横山秀夫

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横山秀夫 『64』

警察職員二十六万人、それぞれに持ち場があります。
刑事など一握り。
大半は光の当たらない縁の下の仕事です。
神の手は持っていない。
それでも誇りは持っている。
一人ひとりが日々矜持をもって職務を果たさねば、こんなにも巨大な組織が回っていくはずがない。
D県警は最大の危機に瀕する。
警察小説の真髄が、人生の本質が、ここにある。      (内容「BOOK」データベースより)
 
 
出ましたね〜、横山さんの新作!!
・・・5ヶ月経ちましたけどね、ぶふふ。
今回はすっかり出遅れてしまいました。
もっと新刊アンテナを立てて情報をゲットしないといけないですね。
 
さて久し振りの横山さん。
どんだけ男臭い世界が広がっているんだかとかなり期待して読みました。
ええ。
臭いましたとも(笑)。
フワフワ漂うおっさん臭。
おっさん大好きになってきた紅子さんにはたまらない香りでございました^^
でも、前半、人物でかなり苦戦したんですよねー。
警察モノにはお馴染み、所属、階級、そして人名。
これが一致しにくくて。
誰が偉いんだか、誰の部下なんだか、ぐちゃぐちゃ状態。
で、思いましたね。
今『64』の2時間ドラマがあってくれたら助かるのに。
(横山さんの代表作でもある『クライマーズ・ハイ』を読んでいた時、同じ状態に陥り、
 たまたま録画していた2時間ドラマを見たおかげで一気に人物を把握した経験あり)
でもまだ5ヶ月ですからね、ある訳ない。
根性出して読みましたよー、1週間かけて!!
なんでこんなに時間がかかっちゃったんでしょうねー。
 
そもそも64とは何か?
何を想像されてました?
私は「ムシ」とか「64kgの人物」とか「焼酎の割合」とか色んなことを想像してました。
答えは昭和64年のこと。
平成生まれの方々にはピンとこないことかもしれませんが、昭和を生きた私には「おおお!!」という時代。
その昭和64年に起こった未解決の誘拐事件の話です。
 
※今回、私は遅い読者だと思われるので、ネタバレをあまり気にせずに書きます。ご注意を。
 
主人公は刑事から広報へと異動した三上。
いつか刑事に戻ってやると思いながらも、現状を乗り切ることで手一杯。
しかしそのことが刑事仲間から見ると裏切り行為にも見えてしまう。
まさに板挟み状態。
マスコミとの関係、広報の仲間、古巣の刑事軍との絡み。
そんな自分の立ち位置が今ひとつしっかりしない中、発覚したロクヨンに酷似した誘拐事件。
読んでいる時は流れに乗ったまんまだったから気付かなかったけど、盛りだくさんな内容だったんですなぁ。
 
ということで、ザザッとした感想を。
最初の主婦の交通事故はどう繋がるんだろうと思ったら、
マスコミの警察に対する不信感を煽るため(ですよね?)。
気付いてなるほど。
事故の被害者について、最初は見当違いなことを調べているなと思っていたけど、
振り返るとその部分が印象深く残っています。
それからマスコミ関係、秋川と山科、違う個性の記者の動きを楽しみました。
秋川は裏切ったり裏切られたり。
それでも覚悟を決めて前に出た時は心強かったなー。
あと松岡さん。
こういう上司が増えてほしいですね^^
それから横山さんの作品でよく活躍する(?)奥様ネットワーク。
娘が行方不明でふさぎがちだった美那子さんの過去。
また華やかな美那子さんに戻って欲しい。。。
・・・まずい、書いても書いても終わらない。
ま、それだけ密な内容だったということでいいですかね^^;
 
 
で、正直なところですが、久し振りな横山さんということでかなり期待して読んだのですが、
これまでの中で最高かと言われればそうじゃないかも。
“声”
よっぽどの耳じゃないと難しいんじゃないかなぁ。
すごいすごい執念を感じるけど、現実味が感じられないので、少々尻すぼみ。
でもそこまでの人間関係のゴタゴタした部分は楽しんだし、総合評価は☆4で(←たまに登場する制度^^;)。
 
 
次の横山作品、いつ読めるのかしらん♪

横山秀夫 『深追い』

「コンヤハ カレー デス」
事故死した夫のポケベルにメッセージを送り続ける妻。
何のため、誰のために?
真の被害者は、罪深き行為とは。
地方の警察署を舞台に組織に生きる人間の葛藤を描く警察小説集。
02年刊の再刊。
内容(「MARC」データベースより)

まずはさささっとあらすじをば。
「深追い」
秋葉和彦の小中学校時代の同級生・明子の夫が死んだ。
自転車で帰宅中にトラックにはねられて。
現場で見つけたポケベルを拾うと、メッセージが送られてきた。
「コンヤハ オサシミ デス」

「又聞き」
高校時代に写真部に在籍したことのある三枝達哉は、その経験から鑑識係の配属である。
小学二年生の三枝が海で溺れているのを助け、亡くなってしまった小西和彦の家へと毎年行くのだが、
小西と同じ年になった今年、それを止めようと思っていた。
しかし三枝の前に毎年出されるアルバムの写真で気になる一枚があり…

