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五月花形歌舞伎

五月花形歌舞伎 昼の部 5月13日(日)

一、西郷と豚姫(さいごうとぶたひめ)
                   仲居お玉  翫 雀
                  大久保市助  松 江
                   芸妓岸野  松 也
                   舞妓雛勇  児太郎
                   同心兵馬  吉之助
                   同心新蔵  薪 車
                  中村半次郎  亀 鶴
                  西郷吉之助  獅 童

二、新歌舞伎十八番の内 紅葉狩(もみじがり)
            更科姫実は戸隠山の鬼女  福 助
                     山神  愛之助
                  従者右源太  種之助
                  同 左源太  隼 人
                   侍女野菊  児太郎
                   腰元岩橋  吉之助
                    局田毎  高麗蔵
                余吾将軍平維茂  獅 童

三、女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)
                 河内屋与兵衛  愛之助
                     お吉  福 助
                豊嶋屋七左衛門  翫 雀
                   兄太兵衛  亀 鶴
                   芸妓小菊  松 也
                   妹おかち  米 吉
                   小栗八弥  児太郎
                 刷毛の弥五郎  薪 車
                 皆朱の善兵衛  宗之助
                   花車お杉  歌 江
                 山本森右衛門  錦 吾
                 河内屋徳兵衛  歌 六
                   母おさわ  秀太郎
 
日食やらスカイツリー開業やらいろいろ話題が多いこの頃ですが、全くついていけてない・・(^^;)
今日5月22日は中村吉右衛門さんのお誕生日であります!!(それは忘れていない・汗)
 
5月の歌舞伎は若手俳優さんの見所が多くて、いつもと雰囲気の違う舞台でした。
 
「西郷と豚姫」

なかなかインパクトのあるタイトルですね。
大正6年に無名会という劇団によって初演された作品。後に歌舞伎で何度も上演され、新歌舞伎の名作に数えられるようになったそうです。新歌舞伎ということで台詞も分かりやすく、また西郷や大久保など有名な歴史上の人物が出てくる話も入り込みやすかったです。
 
勤皇派と佐幕派の対立が続く京都が舞台。揚屋の仲居お玉は大柄のため豚姫というあだ名で呼ばれています。
そんなお玉が想いを寄せるのは西郷吉之助(後の隆盛)
久しぶりに揚屋に現れた西郷に、お玉は自分の境遇と西郷への想いを語ります。西郷に一目会ったら死のうと考えていたことも・・。
藩主の怒りに触れ、また命も狙われている西郷は一緒に死のうと語ります。
しかしその時大久保が現れ、藩論が勤皇に決まったこと、西郷は密使として江戸に向かうことになったことを知らせると、西郷は江戸に旅立ちます。
 
豚姫って・・(笑)可哀想なあだ名だなぁ。お玉は性格も良く、周りの女の子たちの良き相談相手。
でも貧しい家庭に生まれ、9才で奉公に出されます。
その身の上を語るお玉・・切ないですね。翫雀さんのお玉、初役なんですね。
そんな風には見えなかったです。西郷のことを一途に想う気持ちが可愛らしかったです。
本当に見た目は立派な体格なんだけど、心の中は周りの誰よりも乙女で。
頑張れ!って応援したくなる。西郷が江戸に行ってしまうのは寂しそうでしたね。
獅童さんの西郷は、何だか面白かったです・笑(おい)
メイクがザ・西郷という感じで。顔ばかり注目してしまいました(汗)
 
幕末の京都、情勢も不安定で人が毎晩のように斬られていたんでしょうかね。
芝居の中には一歩外に出ると、常に危険があるような・・ちょっと物騒な雰囲気もありました。
だからこそお玉と西郷には幸せになってほしかったです。でも心中しないことになったからよかったのかなぁ。
 
「紅葉狩り」
平維茂は紅葉狩りをしていた更科姫に呼び止められ、一緒に紅葉狩りをすることに。
しかし実は更科姫は鬼女で、維茂は見事鬼女を追い払う・・という物語(簡単に言い過ぎですね・汗)

