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獣医さんが鉄砲持つことに抵抗はもちろんありました。
しかし「持ちたい!」と考えるにつけ欲望はふつふつとわいてきます。
ネットで「所持許可」などでくぐってみるとあるはあるは。。。
ますます気分は高まるばかり、なのであります。
獣医師の中には、わざわざHPで「とびどぐで撃つ奴の気が知れん!自然を何と心得る!?」
というようなアホな考えをもっているオヤジがまだまだおります。
これは一般民間人も同じでしょうけどね。
わたしでさえ、数ヶ月前までそうでしたから、ま、そりゃ仕方ないのもわかります。
はじめは狩猟はしないで「標的射撃」だけすれば大丈夫!世間には許される、と思っていました。
それが、「クマの自然放獣」という考えについて記したHPをみると「ああ、麻酔銃というのもアリだな。獣医さんが麻酔銃持つ為に鉄砲の免許申請すりゃすごく普通」などと、とにかく鉄砲と職業をムリムリ当てはめている自分がいるわけですよ。結局持ちたいのねー。
色々調べると「屠畜銃」(とちくじゅう、世間では屠殺銃とも言ってますね)なども鉄砲の所持許可が必要だということがわかりました。家畜の殺処分(あえて安楽死などという言葉はつかいません)にはいいかもしれませんが、ウシではBSEのサンプリングがありますから安易に現場で脳天には打ち込められません。ブタはオーケーでしょう。
でもここでわかっていただきたいのは屠畜の「と」はあくまで「屠る(ほふる)」すなわち人が食すことを前提にした言葉です。衛生管理の整った屠畜場で行うのが理想形。畜産の現場で緊急的に行う「切迫屠殺」はできるだけ避けたいですし、そのようなことが可能な限りないようにしたいものです。
獣医さんが畜産現場でと畜銃を使用するとき、それは経済レベルに達することのできなかったヒトの食卓に上げることのできない家畜を文字通り「殺処分」するときでしょう。やるからには可能な限り安楽死という方法をとりたい。。。
一部(本当にごく一部ですけど)の畜産現場では安楽死とは程遠い殺され方をされている部分があります。大変悲しいことですが私はこれをなんとかしたい。
さて
先月仙台和牛の基礎となる子牛5ヶ月齢の「きゃんたまちゃん×2コ」を虚勢手術しました。
村上春樹の工場訪問エッセイ集にも雄牛の特徴がありますが、金玉ついたままだとだんだん雄の本能が発揮されてあつかいにくくなってくるし(攻撃的になる)、ぶらぶらついていてもあまり意味のない部分だし(スーパーに並んでたら、みんな食べる?)、肉だってケモノ臭くなってきてしまう
だから、やっぱりチョキン!とやらないとまずいわけです。
もちろん、私は「やさしい獣医さん」ですから、痛み止めと麻酔をやって切りますよ!
そんなこんなで、
獣医師になって11年、捨て続けていましたが、考えを改めて「喰う」ことにしました。
父親世代は昔は食べたんだそうです。金玉切ってるとよく言われます。
妻が昼寝をしているときを狙って台所にもってきて、精巣基底膜と基底膜静脈に割面を入れ...なんて
小難しいことは考えずに、要するに血がつかないように中身を取り出してサランラップで冷蔵庫にしまいます。
金玉の中身はふわふわですから、なかなか球体で摘出するのはむずかしいですね。
玉中心を流れる1本の動脈から外の膜の静脈へといくつも栄養管が細く繋がっているので栄養管を丁寧に外します。
あとはネギ、にんにくすり身、酒みりんと本つゆ、卵の黄身を用意して刺身。
コツがあるとすれば、ビニル手袋でやったほうは、手に精子臭(手に付くとうらやましいくらい臭う)残らなくていいです。
学生時代に東京の居酒屋で食べたことがありましたけど、あん時は喉元を過ぎた後の「むはー」とくる
後味がいやだったなぁ。。。
今考えると、あれはちょっと鮮度が落ちていたかも。
切って3日くらいは、へんな後味などなく、ユッケ級のウマーーーーーーーー!であります!
きゃんたま、恐れるるに足りず!!
うちの妻はまだ恐れていますけど(笑)
よくよく考えれば「仙台牛の子牛の精巣ユッケ風(子牛まだ生存中)」ですからね。グルメですねー
なお、牛の腹部切開手術中
「ここバラ? バラ肉だよね? 新鮮な牛肉のかほりがしますねー
あ、おいちゃん口からヨダレがでとるね。いかんねー
すこし切り取って。。。。いやいやイカン!それはいかんよ。
おいちゃん、さっさと手術終わらせて家に帰ってごはん食べてくるよ。
また会おうな!」
となることは、たまにあります。
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