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快進撃を続けるジャズ・ピアニストのロバート・グラスパーが、事もあろうに
帝王、故マイルス・デイビスとの「共作」を発表すると聞いたのが数ヶ月前。
真相は、コロンビア社の倉庫に眠るマイルスのテープからチョイスした音源を
再構築し、豪華ゲストを招いて創り上げた新譜…という事のようです。
実はこのワタシ、帝王愛用のマーチン・コミッティーの復刻品を所有する程の
「マイルス者」でありますゆえ、無視して通り過ぎるワケにも行きませぬ。
そんなワケで、通してアルバムを聴いてみた感想ですが…
参加メンバーにHip-Hop系アーティストが名を連ねており、予想はしてましたが
コレ、90年代頃から散々やり尽くされてきた音で、私的には、目新しさも感動も
何らありませんでした(この系統の音楽、嫌いじゃないんですけどね)。
問題は「マイルス・デイビス」の名を冠する必然性を全く感じない、という事。
まぁ、グラスパーが映画「Miles Ahead」の音楽監督を担当したという流れから
この企画が出来上がったのだろうけど、正直「マイルスは何処におるんじゃ!?」
…というのが、率直な感想でございます。
アルバムのセールス面を考えての戦略もあるのでしょうが、マイルスの遺作である
「Doo-Bop」の様な作品を期待すると、見事な肩透かしを喰らわされます(笑)
ただ、この「Everything’s Beautiful」を聴きながら、思った事が一つ。
Hip-Hop JazzやClub Jazz、Acid Jazzといった、80年代後期〜90年代に発生した
当時の最先端が、今や数ある音楽の選択肢の中の一つに過ぎないという程までに
日常生活に溶け込んでいる様を見るにつけ、「時は流れているのだなぁ…」と、
実感せずにはおられないオッサンなのでありました。
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