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     W杯が終わった。でもスポーツは、地球は回り続けている
 
この1ヶ月、南アフリカワールドカップに夢中で、他のスポーツのことは疎かになっていた。
4年に1度の大イベント、そして日本の予想外の躍進と、観るべき要素が多すぎた。
他の競技の感心が失せたわけではないので、御了承を。
にしても、スペインの優勝で幕を遂げたW杯は、一生記憶の中に残り続けることだろう。
 
 
     “キング”ことレブロンは違う意味で時代を変えた
 
今日は久しぶりにバスケのことを書きたい。
私が他の競技にうつつをぬかしている間に、NBAではとんでもない出来事が進行していた。
そう、“キング”ことレブロン・ジェームズの移籍が決定したことである。
今年のFA目玉選手であったことには間違いないが、まさか本当に移籍するなんて、長年NBAファンをし続けてきた当方にとっても、非常意外でびっくりさせられることだった。
 
20世紀までのNBAは、FA制度や移籍市場もまだ確立されておらず、チームの顔となるスーパースターは、最初に入ったチームでその現役生活をまっとうすることが常だった。
マジック・ジョンソンもラリー・バードもひとつのチームでその現役生活を終えた。
マイケル・ジョーダンは、ワシントン・ウィザーズで現役生活を終えたが、彼は2度目現役復帰ということもあって、例外とも言えるだろう。
やはり彼はシカゴの顔である。
おそらく、今現役最高選手の呼び声高いコービー・ブライアントもロサンゼルス・レイカーズで引退を迎えることになるだろう。
 
 
     レブロンはお金も情も選ばなかった、欲しいのは優勝だ
 
しかし、これからのNBAを背負っていくことであろうレブロンは、クリーブランド・キャバリアーズで現役を終える道を選ばなかった。
もちろん、クリーブランドで現役生活のすべてを捧げていたら、永久欠番だけでなく銅像も建っていただろう。
彼の決断、そしてFAは選手の権利であって、もちろん彼の権利でもある。
だから、その権利を行使することに何の異論もない。
ただ、もうすでにクリーブランドで、確固たる地位を築き上げていて、町の象徴でもあるレブロンが移籍するなんて、噂でいくら言われようとも信じ切れなかった。
 
 
     ヒートはNBA版銀河系軍団を結成した
 
そして、なにより驚かされたのは、彼が選んだチームがマイアミ・ヒートということである。
ヒートと言えば、レブロンと同期入団で、1度チャンピオンズリングを獲得していてスーパースターでもあるドウェイン・ウェイドがいるチームである。
彼も今年FAの年だったが、早々にヒート残留を決めていた。
このアメリカのNBAのスーパースター2人が同じチームに同居する衝撃は、NBAファンの方ならわかっていただけるだろう。
 
そして、もうひとつのサプライズがあった。
そのヒートにトロント・ラプターズからクリス・ボッシュまでもが移籍してきたのである。
もう、頭の中では整理しきれない。ちょっと落ち着こう。
 
ボッシュがFAで移籍してきた。
ラプターズのエースであり、オールスター常連選手でもある。
 
ちなみに、レブロンがドラフト1位で入った2003年シーズンは、ドラフトの当たり年であって、その世代はアメリカでも黄金世代と言われ、今のNBAそしてアメリカ代表を支えているメンバーである。
その将来を担うスター選手たちが今年一斉に、FAの年を迎えたのである。
それは、昨シーズンが終わる前から話題にのぼっていたことで、特にレブロンがどうのような選択をするのかで、全米中で話題になっていた。
そして、ウェイド、カーメロ・アンソニーにボッシュの動向も頻繁に話題にのぼった。
この当たり年のドラフト1位と4位と5位が今年から同じチームでプレーことになったのである。
 
まさかこのうちの3人がヒートという同じチームでプレーすることになることなど、どこの誰が予想したことだろうか。
 
セルティックスの“ビック3”が結成されたときは、NBAファンは騒然となった。
優勝に全く縁のなかった、ポール・ピアース、レイ・アレン、ケビン・ガーネットがサラリーという重荷を振り払って、ひとつになったのである。
正しく、チャンピオンズリングに対する執念が彼らを突き動かしたのである。
そして彼らの執念が叶い、そのビック3は今年もファイナルに進み(惜しくもレイカーズに優勝を譲る)、一昨年は悲願の優勝も遂げた。
 
