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     今年は遅めに来たような気がする野球の季節
 
例年ならこの時季は、スポーツシーンは野球一色のはずである。
しかしながら、今年は4年に1度の祭典サッカーW杯があった。
しかも、南半球で冬開催ということで、6月から7月というイレギュラーな時季になったこともある。
そんな私も、W杯開催中は朝も夜も関係なくテレビにかじりつきサッカーのための生活をおくってきた。
 
そんな、日本中がそして世界中が熱狂の渦にある間も、プロ野球は淡々と行われていた。
そして、サッカーW杯が終わった。
プロ野球から離れてしまっていた私は、正しく浦島太郎状態である。
チームの成績や個人成績もほとんどわからない。
そして、先週あたりからやっと野球を観戦する体になりつつある。
 
 
     にしても、昨日のプロ野球は見所満載だった
 
昨日の劇的な試合の連続からもう野球モード全開といったところだろうか。
セリーグ3試合の劇的なサヨナラ劇。
47歳工藤投手の元気な姿。
10年にひとりとも言われた中田の遅すぎるプロ第1号。
正直、1日で楽しむには贅沢過ぎる。
スポーツニュースを何度観てもニヤついてしまうくらいだ。
もう充分、野球モードに体が戻ったことをわかって頂けるだろう。
やっぱり夏は野球と生ビールに限る。
 
 
     実力伯仲のパリーグは今もっともスリリングなリーグ
 
昨日だけに限ったことではない。
今シーズンのプロ野球はなにせ混戦の様相であることが盛り上がりに一段と火をつけている。
 
特にパリーグの混戦ぶりは、まるでサラリーキャップ制度でも導入されているかのような激戦モードである。
各チーム90試合近く消化した時点で、まだまだ1位から6位までどう転がるかわからない状況である。
まして、3位以内が条件となるプレーオフに関してはどこのチームにもまだまだチャンスがある(正直楽天イーグルスは黄信号だが)。
 
生粋の関西人で、阪神タイガース文化の中で育った者が言うのもなんだが、ここ10年のパリーグは面白い。
戦力均衡もさることながら、キャラクター濃い選手が目白押しである。
特に各チームいる絶対的なエースピッチャーは皆大リーグにも劣らない存在感を示している。
交流戦が始まって以来、セリーグに煮え湯を飲ませ続けてきているのは、このエース投手たちの存在あってに他ならない。
 
 
     早くもプレーオフ進出チームが決まったかのようなセリーグ
 
そして、毎年人気実力ともパリーグに押され気味セリーグ。
前半戦終了時点で、もうプレーオフに進出チームは決まってしまったようである。
ここ10年の上位と下位の実力さ(経済格差ともいえるか)は深刻である。
 
我がタイガースがその上位組に位置していることは、昔のタイガースを知る者にとっては喜ばしいのだが、この2分化現象はセリーグの魅力を半減させてしまっているような気がしないでもない。
そこが近年のセリーグとパリーグの差なのではないか。
だから、人気も拮抗しつつある。
 
そういう意味では、“人気のセ”とか“実力のパ”などという言葉が、過去の遺産になっていることを1プロ野球ファンとして喜ばないといけないのかもしれない。
 
 
     オールスターは夏の風物詩、意味がないなんて寂しいことは言わないで
 
今週末は、オールスター。
顔ぶれを見てもフレッシュな選手が多く楽しめそうだ。
 
交流戦が始まって以来、オールスターの意義を問われ続けているが、やっぱりオールスターは、選手の目標のためにも、ファンの楽しみとしても不可欠なものだと思う。
 
それは、MLBのオールスターを観ても、改めて実感させられる。
まぁ、あちらさんは、ワールドシリーズのアドバンテージが懸かっているという裏事情もあるのだが。
日本も2戦制なんて中途半端な形にしないで、1発勝負か3戦制にして、日本シリーズの開幕戦を決める形をとってもいいのに。
まぁ、勝負は交流戦でついているということでしょうか。
今年は1位から5位までパリーグ独占でしたもんね。
 