「引き継ぎ」
“既届盗犯等検挙推進月間”
尾花は今もっとも脂の乗った泥棒・野々村をターゲットに動き始めた。
が、尾花の脳裏には父の頃から追い続けている岩田政夫の存在がちらついて…

「訳あり」
警務係長・滝沢郁夫へかかってきた電話は「不採用」だった。
鈴木巡査長は再就職を希望しているのだが、なかなか行き先が見つからない。
そんな中、滝沢へ捜査二課長・についている“悪い虫”を追っ払ってくれと言われ…

「締め出し」
中学時代の苦いを引き摺りながら少年係をしている三田村厚志の前には、
不良グループの中の一人が座っている。
取調べをしていると、至急報が入った。
その内容を聞いて目の前の少年は動揺し始めるのだが…

「仕返し」
警察署の次長をやっている的場彰一だが、本日は子供のお受験のための下見にやってきている。
ここなら苛められないだろう・・・
翌日的場を待っていたのはホームレスの死。
単純な死なのか?それとも・・・

「人ごと」
落し物の花屋の会員証を届ける交通捜査係の「草花博士」西脇大二郎。
待っていたのは月35万円もする高級マンションの最上階に住む老人だった。
しかしどうも偶然落としたのではなく、わざと、のようであるが…


これで横山作品、追いつきました♪(多分)
でももう待つ立場になると思うと少々残念かも。
早く新作を出してください、横山さん。

どれも警察の最前線で働く人たちではなく、裏方さんだらけ。
このパターンを続けて読んでるなぁと思っていると不意打ち!
「訳あり」の展開には驚きました。
いやぁ、こんな話を横山さんで読めるとは思ってなかったんで(^^
「人ごと」も暖かくなれる話だったし。
種を見ただけで「パンジーだよ」なんてスゴイわ。
ちなみにうちの義母はちーさな芽でも「これは○○」「あれは○○」と分かります。
私なら間違いなく雑草と思って引っこ抜きますが(^^;
横道それましたが、それ以外はこれまで読んだのと雰囲気は似通ってました。
更にどれがどの話だったのか混同しそうだけど(^^;


それにしても「ポケベル」とは時代を感じるねぇ(笑)

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横山秀夫 『影踏み』

深夜、寝静まった民家を狙い現金を盗み出す「ノビ」と呼ばれる忍び込みのプロ、
さらに取り調べに対して決して口を割らない高く強固な「カベ」を思わせる、
“ノビカベ”こと真壁修一。
彼が出所後に出くわした7つの連作短編。


へぇ〜、こんな作品もあるんだ、と思わされる一冊でした。
今まで読んできた雰囲気とはガラリと違う。
犯罪者側から描いてあるというのも珍しい。
この修一には双子の弟・啓二がいたのだが、母親との無理心中で亡くなり
その以来、修一の中に啓二が入っている状態。
内耳における修一と啓二との会話が出てくるのだけど、双子と言えども似てないなぁ。
どちらかというと年の離れた弟でしょ、啓二は。

「消息」
修一が捕まるきっかけとなった家の妻・葉子を追う。
思わず「あ〜!」と唸ってしまう話。
啓二の数字暗記のすごさに驚かされる。
「刻印」
葉子の新しい男が殺される事件が。
「消息」からの流れ。
え?このパターンで進んでいくの?と思ってしまった(実際は違うけど)
「抱擁」
修一が結婚を考えていた女性・安西久子が職場にてお金を盗んだのではないかと疑われているらしい。
それまでの修一のイメージは冷酷、しかし、これで少々変わる。
ま、久子への“愛”ということで。
「業火」
盗人狩りがチンピラの手で行われていて、修一も襲撃される。
これがお気に入りかも。
ボコボコにされながらも動く姿、敵方・若頭の御影との対面シーンにはなぜか熱くなるものが。
(柴田よしきさんの花咲シリーズでもこういう感じがあったような)
“ジゴロ”の理由に思わずへぇ〜。
「使徒」
刑務所で頼まれたサンタクロースの仕事。雇い主は?
前の話とは一転、こちらは読後があったかくなれる。
ま、サンタクロースというだけでもいい話のような気がするもん(私だけ?)
「遺言」
盗人狩りでやられた黛が死んだ。その死を知らせるために黛の父親を捜す。
えっと…これはスリ用語勉強話ですかね(^^;
軽犯罪法を利用するところには痺れました。
「行方」
久子が見合いをした相手は双子の弟の方。しかしその兄がつけ回すようになり…
さすがに最後の話。
分かる人には分かるのねと。
でも切ないなぁ。。。


これもいい!…だけどやっぱり警察が舞台の方が好きだなぁ。
ま、私のわがままなんですがね、へへ(^^;

横山秀夫 『動機』

各誌ベストテンを総ナメにした日本推理作家協会賞受賞作!
署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。
犯人は内部か、外部か……。
男たちの矜持がぶつかりあうミステリ短篇四篇を収録 (出版社/著者からの内容紹介)


あらすじ少々、自分用
「動機」
貝瀬が提案した警察手帳一括保管。
しかしそれが裏目に出てしまい、30冊の警察手帳が無くなってしまった。
当直が13人もいる中、盗んだのは外部の者か?
それとも内部の犯行か?