福助さんの着物が華やか♪舞台も紅葉のセットが綺麗でした。

思っていたより一人一人出番がちゃんとありました。
特に従者の種之助さんと隼人さん。それぞれ台詞はもちろん一人で踊る場面も。
3月に又五郎さんの踊りを拝見しましたが・・種之助さんの踊りは又五郎さんに似ているなとちょっと感じました。きっちり、足もぶれず、真面目な雰囲気。
お酒に酔っ払う所も何だか真面目で(^^;)
舞台上でこんなに台詞や踊りの見せ場がある種之助さんと隼人さんを見たのは初めてだったので嬉しかったです。
お二人の今後のご活躍が楽しみです♪
 
「女殺油地獄」
今回のお目当て、愛之助さんの河内屋与兵衛。
以前テレビで仁左衛門さんの与兵衛を見たことがありましたが、生で見るのは初めて。

東京で愛之助さんが与兵衛を演じるのは初めてだそうです。
 
タイトルの通り(汗)殺人の話です。すごい直球のタイトルですね。
油屋河内屋の息子与兵衛は放蕩息子。妹や継父の徳兵衛に暴力をふるう与兵衛に耐えかねた母おさわは与兵衛を勘当し家を追い出します。
借金の返済に困った与兵衛は同じ油屋の豊嶋屋を訪れ女房のお吉からお金を借りようとしますが断られ・・与兵衛はお吉を殺してしまいます。
 
与兵衛は本当にどうしようもない息子なんですが、河内屋がちょっと複雑で。
徳兵衛は河内屋で番頭として働いていたんですが、主人が亡くなったのでおさわと結婚し与兵衛の継父に。なので与兵衛に遠慮があります。
そんな感じなので家の雰囲気もちょっとぎくしゃくしている。

テレビで見たときは仁左衛門さんの完璧な(汗)放蕩息子っぷりとお吉を殺すときの目の恐ろしさがすごく強烈でそれが頭に残っていますが、愛之助さんの与兵衛は普通の人が殺人者になってしまう怖さがリアルでした。
 
迫力があるのは仁左衛門さんでしたが、それは役を演じている年数も全然違うし比べてはいけませんね。また数年後、数十年後に演じるときは今回と違う与兵衛になりそうだなと感じました。
 
与兵衛がお金を借りるためにお吉のもとを訪れると、そこに徳兵衛が現れ与兵衛は慌てて物陰に隠れます。
徳兵衛はお吉にこっそりお金を渡し、与兵衛が訪ねてきたらこれを渡してほしいと。
そこにおさわも現れ、与兵衛に辛く当たったおさわまでも、実は徳兵衛と同じことを考えお吉にお金を渡そうとしていたことが分かります。

物陰に隠れていた与兵衛は、両親の想いを知ります。
こんなどうしようもない息子でも、やっぱり放っておくことはできないんですね。

特に徳兵衛は持つの息子ではないので与兵衛に甘いんですが、ただ血が繋がっていなくても与兵衛を想う気持ちは深くて・・歌六さんの徳兵衛は遠慮もありながら、与兵衛のことを気遣う気持ちも伝わってきました。毎回思いますが声がとっても良いですよねぇ。台詞から愛情も感じられて・・
ずっと聞いていたくなりました。やっぱりすごいなぁ!
歌六さんが舞台に出ていると、ホッとします。
どんなに短い台詞でもしっかり気持ちが伝わってくる。長台詞も素晴らしいし・・名優さんだなぁ。
 
おさわの秀太郎さんは、普段の優しそうな雰囲気は一切なく厳しい母親。
でもやっぱり息子のことが心配で仕方ないんですね。
秀太郎さん若いなぁ。仁左衛門さんのお兄様ということは70歳過ぎていらっしゃるんでしょうか?
そんな風に見えないです。まぁ役者さんは皆さん若々しいですね♪
 
