ハニワ堂古書店

店主の西貢が日々考えたことや体験したことをつづるブログです!

忘れえぬ場面

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(2008年の2月に東京の築地市場を見に行った感想文です)

1、銀座の漫画喫茶

 午前4時30分。銀座の漫画喫茶で私達は夜明かしをしていた。
 午前5時に始まるという築地のせりを見るために少しでも寝なければと思ったのだが、部屋の明るさと緊張感のために眠れそうにない。開き直って漫画を読みながら午前5時を待つことにした。
 銀座には漫画喫茶が少ないらしい。ネットでようやく見つけたこの漫画喫茶も店内が狭苦しい割には一晩1500円もする。店員はバイトのお兄ちゃんが一人いるだけ。この兄ちゃんは客が寝ている深夜にも寝ずの番をしているのだろう。
 漫画の棚と自分のブースの間を往復して漫画を読み続ける。眠たいが眠れるような精神状態ではない。遠足前の子供のようにわくわくしていた。
 「午前4時50分・・・、」
 私達は午前5時に間に合うよう早めに漫画喫茶を出た。空はまだ真っ黒で2月の冷たい風が吹き抜ける。ブルブル震えながら築地へと向かった。高級イメージの銀座と庶民イメージの築地は相反するイメージの町だが、面白いことに隣同士である。歩くこと10分ほどで朝日新聞のビルが見えてきた。もう築地市場の入り口だ。空はまだ暗いが、市場はもうとっくにお目覚めであった。


2、築地潜入!

 午前5時。築地市場の中に入った。
 築地市場の正面玄関は、大江戸線築地市場駅の側にある。トラックや電動車が忙しく出入りし、徒歩の私達がものすごく場違いに見える。入っていいものか?とためらいながらも市場の中に入る。
 市場内の寿司屋には行列ができていた。開店前から並んでいるらしい。午前5時では電車もろくに動いていないだろうによくもこれだけの人が集まったものだ。「この店は有名でね。2時間待つぐらいは普通だよ。長いときは3時間待つこともあるくらいだ。」とのこと。寿司を食べるために2時間も待つとは恐れ入った。しかも2月の寒さの中である。築地にはよほどの苦行好きが集まるらしい。
 マグロの卸売り場には、観光客(ヤジウマ?)専用のスペースが出来ていた。早朝5時だというのに、ここには多くの観光客が詰め掛けていた。外国人(特に欧米人)が多かったが、彼等はツアー旅行の一環としてせりを見に来るのだろう。せりが終わって団体で帰って行く姿が印象的だった。
 まだせりは始まっていないらしく、業者のおっちゃん達が熱心にマグロを観察していた。できるだけいいマグロを手に入れるために皆必死なのだろう。(続く)


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