秋まで、プロ野球満喫させてもらいます。
ワールドカップでサボった分まで。
      本当に辛い1日がきてしまった……
 
とうとう、この日がやってきてしまった……
タイガース金本選手の試合連続フルイニング出場1492で終止符を告げた。
タイガースファンの私、プロ野球ファン、そして世界の野球ファンにとっても辛い特別な日になった。
 
この日が来ることはわかっていた。
でも、受け入れがたい現実に、今は感想を述べるのも正直きつい。
それだけ偉大な記録であり、これからも破られることは何十年、何百年はないだろう。
プロとして、野球人として、人間として心から畏敬の念を感じる。
そして、彼のプレーを観る世代に生まれたことを感謝する。
 
私はこの試合は観戦できなかったのだが、スコアボードに彼の名前が告げられなかったことを現場にいた人は、どのような心境でそれを見守ったのだろうか。
おそらく、勝負云々を超越した気持ちに苛まれたに違いない。
大阪では、号外も配られたそうだ。
 
 
      自ら身を引く勇気と潔さ
 
でも、自らの引き際を自分で悟り、自ら英断を下したのも彼らしくて潔くてかっこよかった。
もう彼は、ひとりの人としての領域を超越している。
首脳陣はメンバー表を提出する最後まで彼を説得にあたったらしい。
でも、彼はチームに迷惑をかける状況で自分の記録を更新することを良しとしなかった。
自分の道は自分で決める。
あのカル・リプケンも自らの意思で記録に終止符を打った。
その潔さに“鉄人”という概念を超えて、“哀愁”や“男気”のようなものを感じてならない。
 
 
      生きるか死ぬかの世界に怪我という言い訳はない。まるで武士のようだ
 
思えば長く長く、険しい道のりだったことだろう。
凡人の私では理解しがたい努力と苦悩の連続だったに違いない。
左手こうの骨を折っても、片腕で野球を続けた。
「肉離れや捻挫は怪我とは言わない」という名言も記憶に新しい。
 
そして、彼はただ試合に出続けただけの選手ではない。
結果も記録も記憶も、すべての面において文句のつけようがない。
 
 
     ただ出続けたわけじゃない
 
私にとって印象的なのは、彼の全力プレーを怠らない姿勢である。
ただ単にチンタラプレーをして成し遂げられた記録ではない。
特に印象的なのは、彼の走る姿である。
彼のようなベテランプレーヤーやホームランバッターというものは、凡打を打つと一塁まで軽く走る。
ただ、彼はチャンスがある限りは、一塁まで全力疾走を怠らない姿勢の持ち主だ。
守備でも集中力をとぎらさず、走塁でもひとつ前の塁を奪う気概、そして文句のつけようがないバッティング。
その3拍子すべてを兼ね備えてのこの記録は、ただの1492という数字だけの概念に収まらない。
ひとつでも欠けていたら、その快挙は雲がかったのもになるだろうし、全力プレーという姿勢がなければ、その意味は半減してしまう。
ただ、彼はそのすべてを満たしての大記録を果たしたのである。
 
 
     全力を継続する力
 
私の中で彼の忘れられない言葉がある。
「オフシーズンなんてものはないんですよ」と。
単なる
365日中の144試合ではない。
彼は365日がプロなのである。
今の時代サラリーマンも公務員も首相にだって休みはある。
だが、彼は365日をしかも10年以上休みなく闘い続けたのである。
 
試合に出続けたらから“鉄人”ではない。
怪我に打ち勝ったから“鉄人”ではない。
と、私は彼に関して思う。
絶え間ない闘いをいっときも切らさず、プロであり続ける姿勢こそが“鉄人”である所以である。
簡単に言ってしまえば(という言い回しが失礼だが)、その生き様が“鉄人”だと思う。
だから、野球ファンに限らず、アスリートも一般人も彼に惹かれるのではないだろうか。
 
