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無念……でも勝負の世界はシビアなものだ
日本代表の南アフリカW杯が終止符を告げた。
なんとも、歯痒くそしてもどかしい終わり方だった。
直前に、チームが崩壊したチームが1次リーグを突破し、世界のベスト16に。
結果としては、文句のつけようがない。
出場国の実力から考えて、御の字中の御の字である。
まして、日本はレベルの高いE組で勝ち点6をも手にし、2位突破を果たしたのだから。
負けたから悔しいんじゃない
でもなんだろう、このやりきれない想いは。
「もっとやれたんじゃないか」という想いは贅沢だと思う。
ベスト16という結果は、最高に近い結果だ。
でも、最後の試合で何か煮え切らない想いがつのるのだ。
もちろん、最後の試合ということは“敗北”を意味している(実際は引き分けだが)。
だが、私は“敗北”したから煮え切らないのではないという気がする。
自分の感情なのによくわからない、というのも問題だ。
正直言って、120分耐えに耐え抜いて無失点に押さえ込んだ選手たちには、感動さえ感じた。
体格も決して恵まれているとはいえない日本が、120分集中を切らさず守り抜いた。
これは、賞賛に値する。
それでも、やっぱり煮え切らぬ想いはぬぐえない。
敗北を予想していた私は非国民なのかな?
正直、私は今日の試合、敗戦を予想していた。
非国民だと罵られそうだ(ごめんなさい)。
でも、そのスコアは1−3というものだった。
というより、最後はガチガチの殴り合いで散って欲しかったというのが願望だったのかもしれない。
日本代表は国民が、納得する結果は残した。
だったら、最後は岡田監督が最初に掲げた、そしてオシム氏も掲げたような攻撃的且つポゼッションサッカーをして散って欲しかった。
やる前から結果を決め付けるのはナンセンスだ
日本代表はもっと上の目標があった。
ベスト4や優勝というのは、言葉にするのは簡単だ。
でも、今大会や他国の戦いぶりを観て、日本にその実力がないのは明らかだった。
それでも、サッカーという競技は実力が反映されないスポーツのひとつだから、何があってもおかしくない。
だから、高い目標を掲げるのは悪くないと思う。
それを、最初から無理だとか無謀だと言う人は、はっきり言ってサッカー通ぶっているだけのようの気もする。
一発勝負だからこそ、リスクを背負ってでも勝ちにいってほしかった
では、話を元に戻そう。
日本は延長戦のPK戦を経て、ベスト16で散った。
本当にベスト4を目指すのであれば、まずはベスト8も勝ち進まなければならない。
そんな状況の中、ベスト16ですべてを使い果たし、出がらし状態でベスト8の戦いに勝算なんてものはあったのだろうか。
もし、パラグアイに勝っていれば、次はスペインという超一流の強国との対戦だった。
よしんば、今日のPK戦に運よく勝っていたとしても、次の試合はどんな結果が待っていたのだろう。
ほぼ勝つ可能性は0%に近いものではなかったのではないか。
0−3、0−5で済んでいただろうか……
ベスト4に目標や照準を合わせるのなら、リスクを冒してでもそういう戦い方をしなければならないのではないだろうか。
同点でいいデンマーク戦に、あれだけ前線からプレッシャーをかけ攻め続けたのに……
オシム氏が言っていた日本人らしさとは何か?
