 ただ、普段はひたすら患者さんたちが納得するまで話すのが私のやり方なので(だから大学の外来は肌にあわず、退職しました。今は田舎の病院で細々と、でもノビノビと私の好きなように外来をしています)、文字だけで真意を伝える難しさを感じています。それでいつもコメが長くなり過ぎるのが、いえそれ以上に、うまく私の心が伝わっているのかが気になります。 産婦人科はメンタルとも非常に関連のある科なので、休職をした上、将来への方向性がかなり変わってしまいましたが、自分の経験の全てがマイナスにはならなかったのだと思います(思いたいです)。 心の病気を経験した「おかげ」か、私の言葉が具体的なものになったためか、私の外来は(国立大学病院で腫瘍外来を3年していました)鬱傾向の人が他の外来よりも集まりました。「話しをきく」という医師としては当たり前のことが患者さん達に喜ばれたのだと思います。上司たちからは「birdの外来は診療内科的産婦人科外来だ」と笑われるほどに…(^^; そして、心に悩みを抱えている、しかもそれを主治医にすらうまく伝えられない患者さんが多いことを改めて実感しました。 鬱傾向の人は特に生真面目な人が多く「きちんと」あろうとするが故に、主治医にも遠慮する人が多い気がします。患者さんが医者の顔色をうかがおうとすること自体がありえないことだと常々感じます。―――と語っていただけました。。。。 「ゆみ先生」が精神科か心療内科の先生だったら……とつくづく思いました。 私の体験でもそうでしたし、多くの皆様からも、主治医の「心」一つでうつ病がかえって悪化してしまっている例をたびたび目にしてきました。 医師として患者に接する「心」。―――これを伝えていただいたこと、実にありがたいことです。 心から「先生」と呼べるこうした医者がいていただけること、―――それだけでも希望がわいてきます。 多くの精神科医の方、『うつで苦しむ心の痛み』この記事を通じて少しでも理解してもらえればと存じます。 「ゆみ先生」ありがとうございました。。。 野口敬
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