しかし、今回のレブロン、ウェイド、ボッシュの“ビック3”は、セルティックスの“ビック3”とはわけが違う。
ヒートの3人は、年齢的にも旬でもあり、ひとりはもうすでにチャンピオン経験者である。
当たり前であるが、北京五輪のドリームチームに3人とも名を連ねている。
ちなみに、セルティックスのビック3は、ひとりもアメリカ代表(北京五輪の)に選ばれていない。
こんなビックネームがひとつのチームに終結したことは、もしかしたらアメリカスポーツ史上初と言っても過言ではない。
 
例えは悪いかもしれないが、日本のプロ野球でジャイアンツという王者に、ダルビッシュ、涌井、岩隈の3人が移籍してひとつのチームでプレーするようなものである。
 
それでも、バスケットボールはチームスポーツである。
いくらビックスターを集めたからといって、上手くいくとはかぎらない。
プロ野球のジャイアンツがエースと4番バッターを集めて失敗しただとか、レアル・マドリードが“銀河系軍団”を作りながらも、優勝を逃したことなど、そういう失敗例も枚挙に挙げればきりがない。
 
しかしである。
今回の3人が同じチームに所属するということは、やっぱり冷静に考えても頭で整理できないショッキングな出来事なのである。
 
NBAでリーグ最多勝記録を作ったシカゴ・ブルズもマイケル・ジョーダン、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマンというスター3人を揃えていたではないか、という声も聞こえてきそうである。
それでも、このチームはなんだかんだ言っても、ジョーダンという圧倒的な存在がいて、後の2人、もしくは4人が彼のバックアップをしていたチームに過ぎない。
 
今回結成された“ビッグスリー”は、3人ともひとつのチームでエースを任される存在なのである。
その3人がひとつにチームに集まって上手くいくのか、それとも3人が互いの持ち味を相殺してしまい歯車がかみ合わないのか。
こんな、末恐ろしいトリオを私は観たことがないのでなんとも言えないが、もし3人が噛み合うようなことがあれば、5年も6年も王朝を築く可能性すら秘めているのである。
 
 
     “キング”が下した決断の余波も大きい
 
ただ、レブロンがクリーブランドを去ったことに、市民は落胆を隠せない。
チームのオーナー、ダン・ギルバートはレブロンに対し、ここでは書けないような暴言を連発して罰金10万ドルを食らっている。
マブスの名物オーナー、キューバンも、今回のヒートのやり方はあんまりではないか、と疑問を呈している。
それだけ、今回の移籍は、個人レベルやNBAレベルにはとどまらず、全米で波紋を起こしているのである。
 
 
      私は応援しない!でも、心の底では楽しみだ
 
個人的には判官びいきの私は、こんなドリームチームクソ食らえ、だと思っている。
他のチームのモチベーションはどうなってしまうんだ、と思わずにはいられないくらいである。
それでも、また王朝期をつくりつつあるロサンゼルス・レイカーズ(2連覇中)を止めるには、こういう強引なやり方も必要なのかもしれない。
そしてもし、今季ヒートがぶっちぎりの強さでNBAを制することになれば、NBAの価値観も変わっていくのかもしれないし、また摩擦を起こし違ったルールが制定されるのかもしれない。
 
それだけ、来季のNBAは注目せざるえないシーズンになるはずだ。
マイアミの市民は今から胸躍らせているはずだろう。
それ以上に世界中のNBAファンがヒートというチームの動向から目が離せないことだろう。
 
にしても、すごい事になったもんだ……
 
 
     レブロンの次はファーブ。アメリカはスポーツの話題に事欠かない
 
今アメリカでは、レブロンの移籍先が決まったことにより、次はNFLの生きる伝説でもあるブレッド・ファーブが現役を続けるか否かに注目が集まっているそうだ。
私は、彼の勇士を来シーズンも観られることを信じていますが。
アメリカではワールドカップのベスト16進出で、サッカー熱も上がってきているらしい。
アンリも移籍することですし。
 
そして、今回の騒動が終わってすぐに、今度はファーブの動向に国民は固唾を飲んでいる。
 
そして、昨日のMLBオールスターの盛り上がり(日本はオールスターのあり方を問われている状況なのに)。
 
この国が大好きとは言わない。
でも、確実に、市民の草の根までスポーツ文化が染み込んでいるのだと実感する次第である。
 
スポーツ狂の私としては、来世はアメリカに生まれてもいいかな、と勝手な妄想を抱いている。
だって、面白いでしょ、こんなスポーツの話題ばっかりで盛り上がれるのって。

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