 
     彼のモチベーションはあって然るべきもの
 
今回自ら身を引いたのは走・攻・守のひとつが、怪我で欠けてしまったことはいうまでもない。
ひとつでも、チームの足を引っ張る要素があるのであれば、身を引く。
これは、彼にとっては至極当然の話だったのかもしれない。
そして彼は、きちんと実行に移した。
誰もそれを望んでいないことを解かっていながらも……
 
今回の記録が途絶えたことで彼のモチベーションを心配する声もある。
私はそうは思わない。
だって、彼はプロ中のプロなのだから。
 
肩の傷が癒えるまでは、ベンチから代打要員として使われることになるだろう。
正直、彼が守備中にベンチに座っている姿は観たくない。
ただ、本人はもう切り替えていることだろう。
そして、連続試合出場はこれからも続く(当分は代打ということになるでしょう)。
でも、連続試合出場も彼は「駄目だ」と判断したら潔くまた身を引くのであろう。
それもプロとしての決断だろうから尊重せねば。
 
 
     ギネスとか小さい問題ではない。彼の功績はもっと偉大だ
 
今回途絶えた大記録はギネスに申請すると球団発表している。
でも、彼の記録はそんななんでもありのものでは収まらない。
むしろ、申請を却下してほしいくらいだ。
そんなものに載せなくても、今の時代を生きた日本人の記憶にちゃんと刻み込まれているのだから。
 
 
    闘いこれからも続く。私には彼の終わりは全く見えない
 
そして、今はまだシーズンが始まったばかりだ。
そして、彼はまだ42歳だ(彼にだけ使える言葉だ)。
彼の闘いはこれからも果てしなく続く。
私は、タイガースファンとしてだけではなく、ひとりの人間として彼の闘いを見守り続けたい。
引退? 想像もつきません。
あと10年は彼の雄姿を見守り続けるんだから。
      野球ファンとして、言葉を失うほど無念である
 
私は大阪生まれ大阪育ちの人間である。
だから、幼いころから虎や牛を追っかけてきたことは言うまでもない。
それでも、この話題に触れないわけにはいかない。
 
木村拓也氏の突然の死去。
あまりにも早過ぎる……
心からご冥福をお祈りしたいと思います。
 
 
      彼の現役時代に思いをはせる
 
虎ファンにとって、彼はずっと嫌らしく、そして羨ましい存在であった。
日本一のユーティリティプレーヤー。
そんな代名詞が彼にはピッタリだった。
昨シーズン、ジャイアンツで急造の捕手を務めたのは記憶に新しい。
実は、高校時代は俊足・強肩の捕手でならしていたらしい。
なんでも、投手以外のポジションをプロ生活の間にすべて守ったという。
これは、野球経験者(私もそうだが)にとって、口にするほど簡単なことではない。
内野、外野の違いはもちろん、センターラインから左右変わるだけでも、景色や打球はすべて変わってくる。
それがプロ野球で生き残るための策だったとはいえ、とてつもない努力を積み重ねたことが窺える。
ましてや、捕手などは特殊中の特殊なポジション。
体の小さいハンデを乗り越え、しかも常勝ジャイアンツで生き残るには想像を絶する葛藤もあったことだろう。
 
木村拓也選手といえば、ジャイアンツよりもカープの印象が強い。
前田選手や金本選手のようなスター選手に隠れながらも、空くポジションごとにそこへ滑り込み、そして嫌らしい打撃と走塁をもみせる。
野球はひとりではできないということを、嫌というほど示してくれた。
事実、ドラフト外で入ったファイターズも含めてもカープ時代の実績やキャリアが燦然と輝く。
2度もお払い箱をくらいながらもしたたかにプロ野球の世界で生き残ってきた。
そこには、彼にしか分からない工夫や鍛錬があったに違いない。
 
     どん底からの日本代表は少年に夢を与えたに違いない
 
そんな彼も2004年のアテネ五輪の日本代表に選ばれている。
スター揃いの中で、その潤滑油的な役割をこなし、誰かがアクシデントに陥ろうと準備を怠っていなかったことを今でも思い出す。
結果は銅メダルと不本意なものだったかもしれないが、彼の役割は見ているこちらが思うよりもチームにとっては重要な存在だったに違いない。
 
