ハニワ堂古書店

店主の西貢が日々考えたことや体験したことをつづるブログです!

全体表示

[ リスト ]

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6


(写真1)ハン・スンジュンさんの仕事机

(写真2)「漫画家ハン・スンジュンのコーヒー倉庫」の風景。背中を向けている男性がハン・スンジュンさん

(写真3)ハン・スンジュンさんが描いた似顔絵

(写真4)ハン・スンジュンさんの漫画のイラスト

(写真5)夕食のムルフェ。この赤い汁の中にご飯を入れて食べる

(写真6)真ん中のビルが温かいお湯の出ない民泊。一階は乾物屋。

11月20日 土曜日(3)

郷校を出た後、特にあてもなく襄陽の中心市街地に向かって歩き始めた。
時間はすでに5時を過ぎ、西の空に夕焼けが赤く色づいていた。
何気なく道を歩いていると、コーヒーショップがあった。
「漫画家ハン・スンジュンのコーヒー倉庫」という名前のお店だった。
漫画家さんがやっているお店なのか?と不思議に思い、ちょうど温かいコーヒーでも飲みたかったところなので、入ってみることにした。

店に入るとパーマ頭のおじさんがメニューを出してくれた。この人がハン・スンジュン(한승준)さんだった。
メニューは全てコーヒーで、グアテマラ、コロンビアなど六種類か七種類くらいあった。
私はコーヒーにはうといので、ハン・スンジュンさんのオススメを頼むことにした。
「どこから来ました?」と聞かれたので、「日本から来ました」と答えると、ハン・スンジュンさんは驚いたように「ちょっと言葉が不自然な気がしたけど、韓国人かと思いましたよ」と言った。
あまり自覚はなかったけど、韓国語の実力はそれなりにあがっていたのかもしれない。

ハン・スンジュンさんは私に関心を持ってくれたのか、「韓国のどこに住んでます?」から始まって「韓国の女の子と付き合ったことはありますか?」など様々な質問をぶつけてきた。
スンジュンさんの話は多種多様で面白いのだが、早口なうえに次々と話題が変わるので、半分理解するのがやっとだった。
とりあえず理解できた話を箇条書きにしてみると以下のようになる。短い時間内にたくさん話題が変わったことがわかるだろう。

・自分(=ハン・スンジュン氏本人)は1957年に浦項(ポハン)で生まれて、3歳か4歳くらいの頃にソウルに移り住んで40年くらいソウルで暮らしていた。だからほとんどソウル出身のようなもの。ソウル暮らしをやめて地方を転々として、最近襄陽にやって来た。ここに来たのは安く店を開けたから。

・自分は高校2年で学校をやめた。漫画賞に受かったので、漫画家になるためにほとんど家出同然で家を出た。その後数年して家に戻ったが、その間兵役に関する手続きをきちんとやっていなかったために「兵役忌避」扱いとなり、罰として他の人より兵役期間が長くなった。

・漫画家としては、成人向けの劇画や新聞の風刺漫画を描いていた。最近はコーヒーに関する本を書くため(文章なのか漫画なのかは不明)コーヒー店をやっている。12月1日から1ヶ月間、この店で自分が書いた似顔絵漫画の展示会をやる。準備のためにたくさん絵を描かなければいけないので大変。

・自分は日本に興味はあるものの、日本に行ったことはない。中国には仕事のため何度も行ったが、中国人は信用できない。いい人もいるけど、自尊心が高くて根本的に物の考え方が違う。ソウルの街角で酒飲んで騒いでいるのは、韓国人より中国人が多い。(筆者注:「中国人は信用できない」という意見を私はこれまでに複数の韓国人から聞いている。韓国人の中国人に対する不信感は相当根深いものがあるようだ)

・日本人観光客は束草(ソクチョ)や江陵(カンヌン)には来るけど、襄陽(ヤンヤン)には来ない。今日初めて日本人のお客さんに会った。韓国語で日本人と会話したのも今日が初めてだ。

・日本のドラマで親が子供に対して敬語を使うシーンを見たけど、日本では親が子供に対して敬語を使うのか?