今日120分間0点で凌いだことは、本当に凄いと思うし、選手たちの大和魂には感嘆させられる。
でも、相手はサッカーを国技としていながらも、超一流の大国ではないパラグアイである。
サッカー途上国の日本人がパラグアイを超一流でないと揶揄するのはおこがましい話である。
でも、ベスト4や世界一をいずれ目指すのであれば、その過程で必ず優勝候補の国と何度か対戦することを避けては通れない。
そんな時、日本人という国民性・民族性をもって、今回のように120分間0点で抑えることを当たり前のようにできるのだろうか。
日本人はイタリア人でもなければ、ドイツ人でもなければ、イギリス人でもない。
彼らのように体格にも恵まれていないし、0点で凌ぎきる文化もないし、引き分けの美学もない。
じゃ、日本という国はどのようなサッカーを目指せばいいのだろうか。
日本戦の後、ポルトガル対スペイン戦を観戦した。
彼らも決して体格には恵まれていないが、互いに優勝候補である。
その他にも、決勝トーナメントに勝ち進んだメキシコやウルグアイやパラグアイも決して体格に恵まれているわけではない。
世界一のブラジルだってそうだし、そのライバル・アルゼンチンだって日本人とさして体格さなどない。
技術がなければ始まらない
今日のスペイン対ポルトガル戦を観て、つくづく思った。
結局のところサッカーは、体格でもなければ、運動量だけでもない。
技術ありきであることを。
日本代表は、今大会守備的なサッカーをし、そこからカウンターという作戦に直前になって変えた。
これは、岡田監督の英断でもあるし、選手たちの適応力の高さでもある。
でも、結局のところ、その闘い方では、ベスト4や優勝どころかベスト8にも進めないことが、結局のところわかったわけである。
日本サッカーがいきなりスペインの真似事ができるわけではない。
メキシコやアルゼンチンの真似ができるわけでもない。
サッカー列強国とは“歴史”という大きな隔たりがあるのだから。
日本はたかだかプロが発足して15年そこらの国。
時間はかかるだろう。
でも、何年かかろうとも、目指すサッカーはぶれないでいてほしい。
今大会は現実を見据えて、実力や技術のなさを認めて現実的な闘い方に徹した。
そして、見事な成績を収めた。
それでも、日本サッカーの未来が明るくなったわけではない、と感じるのは私だけではないはずだ。
私が杞憂するのは、ある程度の成績を残すために、日本が守備偏重のカウンターサッカー国になってしまうことだ。
それでは、世界一という最高の目標は、遠のいてしまうだけなのではないだろうか。
時間がかかっても、お金がかかってでも、日本ポゼッションサッカーや華麗なサッカーを目指していくべきなのではないかと思う。
憧れの国ですら優勝経験がないなんて……
スペインやメキシコのサッカーには独特なリズムがある。
「ツンッ!トンッ!ツンッ!トンッ!」という小気味のいいリズムのパス回しである。
しかも、そのテンポもパススピードも速い。
でもトラップは足元でビシッと止まるから、独特のリズムが生まれるのだろう。
私のような素人サポーターはそれだけでも見惚れてしまう。
そこには、絶対的な技術があってこそである。
この2つの国でさえ、W杯を優勝した経験がないのだから、目指していいのかどうかはなんとも言えないが。
今大会のチームは、将来語り継がれる団結力を持っていた
今大会の日本代表のチームワークは秀逸だった。
それは、マスコミでも紹介されているし、映像からも伝わってきた。
あのフランスやイタリアのような優勝候補が内部崩壊して1次リーグで敗退したのだから、日本がその部分でどれだけ秀でていたのかがわかる。
そして、4試合を2失点で切り抜けた守備やその集中力を切らさない姿勢。
メンバーを見ても、前々回大会や前回大会のほうが華があった。
でも結果は、今回がもっとも素晴らしい成績だった。
そのサッカーが日本サッカーの未来につながるかどうかは別にして胸を張って帰って来てほしい。
サッカーファンに限らず、今回の代表の戦いぶりは多くの日本人に勇気を与えたに違いない。
今回だけに限って言えば、「おめでとう」そして「ご苦労様」と労いの言葉をかけるのが日本人のつとめだと思う。
私が今回物言いをつけたのは、あくまでも将来の日本サッカーを見据えてのこと。
決して、今回の日本代表が体たらくだったとは思っていない。
本当に選手の皆さん、関係者の方々、お疲れ様でした。
岡田監督、選手、大会が終わるまでゆっくり休養して下さい。
そして最後に、日本サッカーの未来に幸あれ!
野球で世界一になったんや。
サッカーやからあかんなんてことはないはずや!
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