1983年8月20日。 オリオンズの仁科時成が、対バファローズ戦(川崎球場)でノーヒット・ノーランを 達成する寸前まできたとき、横浜球場の記者席では、全員、目前のジャイアンツ対ホエールズの試合など無視して、ラジオの実況中継に耳を傾けた。 そして、彼があとひとりというところでヒットを打たれたとき、誰もがいっせいに溜め息と悲鳴の混じった叫び声をあげ、そのあと暖かい大きな拍手が一分近くも続いた。 しかし、翌日のスポーツ新聞の一面トップは、もちろん、誰も注目していなかった、ジャイアンツの試合結果だった。 「新潮プロ野球大事典」(新潮文庫・刊) ラジオの巨人戦中継が突如オリオンズVSバファローズ戦に切り替わったこと、小学生ながら緊張して・固唾を飲んで中継を聴いていたこと、打たれた相手がジャンボ仲根さんだったこと。 今でも、ハッキリと憶えています。 悔しいな。残念だったなぁ・・。 オリオンズの名投手・仁科時成さん。 踊り上がるような、独特のリズムのアンダー・スロー。 大好きな投手でした。 翌1984年にも、同じバファローズを相手に「あとひとり」で・・。 2年連続・同じ相手に・・なんて、これはこれで、史上に残る「快挙」だと思います。 2013年・6月26日。 古谷拓哉。 正直、予告先発でその名を観たときの感想は、真に失礼ながら「名前聞くの久しぶりやなぁ」「そんなに台所、苦しかったんか」・・でした。 そもそも、「先発・古谷」なんていつ以来?今まであったっけ?だったのです。 試合経過を何も知らないまま、帰宅。 大好きなFOXチャンネルを選択。バファローズVSマリーンズ。 8回ウラ攻撃中。マリーンズの「7−0」。 あれ?? 古谷、頑張ったんだなあ。良かったなあ。 ・・って、まだ古谷、投げてるじゃないか!! 凄い!「完封」かあ!!・・・ FOX中継の時は、「実況・解説無し」で観ているので、「実は”大変なこと”になっていた」こと、まったく気付いていませんでした。 8回ウラが終わって、スコアボードが大写しに。 バファローズ側の「”H”のところ」が「0」になっていたのを観たときは、大袈裟でなくビックリ大仰天。 口、アングリ。 声も出ないくらいに驚きました。 プロ8年目。 先発登板自体が、2試合目。 セットアップとして活躍した時期もあったけれど、ここ数年は一軍での登板自体が少なかった。 正直、真に失礼ながら「その名を知っている野球ファン」は圧倒的に少数派であろう、投手です。 ある意味、近藤真一さんを超える史上最高の「ビックリ大快挙」だ!と、思いました。 「仁科さんになるなよ、仁科さんにならないでくれ・・」 そればっかり、念仏のように唱え続けました。 坂口智隆。フルカウント。 次打者は、元同僚の辻俊哉です。 辻ちゃんなら、「武士の情け」があるやもしれない。 歩かせてもいい。 ボールでいい。ボールでいいよ!・・ 嗚呼! 嗚呼!!・・涙 右中間・真っ二つ。三塁打。 坂口智隆。元・近鉄バファローズ。 運命のいたずら。 二度あることは、三度ありました。 「仁科時成さん」に、なってしまいました。 残念・無念。 一気に、体の力が抜けてしまいました。 「期待させてしまってすみませんでした!www」 拍子抜けするくらいに、淡々とした英雄インタビュー。 駒大岩見沢高校卒。 道民。 大らかだな。なんだかいいな。 そう、思いました。 三塁側内野席には、お客さんがほとんどいなかった。 大快挙の目前なのに、なんだか可哀相だな。 そんなところも、仁科さんの時とおんなじだな。 そうも、思いました。 いやでも、今は大勢の「サポーターさん達」がいるんだから、いいよね。 記憶にいつまでも残る、「プロ初完封」。 おめでとう。 仁科さんともども、語り継いであげたいと思います。 |
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2013年06月26日
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