 
      彼の去り際は潔く、そしてかっこよかった
 
昨年、チームが日本一に輝くの見届けてからから、突然の引退を発表した。
若手が台頭し、ポジションが次々と埋まっていくのを見て、「もう、自分の居場所はない」と悟ったのかもしれない。
いや、ドラフト外からここまで数々の苦汁を味わいながらも、プロの世界で生き残り続けた自分に納得したというほうが正しい。
プロ野球の世界は、素人の私たちが思う何倍もシビアで厳しい世界である。
彼のような選手は、1年1年が勝負の年である。
そこで20年近く闘い続けてきた自分を讃えるような気持ちだからこそ、潔く身を引けたのではないだろうか。
 
そして、ジャイアンツで守備・走塁コーチの就任。
引退したとはいえ、第2の野球人生が彼には待っていた。
これは、長らくギリギリの世界で生き残ってきた彼への野球の神様からのご褒美だ。
引退して、ユニホームを着られる選手は、ほんの数握りの限られた者だけなのだから。
 
そんな順風満帆とも言える彼の人生にも残酷な結果が待っていた。
本当に人生とはわからないものである。
多くの努力が報われてきた彼に、こんな辛い最期が待っていたなんて……
 
 
      昨日の伝統の1戦は複雑な気持ちで観ていた
 
昨日ジャイアンツはライバル・タイガースと甲子園で戦っていた。
その選手たちの目は、なにか決意めいたものを感じた。
ペナントレースのただの1試合ではないという覚悟が見えた。
我がタイガースが負けたにもかかわらず、私にはなんの悔しさもわかなかった。
木村氏の逝去を背負ったジャイアンツナインには、甲子園という大ホームも意味を成さなかった。
それだけ、昨日のジャイアンツ選手は悲壮感と覚悟があった。
もし、タイガースがジャイアンツに勝っても私は複雑な気分の勝利だったような気がする。
初めてだった。
ジャイアンツの背中を何か目に見えない力が押しているように感じたのは。
 
 
      やっぱり早過ぎる、惜しくてなりません
 
最後に、木村拓也氏の急逝、本当に無念で悔しくてなりません。
1プロ野球ファンとして。
しつこいようですが、ご冥福をもう1度お祈りしたい。
 
 
      木村拓也氏のプロでの生き様を多くの若手選手に見習ってほしい
 
今、プロ野球には木村拓也氏が現役時代のときのように、レギュラー当落線上をさまよっている選手は多い。
そういう選手たちは木村拓也氏から得るものは多いだろう。
第2の木村拓也が出てくるかを楽しみにしながら、今年のペナントレースを見守ろう。

        このタイミングというのも彼らしいのかもしれない

タイガースファンならずとも、衝撃的なニュースではなかっただろうか。

“レッドスター”こと、赤星憲弘選手の現役引退報道。
虎党の私にとっては、寂しさを通り越して放心状態になってしまいました。

首の怪我を押して出場していたことは、ファンにとっては周知の事実のだが、まさかここまでの重傷だったとは……
当初は頚椎のヘルニアということだったのだが、実は「中心性脊髄損傷」というアスリートでなくとも、大変な怪我だった。
小さい体ながらファイターでもあった赤星選手でさえ、現役を諦めなければならない状況。
それでも、発表がこの時期までずれこんだことが、彼にまだ闘志があった証拠ではないだろうか。
本来であれば、引退試合やセレモニーを行われてもおかしくない、ファンにとっては“小さい巨人”である。
彼のプレーに生きがいを求めていたファンも多いのではないだろうか。
それだけ彼は偉大な選手であった。

