|
(一枚目)明るく乾いた韓国の松林(慶州にて撮影)
(二枚目)昼でも暗い日本の杉林(奥多摩にて撮影)
私は野山を歩くのが好きで、ソウルにいても足はつい野山のほうに向いてしまう人間なのですが、日本の山と韓国の山には大きな違いがあります。
とても感覚的な言葉でいいますと、日本の山は「暗くてじめじめしている」のに、韓国の山は「明るくて乾いている」のです。
どういうことかと言うと、韓国の山は日本より木が少ないうえに松が多いので、日照がさえぎられず、明るいのです。
さらに腐葉土も少なく、降水量も少ないため、足元もじめじめしないのです。
韓国の山に松が多いのにくらべ、日本の山に多いのは杉です。
杉はほぼ垂直に二、三十メートルも樹高が伸びるため、杉が密に生い茂った森はどうしても暗く、じめじめします。
私などは杉林の多い日本の山を見て育った人間なので、韓国の山を見るとどうしても「韓国は植生が貧しいなあ」と思ってしまいます。
私は日本のような鬱蒼とした山林が好きなのです。
そんなふうに思っていたら、ある韓国人にこんなことを言われました。
「松林は日差しがはいりこんで明るくて、足元がぬかるまないだろう。松が生えるところには他の木も育たないので、松ばかりの純粋な森ができるんだ。韓国人は松林の清潔さを好むんだよ」
なるほど。
私の目からうろこが一枚はがれ落ちました。
韓国人は松林を見て、植生の貧しさを嘆くのではなく、むしろ松林の純粋さ・清潔さを喜ぶらしいです。
日本人は鬱蒼とした森を見て自然美を感じますが、韓国人は逆に松ばかりの植生の少ない森を見て自然美を感じるという違いがあるみたいです。
そのような美意識の違いの背景には、杉が多く暗い森の多い日本と、松林ばかりの明るい森が多い韓国という、両国の自然環境の違いがあるのでしょう。
(といいつつ、逆の可能性もあるな、と考えてみたり。そういう美意識の違いが、両国の森の違いを生んだ可能性もありますね。まあこれはほとんど鶏が先か卵が先かという問題に過ぎないのかもしれませんが)
なんにせよこの話は、韓国人と日本人の自然に対する美意識の違いが垣間見える面白い例かもしれません。
|