「逆転の夏」
山本は昔、十六歳の少女を殺してしまった。
服役後、父親の知り合いの及川という保護司の世話により、葬儀社の搬送業務に就くことができた。
ある日、山本の元へ一本の電話がかかってきた。
「殺してほしい人間がいるのです」
それから山本の口座にはお金が振り込まれるようになるのだが…

「ネタ元」
水島真知子は県警本部担当の新聞記者。
ある事件を調査している中で、ライバル新聞社からの引き抜きの話がきた。
しかしその新聞社は『私』を必要としているのではない。
多分、私の後ろにいる『彼女』の存在のせいだ…

「密室の人」
―――なんてこった。
任官して二十二年、安斎は法壇で居眠りをしてしまった。
いや居眠りだけでなく、妻の名前まで呼んでしまったのだ。
司法記者の三河がその場にいたので、記事をストップさせるために動く安斎。
しかし、なぜあの場で眠ったのだろう…


以下ネタバレ含みます。



相変わらず読みやすいし、上手いよなぁ、横山さん。

「動機」は事件そのものもだけど、そのバックにある“親子”というものにもやられた。
規則規律の遵守を信念とする『軍曹』の大和田。
大和田と大和田とは別の道を歩む三人の息子たち、それから貝瀬と元警察官だった父親。
親の気持ちとは複雑なんだな。

「逆転の夏」も完全にやられました。
口座番号を知っているというので及川は疑いまくりだったけど、そっちと繋がるとは…
してやられたり。

「ネタ元」、うーん、やっぱり女性がメインになるとあまり好きではないなぁ(^^;
いや、女性が男性と張り合って仕事をするというのは大変なこととは思うんだけど
ここまでシビアなのかなぁ…と。
また彼女にはちょっと嫌な面(万引き)もあるし、素直に肩入れできなかった。
もちろん『彼女』もあまり好きではなかったし。
どれも中途半端に感じてしまいました。
最後もなんだかなぁ。。。(^^;

「密室の人」は奥さんと彼が…と驚きでした。
そりゃあ反則です(笑)
予想もしませんでした、いやできませんって、そんなん(^^;
この話だけはやはり「居眠り」というのがベースにあるせいか、他の忙しないテンポと比べると
緩やかに感じた。
だから頭の中では安斎がおじいちゃん(実際は49歳)。
あまりにも落ち着きすぎでしょ、49歳にしては。


何はともあれ面白かった。
ただ、どうしても他の作品と似ているので忘れそうなんですが(^^;

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。
にべもなく撥ねつけられた二渡が周囲を探るうちに、
ある未解決事件が浮かび上がってきた・・・・・・(「陰の季節」)。
「まったく新しい警察小説の誕生!」と選考委員の激賞を浴びた
第5回松本清張賞受賞作を表題作とするD県警シリーズ第一弾。(裏表紙より)


いつものごとく自分用メモ。

「地の声」
Q署生活安全課長・曾根に関するタレコミの出所を探る新堂。
曾根の印象は――少なくとも、悪い男じゃなかった――
以前の部下である「深海の貝」を思わせる男、柳を使って調べるのだが…

「黒い線」
手柄を立てたばかりの平野瑞穂が無断欠勤しているという。
先輩にあたる七尾友子は瑞穂の寮へと向かうが、手がかりは香水の匂いの残った部屋。
男?それとも事件に…?

「鞄」
警務部秘書課・『議会対策』が仕事の柘植正樹。
今度の議会にて鵜飼県議が“爆弾を県警に向かって投げる”と言っているらしい。
不明朗な金の流れでも掴んだか?幹部クラスの不祥事ネタでも握ったか?それとも…


久々に短編横山さん当たり作品でした(^^
好きだわー、二渡が(そこかい!)
でも振り返ると最初に出てきた二渡とそれ以後の二渡、性格が違うような…(^^;
あくまでも私の中でのイメージということで。
最初の「陰の季節」の時の二渡は家族の話題も出るし、気持ちの動きがある。
それに対して他の話に出てくる二渡は何となくアンドロイド系。
仕事をパリっとこなすけど、感情もあまりないような。
全てを理解していて上から「ふ〜ん…」と傍観者。
いや、それがいいんですけどね(^^;

「黒い線」の瑞穂は『顔 FACE』の彼女ですね(^^
これを先に読んでいればあっちの印象ももっと変わったかも…(あまりいい印象ではなかったので)

「鞄」はなぜか私もドキドキしてしまった。
なんだよ“爆弾”って!!と思いながらも、疑っていたのは彼(ネタバレになるので伏せよう^^;)。
でも大きく空振りして、あーなるほど。
その点では「地の声」は大当たりだったのになぁ。


文庫だとかなり薄く感じる本書。
それでも中身は濃いいんだなぁ、これが(^^
さ、残りの横山作品、何があるんだ?

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