|
論文執筆作業をしていると眠れなくなることがよくあります。
知的刺激に満ちた作業なので、興奮しすぎて眠れなくなるのでしょう。
そういう時は睡眠導入剤代わりにちょこっとお酒を飲むといいかもしれません。
・・・というわけで、寝る前にデスクトップを前にしてチビチビ飲んでます。
それはともかく。
今日の話題は「歴史系の卒業論文の書き方」です。
自分の論文を書きながら、どうして今まで論文が書けなかったのか、その理由に気がついたんです。
それで、歴史系の論文はどういうことに気をつければ書けるのか、ということを今日はお話ししようと思います。
今日書くような内容をもっと早く知っていれば、卒業論文や修士論文であんなに苦労することも無かったのになあ、と今になって思いますよ・・・。
さて。
以前から不思議に思っていたことがあるんです。
論文を書ける人と書けない人にはどんな違いがあるのだろう?っていう疑問です。
「論文を書ける人は頭がいいから書けるんだ」とか「たくさん勉強しているから論文が書けるんだ」という答えをよく聞きます。
でも本当にそれだけでしょうか?
論文を書ける人の頭がいいのは認めますし、たくさん勉強しているのも認めます。
でも、頭が良くてたくさん勉強しているにもかかわらず、論文を書けない人はたくさんいます。
どうしてその人たちは論文が書けないのでしょうか?
実際わたしはこれまでにそういう人をたくさん見てきました。
頭が良くて努力しているにもかかわらず、卒業論文が書けずにドロップアウトしていく人たちを何人も見ました。
当時は何故その人たちが論文を書けないのかわかりませんでした。
でも最近になってその理由に気がつきました。
論文を書けない人たちの多くが、ある共通点を持っていたのです。
その共通点とは、「論文のテーマに対する固執」です。
もちろん論文のテーマにこだわり続けることは必ずしも悪いこととは言えません。
しかし、(他の分野は知りませんが)歴史系の論文を書く場合、テーマへの固執が論文を書けない主原因になることがあるのです。
それは歴史学の基本的な性格によるものです。
歴史学は史料を解釈して歴史的事実を導き出す学問です。
したがって、史料の無いところに歴史学はありえません。(酔っ払った勢いで言い切っちゃいます)
そのため、いくら論文として書きたいテーマがあったとしても、そのテーマのために使える史料が無ければ、歴史論文は書けません。(歴史小説なら書けるでしょうけど・・・)
なので、たとえば「10世紀美濃の国の××村の農民の生活について卒論を書きたい!」と思ったとしても、10世紀の美濃の国の××村に関する歴史的史料が存在しなければ卒論は書けないのです。
論文のテーマに固執しない人ならば、「史料が無いならしょうがないな」とあきらめ、「18世紀なら××村にも史料があるから、18世紀で卒論を書こう」と考えます。
そうして何とか卒論を書き上げて卒業していきます。
でも論文のテーマに固執する人はそんなに柔軟に考えられません。
「10世紀の美濃の国の××村について論文を書きたいんだけど・・・史料が無いんだよなあ。どうしよう・・・」と苦悩します。
そして苦悩するうちに時間は過ぎ、タイムオーバーになります。
そのうち「史料が無いこと」が「自分が卒論を書けないこと」の言い訳になってしまいます。
そうなると、余計に書けません。
「史料がありさえすれば書けるのに・・・」とか、現実逃避的なことを言い始めます。
こうなるとどうしようも無いですね。
(これはついこないだまでの私の姿です)
まあ、そういうわけで、歴史学の論文を書く場合は、テーマ設定をするときに史料の有無をきちんと考慮しなければいけません。
つーか、むしろ逆です。
史料を見てテーマを決める方がいいです。
そのテーマがたとえ自分にとって興味が無い物であっても、確実に書けそうな史料を見つけたらそれで書いちゃうべきです。
本当に書きたいテーマなんて趣味で書けばいいんです。
卒論には締め切りがあるのですから、そんな甘いことを言っている場合じゃないんです。
(だって就職がすでに決まっているのに、卒論が書けなかったせいで卒業できなかった、なんて洒落にならないでしょう?大学受験以上に自分の人生がかかってたりするんですから。冗談抜きで)
とにかく歴史学の論文は史料が無ければ書けません。
史料が無いのに勝手に書いたら、それはただの妄想です。まともな教授なら卒業論文として受け取りはしないでしょう。
「こういうテーマで卒論を書きたい」という意思があるのは大いに結構ですが、状況に応じてテーマを変える柔軟性は絶対に必要です。
近代史みたいにどんな分野でも探せば史料が見つかる、というなら話は別です。
でも古代史みたいに史料が限られている場合は、テーマにこだわらず、史料にこだわるべきです。
学部の学生の卒業論文なら、一つの史料の解釈にひたすらこだわるような硏究をおすすめします。
あまり手垢のついていない史料をひたすら読んで、そこから読み取れる歴史的事実を列挙しさえすれば、なんとか卒業論文のレベルはクリアできたりするんですよ。
史料が無いにもかかわらず同じテーマにこだわり続けると、人生を何年も棒にふることになりかねませんよ。
硏究テーマは史料を見て決める。
それが歴史系の論文を書くときに一番重要な心構えかもしれません。
おっと、もうこんな時間だ。
寝るか。
|
「国絵図」関係の学会で、ソウルへいらしていたK.H先生が「台風が来て、ソウルの街路樹はなぎ倒された」とお話でしたが、いかがでしたか? 私は歴史系か言語系か自分でも分らないのですが、史料を読んでいると色々考えるので、確かに史料を読んでから論文テーマが決まりましたね。では、西貢さんも、論文がんばって…。
2010/10/1(金) 午後 10:12 [ haga hiroko ]
台風の時もすごかったみたいですね。
(私はあまり実感しなかったのですけど、友人の話では相当な被害が出たとか)
こないだの秋夕の時にも大雨が降りまして、大変でしたよ。
山から水があふれて、道路に石が散乱しているのを見ました。
2010/10/2(土) 午後 1:00 [ 西貢 ]