そんな親の気持ちを知りながら、借金を返済するためにお吉から何としてでも金を奪おうと思う与兵衛。
ここで真面目に働いてやり直そうという気持ちにならないのがなぁ。。

愛之助さんの与兵衛はお吉を説得できず、お金を借りることができずどうしよう・・なんとかしなきゃ。
という表情から脇差しを見つけ、これでお吉を殺せば・・と思う時の目がとっても怖かったです。
与兵衛が殺人を決意してしまう瞬間が目の鋭さの違いではっきり分かって。
いやぁ恐ろしかったなぁ。
ここの表情の変化すごかったです。それまでは放蕩息子と言われながらも、根は良い人なんじゃ?と思う雰囲気はあったんですが・・脇差しを見つけてからはそんな雰囲気が一切なくなりました。
前半部分は主役としてはちょっと弱いかな?と感じる部分がありましたが、後半のこの顔の表情の変化はさすがでした。
 
そこからは油まみれになりながら、逃げ惑うお吉を執拗に追いかけ、お吉を刺し続ける与兵衛。恐ろしすぎる・・(汗)

舞台には樽から実際に油っぽい液体が流れ、役者さん2人は油まみれに。
油だから足元が滑るんですよね。2人とも滑りながら、一方は何とか助かろうと、もう一方は殺して金を奪おうと必死。
福助さんは痛い・・痛い・・と何度も声を絞り出します。そりゃそうですよね。痛い、怖い、助かりたい。
フィクションだと分かっていても見るのが辛い場面です。
しかしお吉が本当に本当にかわいそうですよね。
すごく良い人で、お金を借りに来る前も争いを起こした与兵衛の面倒をみてくれたのに。
とうとうお吉は息絶え・・ハッと我にかえる与兵衛。震える手で何とか刀を鞘に納め、金を持って逃げていきます。
 
主人公にあまり共感できず、また後味もかなーり悪い演目ですが、愛之助さんの今の与兵衛を観ることができて良かったです。
 

 

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閉じる コメント(15)

ミュージカルに歌舞伎と相変わらず幅広く観ていますね。
しばらく首都圏にいるので、今度は歌舞伎を観てみようかな。
『キャッツ』以外にも気になるミュージカルはありますが。。。

2012/5/22(火) 午後 10:48 [ - ] 返信する

新歌舞伎っていうんですか。
フレッシュな顔ぶれでまた違った楽しみ方が出来そうですね。
個人的には愛之助さんを一度生で観たいなぁ♪

2012/5/22(火) 午後 11:54 marr 返信する

cha cha cha chanceさん
そうなんですか!歌舞伎もオススメです♪
特に今月の昼の部は内容も面白いものが多くて楽しいと思います。
機会がありましたらぜひ♪
キャッツ以外のミュージカルも良いですね!エリザベートとか今やっているのかな?そちらもオススメです!

2012/5/23(水) 午後 7:39 レミ 返信する

marrさん
大正時代とかに作られたものを新歌舞伎というみたいですね。
台詞も分かりやすくて楽しいです。
今月は本当に若手さんが大活躍で面白かったです。
愛之助さん良い役者さんです♪関西では愛之助さんが出てくると結構客席が沸いた気がします。人気なんですね(^^)

2012/5/23(水) 午後 7:41 レミ 返信する

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西郷と豚姫から。幕末の京都は幕府と倒幕派の争いの中心となっていたようですね。その中で西郷の恋物語とは一風変わっていて面白そうに思えます。紅葉狩りは羅生門の鬼を思い出します。最後の女殺油地獄は、悪事を働けば最後は破滅すると言った戒めの作品に思えます。

2012/5/23(水) 午後 9:21 [ ret ] 返信する

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あの頃にそんな肥った女性はいないと思いますが(笑)
中村吉右衛門さんのお誕生日、おめでとうございます〜
「女殺油地獄」はテレビ鑑賞です、仁左衛門の最後の舞台、生で見たかったです。
秀太郎さんは昔から上手いといわれてましたね、なんともいえない味があります。
欧米だけでなくいろんな世界の映画を知りたいです。
玉三郎丈は映画にもお詳しいです。監督もしています。彼がもし監督だけならもっと評価されるのにという評論家もいます。
女性誌『FRaU』や玉三郎HPなどに玉三郎の映画についての記事が載っています
紅葉狩りは玉三郎で観ました。

