ハニワ堂古書店

店主の西貢が日々考えたことや体験したことをつづるブログです!

院生サバイバル日記

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ゼミ前の苦闘(後編)



 翌日目が覚めると、ゼミの先輩から電話がきた。
 「先生が風邪を引いたから、今日のゼミはお休みだって、」
 助かった!と貢は思った。これでこの苦しいゼミ準備から解放された。
 間に合うか、間に合わないかで悩む必要はもう無いのだ。
 
 喜びのあまり飛び跳ねたくなったところで目が覚めた。

 ・・・夢だったのだ。

 机の上に置いてある目覚まし時計を覗き込むと、午前4時だった。まだベッドに入ってから1時間も経っていない。

 (我ながら、よっぽど逃げ出したがってるんだなぁ・・・)

 ゼミの準備でここまで弱気になったのは初めてだったので、思わず苦笑いが出た。
 
 (目が覚めてしまったのだからまた作業を始めるべきか?それとも5時までもう一眠りすべきか?)

 しかし起き上がる気力は無く、布団の中でモゾモゾするのが精一杯だった。
 そんなことを考えているうちに、もし寝過ごしたら?という不安が頭をもたげてきた。
 精神的に相当疲れているであろう今の状態で本気で寝入ってしまったら、普通に8時くらいまで寝てしまうのではないか?もし8時に目を覚ましたら、午後2時までの残り時間は6時間。6時間で14ページを終わらせるとすると・・・

             6÷14=3/7

 1ページを30分で読んでも間に合わない計算になる!
 寝過ごしたら絶望的だな。
 そんなことを考えて布団の中で悶えているうちに少しずつ眠たくなってきた。
 ようやく眠りについたかと思ったところで目覚ましが鳴った。

 (折角気持ちよく眠れるところだったのに、どうしてこんなところで起こすんだよ)
  と心の中で目覚ましに不満を述べた後で、
 (でもここで目覚ましが鳴らなかったら、確実に寝過ごしていたな・・・)
  と思い直し、「目覚まし様、ありがとうございます」と軽く頭を下げた。

 さて、作業に取り掛かろうかと思ったが、頭がきちんと働かない。
 英語を読む気が全く起こらない。
 眠れない人はどうして羊を数えるのだろうか・・・などとどうでもいい考えしか浮かばない。

 やる気が起こらないままボーッとしていたら、いつの間にか時計の針は5時半を回っていた。

 気分転換にコーヒーでもいれようかと思った。
 インスタントの安物だけど、少しは頭が冴えるかもしれない。湯を沸かしながら、英文を読もうと思ったが、やっぱり頭が働かない。謎の英単語が頭の中をグルグルと飛び回っているだけでちっとも理解できない。

 お湯が沸いたのでコーヒーをいれて飲んだ。夜明け前のブラックコーヒーはやけに渋かった。
 非常食のつもりでまとめ買いしていた大豆でできたスティック(「Soy何とか」という名前だった)をコーヒーと一緒に食べた。

 (今日はこれがブランチ代わりになるかもしれないな・・・)

 この残り時間では正式なブランチを摂る時間はもう無いかもしれない、と思った。

 英文を読みつつレジュメを作っているうちに窓の外が少しずつ明るくなっていくのがわかった。夜明けは近い。

 目を休めるために朝焼けの空を眺めながら、今日のゼミ発表がどうなろうと、今頃通勤列車に乗っているサラリーマンのみなさんにとってはどうでもいいことなんだよな、などと思った。
 
 午前9時を過ぎ、残りページ数が10ページを切った頃から、俄然テンションが上がってくるのを感じた。寝不足ゆえのハイテンションだろうか。

 心なしか、読むスピードも速くなった気がする。
 自分の頭に英語の神が降臨したかのような気がした。

 実際には疲れのためにわからない箇所が目に入らなくなり、わかる箇所だけで要約文を作っているから速くなっただけなのだが、本人はそのことに気づかない。

 ひどい時には段落の一文目しか目を通さず、一文目だけを訳してその段落の要約を終わらせたこともある。(それでもうまくいくことがある)

 全く辞書を引かずに思い込みと勢いだけで読んでいるうちに、いつの間にか最後のページまでたどり着いていた。
 レジュメを作り終えたのは、午後1時過ぎだった。予想より早く終わっていた。

 (やればできるもんだなあ!)

 絶対に間に合わないと思い、夢の中で現実逃避まで謀った貢だったが、どうにか終わらせることができた。
 よかったよかった、と胸を撫で下ろしつつも、内容については若干の不安もあった。
 ほとんど辞書を引かずに思い込みだけで読み進めたので、思わぬ間違いがありはしないかと思った。
 でももう一度読み直す気は起こらなかった。そんな気力も時間も無い。
 
 とりあえず着替えて、レジュメをプリントアウトして、忘れ物が無いかどうかをチェックしてから、家を出た。その足取りは軽かった。
                       (完)

 (後日談)
 今まで何度もゼミの準備をしてきましたが、現実逃避願望が夢にまで出てきたのはこのときだけでした。もう二度とあんな体験はしたくないです・・・。
 ちなみにそのとき作ったレジュメは今でも読み返す勇気が無いほどひどいものです。
 「kind」という単語があったのですが、「種類」と訳すべきところを「親切な」と訳してしまって失笑を買ったことが昨日の事のように思い出されます。

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どうも、先日は僕のブログにコメントしていただいてありがとうございました!ちなみに僕のブログはこれです:
http://ekraagiman.blog58.fc2.com/

ゼミ前の苦闘、お疲れ様でした。どこでも院生は皆ゼミの準備に同じように苦しんでいるなぁ…と感心(?)したといいますか。。貢さんの一部始終が自分の経験とそっくり重なって、笑えませんでした(笑)。特に6÷14=3/7のくだりとか、レジュメ作りの終盤とか。。

ちなみに、僕は過去の院生サバイバル生活で一度だけゼミ発表を直前に逃げてしまった経験があります…(笑)

これからも貢さんのブログを楽しみに読ませていただきます〜♪

2009/6/11(木) 午前 2:02 [ yatch1983 ]

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遊びに来てくださったのですね。
ありがとうございます。

実は今もゼミの準備中です。逃げたいです・・・。(涙)

あたたかいお言葉に励まされたので、もう一頑張りしてから寝ようと思います。

2009/6/11(木) 午前 2:38 [ 西貢 ]


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