5回の盗塁王、俊足を活かした広範囲の守備範囲、そしてゴールデングラブ賞。
たった9年の現役生活にもかかわらず毎年当り前のように記録を積み重ねた。

ただ、私にとっては記録より記憶の方が鮮烈だった。
入団当初生で彼を観たことがあるのだが、とてもプロ野球選手やアスリートとは思えない体の小ささ、そして線の細さ。
玄人ぶっていた私は、2軍で何年間がんばって、プロの壁にぶち当たりその現役生活をひっそり終えていくのだろうと感じていた。
だが、蓋を開けてみると、1年目からセンターの定位置を奪い、そして新人王、盗塁王を獲得した。
私の眼は、節穴だったということだ。
でもそれだけ、彼は他の選手に囲まれるとまるで子供のような小ささであったことを昨日のことのように思い出す。


         体の小ささをハンデに、そして言い訳にしなかった男

今年22年間の現役生活を終えた立浪選手にも言えることだが、体の小ささを言い訳にしない選手というのは、本当にハートが強い選手でなければならない。
格闘技のように階級が分かれていないスポーツでは、体がものをいう。
それは、“草”がつくとはいえバスケットボールをしている私は痛感している。
たった5cmの身長、5キロの体重の差がどれだけ大きな差になるか。
そんな中でも闘い抜いた赤星選手は正しく心のファイターであった。


        彼が残した功績はプロ野球にとどまらない

彼が盗塁の概念を変えたと言っても過言ではない。
甲子園では彼が出塁すると、空気が変わる。
球場全体が彼の動きに釘づけになる。
“走れ”コール”などという、選手にとってはありがた迷惑なコールさえあった。
そんな中でも、彼はその期待に違わぬ俊足披露した。

野球は本来、投手と打者の1対1の戦いに醍醐味がある。
守備の選手や走者はあくまでもおまけである。
その概念さえ崩してしまったのが彼である。

ファンの方も1度は観た時があるだろう。
彼が1塁ベース上にいるとき、カメラアングルが3塁方向から投手と走者赤星の駆け引きに専念されていたシーンを。
昔から、足の速い選手が走者に出るとたまに使われていたが、赤星選手が出てきて以来、そのカメラアングルはテレビ中継では当たり前の光景になった。
彼は、野球界に一石を投じただけではなく、野球中継の在り方さえも変えてしまった稀有な選手である。


        こういう男気があってもいい

それにしても彼の引き際は潔くて、かっこいい。
名プレーヤーたるもの、引退は早めに発表し、引退試合や引退セレモニーでその舞台を作ることが常識になりつつある。
もちろん、彼も実動9年とはいえそこまでの領域に達している選手でもある。

そんな彼が、日本シリーズも終わり、各選手が契約更改を始める、引退を発表するというのは、何か男の美学、潔い引き際を感じさせる。
会見でも、涙さえ見せず、たんたんとその野球人生を振り返り、引退を決断した経緯を語る。
考え方によってはドライ過ぎるように感じるが、それが彼のやり方であり、生き方なのであろう。
私はその姿に、昨今忘れられていた、日本男児の美学のようなものを感じてならない。

彼は、しっとりとフィールドから去った。
でも、ファンの心にはあの迅雷の問うような盗塁、そしてセンターフィールドを躍動する彼の姿ずっと心の中に生き続けることだろう。


        野球という枠に収まらない、これからの人生を期待したい

彼は現役時代、盗塁をひとつ決めるごとに、車いすを寄付するという慈善事業をしていた。
現役を引退した今、それはもうできなくなる。
ただ、彼の人柄的にもお金だけではない、人の役に立つ行いを続けていくような気がする。
本来は、野球を引退した選手は、“野球界に恩返しをしたい”とか“野球界に残りたい”という言葉を残す。
至極当然の話である。
野球が彼らの礎であり、野球が人生のすべてだったのだから。

でも、赤星選手には野球というフィールドに固執しなくとも、世間を動かす人望や人柄、そして人徳がある。
どんな、舞台でもよい。
彼のこれからの活躍を願わずにはいられない。
ちなみにJR東京時代に運転士の免許も取得しているそう。
これも、堅実な彼らしいエピソードなのではないでしょうか。

