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年末の大掃除の最中に、懐かしい本が見つかりました。 「地下鉄(メトロ)に乗って」(浅田次郎) 99年の暮れのことです。 会社を退職して、再就職先を探していました。 なかなか、見つからない。決まらない。 リフレッシュの意味を込めて、北海道に一週間、一人旅に出ました。 札幌と網走に住む友人に会う以外には、何も予定はなく、することもない。 ほとんどが「孤独な時間」でした。 汽車からの景色にも飽きてきて、「なにか本でも・・」と立ち寄った「日本最北!の書店」(稚内)で見つけたのが、「メトロに・・」でした。 「あさだじろう」という作家の名前は知っていましたが、それまでに読んだ作品はありません。 本当に、なんとなく・・・で選んだ本でした。 泣きました。 「本を読んで泣いた」ということ自体、「もう一度、投げたかった」(津田恒実)以来のことでした。 いつもの地下鉄を降りると、そこは昭和39年の町並みだった――。 あなたは、父になる前の父親のことを知っていますか? あなたが生まれる前の母親に会いたいですか? あなたの知らない、あなたの物語。あなたに続く物語 ・・・ 「鉄道員(ぽっぽや)」「椿山課長の七日間」と同種の、「非・科学的SFファンタジー」とでも言うべき作品です。 「あるわけねえじゃん」と言ってしまったら、それでおしまい。 「映画化されている」ことも、知っていました。 「原作を知っている人は、ガッカリすると思う。見ないほうがいい」という観覧者のレビューがあったために、ずっと敬遠していました。 観てみたくなった。 TSUTAYAに行きました。 原作とは異なる部分も多いし、カットされている部分もあるけれども、これはこれ、余韻の残るいい作品でした。 提真一、熱演。 「鈴木オート社長」なんかより、ずっといい。 大沢たかお、好演。 鳥谷敬君も、負けずに頑張ってください。 岡本綾はハマリ役で、常盤貴子(お時)も「原作のイメージ」に合っていました。 「寅さんと、さくらさん」。 突きつけられた、切ない運命。 忌み嫌っていた父親もまた、「激動と混乱の昭和」を必死に生き抜いた人だった――。 Salyuの歌声にも、なんだかホロッときました。 こういう作品を、「いい映画だったね」と言ってくれるような女(ひと)が見つかればいいなあと、切に思います。
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