・韓国の若者は昔はきちんと目上の人に対しての礼をわきまえていたけど、最近の若者はそうでもない。目上の人を罵ったり、タメ口を使う若者もいる。これはインターネットの普及によるものだと思う。ただし、目上の人たちの方にも非が無いとはいえない。

・襄陽に来ている外国人は西洋系と東南アジア系が多い。西洋系は白人も黒人もいるが、彼等は英語の先生としてやって来ている。東南アジア系はお嫁に来ている人が多いので、ほとんどが女性だ。

・江陵では先月コーヒーフェスティバル(커피축제)が開かれたが、日本にも似たような祭りがあるのか?日本ではコーヒーをよく飲むと聞いているから、あってもおかしくなさそうなものだが。

・自分は漫画家だから、基本的に仕事は夜する。だからコーヒーは必需品なのだが、韓国の粉コーヒー(ミルクと砂糖も一緒に入った甘いやつ)は十杯飲むとお腹の調子が悪くなる。でも原豆コーヒーは十杯飲んでも調子が悪くならない。それを知った時から原豆コーヒーの魅力にとりつかれて、店を開くまでになった。

・日本の帝国大学というのは、何大学のことを言うのか?自分の友人で、日本の帝国大学を卒業してコロッケ屋になった奴がいる。うまいコロッケを作っている。

・韓国の地方はソウルに人を取られて荒廃している。日本も同じような状況だろうが、韓国は特にひどい。政治家たちは「国土の均衡ある発展を」と唱えているが、実際には真剣に考えていない。

・韓国の離婚率は先進国最高だ。最近は結婚するときも両家の親がきちんと顔合わせをした後で結婚するような伝統がすたれている。だから離婚しやすいのだと思う。それから、結婚したら何をそろえなければいけない、というような考えが無くなったため、結婚が手軽にできるようになった。そのために離婚もお手軽にできてしまうのだと思う。

・自分は十年位前に結構年齢の離れた女性と結婚した。最初の子供は流産してしまったが、その後で娘が生まれた。娘は今6歳だ。

・店を開いてみて世の中には色々めずらしい人がいるのだとわかった。以前に店に来た人の中にはソウルからここまで歩いてきた人もいる。これからコーヒーにこめられた人間ドラマのような話を作りたいと考えているので、とても参考になる。

・インターネット上で匿名で他人を批判をすることが韓国では盛んだが、日本ではどうか?韓国では有名人がそのためによく自殺している。自分も昔ネット上で批判された経験があるが、大変だった。

・この店の内装は床の張替えから全部自分の手でやった。そのせいで手がおかしくなって、仕事にも支障が出たこともある。

実際にはこの倍くらいの話をしてくださったのだが、私が理解できなかったのと、記憶できなかったために、このくらいしか復元できなかった。
ハン・スンジュンさんは私が店に来たことを奇縁だと考え、「あなたの似顔絵も描いて展示しますから」と言って、私の顔を写真に撮った。
コーヒー一杯分しか頼んでいないのに、パンを食べさせてくれたり、コーヒーをもう一杯サービスしてくれたりと、歓待を受けてしまった。

しばらくおしゃべりをしていたところ、ハン・スンジュンさんの奥さんと娘さんが店にやって来たので、奥さんに私とハン・スンジュンさんのツーショットを撮ってもらった。
娘さんはそれを見て、「わたしもとる〜」と言って、携帯電話で写真を撮ってくれた。(でも娘さんは写真の保存の仕方を知らなかったため、撮った写真はすぐに消えてしまったようだ)
奥さんと娘さんも加えてしばし楽しい歓談の時間を過ごしたが、私も束草の宿に帰らなければいけない身なので、あまり長居するわけにもいかない。

「それではお元気で」と言って店を出た。
不思議な出会いもあるものだ、と思うと、私の顔から自然に笑みがこぼれた。
奇妙な偶然によって予想もしなかった収穫がある。だから旅は面白いのだ、と思う。
束草に向かうバスの中で、ソウルに戻ったらハン・スンジュンさんにお礼のメールを送らなければいけないな、と思った。

その日の夕食は宿の主人の推薦してくれたお店で「ムルフェ(물회)」という料理を食べた。刺身と野菜が入った赤くて辛いつゆの中に、ご飯を入れて食べるという不思議な料理である。
それを食べていたら、食堂の主人が「結婚記念日のお客さんからもらったんだけど、良かったら食べる?」と言って、ケーキを切って分けてくれた。
またもや奇妙な偶然だった。
シャワーが無いせいで苦労したとしても、私が旅をやめられないのは、時たまこういう偶然に出会うからなのだろう。

閉じる コメント(2)

顔アイコン

素敵な出会いですね。笑顔が目に浮かぶようです。旅をしたくなります。

2010/12/6(月) 午後 8:41 [ smi*ek*maz*w* ]

顔アイコン

そうですね。
旅行しているとたまにこういう出会いがあるのですよ。

2010/12/6(月) 午後 9:39 [ 西貢 ]


.
西貢
西貢
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
友だち(1)
  • kino3
友だち一覧
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

標準グループ

登録されていません

検索 検索

過去の記事一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!
コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事