そして最後に、本当にお疲れさまでした。
私には“9年しか”とは到底思えない。
常に100%の力で走り抜いた彼には“9年も”と思っている。

赤い星はこれからも色褪せることはない。

       涙するほどの葛藤と戦っただけでも充分やないか

菊池雄星投手(花巻東)は、日本でのプレーを選んだ。
18歳にして、人生を大きく分岐する選択を彼自身がしたのであれば、それは尊重されるべきだし、その英断に私は心から敬意を表したい。
会見で涙するほどだから多くの葛藤に苛まれたに違いない。
まだ何も決まっていないが、1野球ファンとして“御苦労さま”と声をかけてあげたい。


       彼の人生は彼が決めたらいい

世間の注目は、メジャーかプロ野球かの選択であったことは今さらながら言うまでもない。
でも念のため確認しておきたい。

ネット上でもアンケートで討論されていたが、皆好き勝手言っていた(このテーマで書く私もそのひとりなのかもしれないが)。
やれ“メジャーは甘くない(通用しない)”、やれ“日本のプロ野球で観てみたい”、やれ“経験をつんでからでも遅くない”などなど。
もちろん、報道の自由はあって然るべきだろうし、ファンの声も大事だと思う。
ただ、18歳の青年が苦悩している時に、周りからガヤガヤ言うのもいかがなものかとも思わないでもなかった。

個人的には、本人の意見や考えが反映されればそれに越したことはないと考えている。
それが、メジャーであろうと、プロ野球であろうとも。


       比較しようがないくらい、かけ離れた世界なのかもしれない

でも、私はこの2つを選択すること自体、非常に難解なことだと思う。
唯一の共通点は“ベースボール”というところだけであって、国も違えば、レベルも違う。
ルールも道具も微妙にズレがあるし、組織としてのシステムも大幅に違う。
もっと言えば、お金のあり方も全然違う。
結局のところ、ひとつのポイント焦点を合わせて討論するしかないのだろうが、Aはメジャーの方がよくても、Bはプロ野球の方が秀でているなんてことになるから話はさらにややこしくなる。

どちらでやるにしても一筋縄ではいかないだろう。
もちろん、生まれ育った国でやるという選択が無難と言えばそれまでなのだが。


      彼の投げかけによって多くのことに気付かなければならないはずだ

今回、彼の動向には当然注目していたのだが、彼や昨年の田澤投手によって多くの問題定義がされた。

これはあまり議論にはのぼらないのだが、私がもっともその歪なシステムに気付かされたのは、ドラフトの在り方。
菊池投手は、日本でのプレーを望んだ場合“チームは問わない”ということが大前的であったことは報道でもなされていた。
だから、日本orアメリカという単純な図式になったのだと思う。

でも、よくよく考えてみれば、もしメジャーを選んだ場合は、彼にオファーを出す複数のチームから、彼自身がチームを選ぶことができるのだ。
一方、日本を選んだ場合、複数チームに指名され(巷では8〜10球団が競合するらしい)クジ引きで彼の所属するチームが決まる。
これだけでも大きな違いがあると私は思う。

一方は、複数チームから出された条件を提示され、自らが選択することができる。
他方は、クジという安易な方法でその行く末を決められてしまうのだから。


      誰も言わない理不尽なクジ引きというシステム

これは何年も前から感じていたのだが、才能と努力によって秀でた能力を持つ人間の人生をクジで決めてしまって本当にいいものなのだろうか。
しかも、当事者が引くならまだしも、第三者(見ず知らずの大人)たちが勝手にしてしまってええの?