2012/5/23(水) 午後 10:15 hitomi 返信する

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来月、愛之助の舞台を南座で見ます。
「女殺油地獄」は怖いぐらい現代に通じますね。

2012/5/23(水) 午後 10:17 hitomi 返信する

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お店を始めてから舞台も映画もなかなか見に行けない状態が続いております。
レミさんがうらやましいです。

2012/5/24(木) 午後 6:27 Tsugumi 返信する

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昼の部だけで3公演なんですか!?
一つ当たり何分くらいなんですか!?

2012/5/24(木) 午後 11:10 かず 返信する

gpさん
西郷隆盛の恋物語ってあまり聞いたことがありませんね。
幕末の京都の緊張感と、お玉の恋する温かい気持ちのバランスが良かったです。
紅葉狩りは鬼女も出てきますしね。作家もそういうところからインスピレーションを受けていたりするんでしょうか?
女殺は本当に戒めの作品だと感じます。歌舞伎の作品では悪事を働いた主人公が破滅する物語が多い気がしますね。

2012/5/26(土) 午前 0:37 レミ 返信する

hitomiさん
今回の翫雀さんはちょっと恰幅が良すぎた気もしますね(笑)
吉右衛門さん68歳になられました!まだまだ活躍してほしいです。
女殺し、私も仁左衛門さんの最後の舞台見たかったです。
玉三郎さんは映画もお詳しいんですね。監督までされているなんて。
芸がある人は器用にいろんなことが出来るんですね。
紅葉狩りご覧になったんですね!羨ましいです。最近全然玉三郎さんの舞台拝見してないです・・
来月愛之助さんご覧になるんですね♪
私は再来月の国立劇場でまた拝見する予定です。女殺は本当に現代でも起きている問題ですよね。人間のやることって変わっていないということですかね・・

2012/5/26(土) 午前 0:41 レミ 返信する

Tsugumiさん
確かにお店はランチタイムも夜もありますし、なかなか見に行くことが難しいですよね。
でも日々お店で素敵な出会いをされていて良いなと思います♪
今度秩父に行くときはお邪魔させてください(^^)

2012/5/26(土) 午前 0:44 レミ 返信する

かずさん
確かに歌舞伎ってちょっと特殊な上演をしてますね。
紅葉狩りが一番短くて30分くらいだったでしょうか?
通し狂言とかだと長いですが、大体普通のお芝居だったら1時間か1時間半くらいの上演時間だと思います。
短いものだと、ある演目の一場しかやらない・・というときもあって15分くらいで終わってしまうものもありますね♪

2012/5/26(土) 午前 0:46 レミ 返信する

豚姫って^^;笑
そんなあだ名嫌ですね…。
「女殺油地獄」もインパクトあるタイトルですが、内容もなかなか悲惨な感じで…。
ラストなんて凄そう^^;

先日、亀治郎さんがTV番組で歌舞伎に関して語ってましたけど、本当に大変なお仕事ですよね…。
上演中の演目をやりながら、次の演目の台詞を覚えるとか…。
梨園に生まれなくて良かったなぁと思います^^;笑

2012/5/26(土) 午前 11:02 れじみ 返信する

れじみさん
豚姫は嫌ですよね(笑)
女殺は本当にインパクトあるタイトルです。内容もすごいです。
R指定とかかかる勢いだと思います(^^;)
いやぁ本当に!稽古期間も3日とかそれくらいの時もあるそうです。
何より休演日がないのがすごいですよね・・。
梨園に生まれたら大変ですね!見る側で良かったです(笑)

2012/5/28(月) 午後 10:04 レミ 返信する

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