今メジャーで活躍する松坂投手や松井投手もドラフト重複しクジによってその進路が決められた。
野茂投手は8球団ものチームが競合し、今は無き近鉄バッファローズに指名権が渡った。
清原選手なんて、ある意味どれもハズレだった(説明は不要だと思います)。
結果、ここで挙げた選手たちは、そのチームに入れて結果オーライの選手たちだ。
しかし、このクジによって野球人生があらぬ方へ向かった選手も、実は多くいるのではないだろうか。
それは結果論だから、いちいち“あの時のクジがなぁ……”なんてことはないのだろうが。

いずれにせよ、将来を嘱望される若者の人生を大人たちのクジ引きで決めてしまうのには、どうも抵抗がある。

アメリカの人たちは、日本のプロ野球がこういうドラフトのシステムで行っていることを知っているのだろうか。
もし、知っているならこれをどういう風に受け止めているのだろうか。
菊池投手の日本かメジャーも大事なアンケートなのだろうが、アメリカで“日本のドラフトのシステムをどう思いますか?”というアンケートもしてほしいものである。
傲慢なお国だから「よその国のことは知ったこっちゃない!」と一喝されてしまいそうだが……

勉強不足でお恥ずかしいのだが、MLBはドラフト制度自体があるのだろうか。
あっても、ほとんどの選手が即メジャーではなく、下のクラスから這い上がらないといけないシステムなので、日本のものとは様相が違うのだろう。
日本のドラフト上位選手は、1年目から即戦力として期待されているケースが多いので。

野球ではないが、NBA(バスケットボール)やNFL(アメフト)のドラフトは、完全ウェバー制度が基本である。
しかも、その指名権もトレードの対象になっているので、おそろしくシステムがややこしい。
だが、戦力均衡という観点で言えば、かなり機能しており、どちらのリーグも全チームが実力拮抗しており、スリリングなリーグ戦が毎年展開されている。

日本のプロ野球がドラフトを完全ウェバー制にするか、サッカー界のように完全自由化競争にするかまでは、話が到らないだろうが、もしそのいづれにかにすれば“クジ”という悪しきシステムだけはなくなると思うのだが……

あまり、この“クジ”に関して議論されているところをみたときがないのだが、多くの人はなんとも思っていないのだろうか。
私はずっとずっと違和感を持っている。

このご時世、就活をしなくてもひきてあまたというだけで喜ばしいことのだろうが、だからって“人の人生をクジ引き?”って思う人がもっともっといそうなものだが……


       そもそもクライマックスシリーズという名前がサブい

話が飛んでしまうが、プロ野球のクライマックスシリーズにも疑問を呈する意見が多い。
確かに12チーム2リーグ制でプレーオフということだけでも、突っ込みどころ満載なのだが……
しかも、セカンドシリーズは優勝チームに1勝のアドバンテージって。
しかも、全試合優勝チームのホームゲーム。
これってもう、“リーグ戦の優勝チームが日本シリーズに出なきゃ誰も納得しないぞ”ってやり方だと思うんですが……
それこそ、アップセットやスリリングな一発勝負のプレーオフの概念を無視しているような……
でも、一応やらなきゃ儲からないし……って、魂胆が見え見え。
ファンも気付き始めているはずなのに、NPBはこれからもこの強引なやり方をごり押ししていくのでしょうか。

それこそ、こんなプレーオフがあることをアメリカの人らには知られたくない。
英語でなんというかわからないが“そんなんありえへんっ”って関西人ばりに突っ込まれること間違いないだろうから(関西人の私が言うのも変だが)。
そら、こんな馬鹿げたことしてたら、舐められて当然なんですが……
決して野球のレベルは日本が劣っていないと思っているので(それはWBCでも証明されている)余計に中途半端なアメリカの真似ごとをしていることが恥ずかしい。


       雄星君、どんなユニホームでも野球がやれる素晴らしさを噛みしめて

アカン、甚だしい脱線はこれくらいにして。

菊池選手はどこでプレーするのだろうか。
私はタイガースを贔屓にしている人間だが、どうせ日本でやるのなら、やっぱり地元のイーグルスで地域の人に愛されながらプレーできるのが、彼の幸せだと感じる。
でもやっぱり答えは“クジ”なんだなぁ……

まぁ、それも承知の上での日本でのプレーを選んだわけだから、どのチームに行っても精一杯やって下さい、としか言いようがない。
目の前の試練をひとつずつ越えていけば、おのずと海の向こうも見えてくるはずだから。

どのチームに行っても、どの国でプレーしても、オッサンは君を応援しとるで、雄星君。

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