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本日はソウルで知り合った韓国人と一緒に酒を飲んだ。
トンドン酒と雪中梅(梅酒のような酒)、テナム酒(竹の絵が描かれた酒。正確な名前は忘れた)などを飲んで、私の方はすっかり出来上がってしまった。
やらなければならないことがあったはずなのに、本当にいい気なものだよね。
支払いは韓国人の方でやってくれて、結局私には一銭も払わせなかった。
これが韓国人なりのもてなしの方法なのだとわかっていても、やっぱり頭が下がる。いつかこのお返しはしなければいけないなあ、と思う。
酒を飲みながら、色々な話をした。日本と韓国の違いや、韓国に来て驚いたことなど、いくらでもネタは尽きない。
その中でも特に書きたいことは一つ。
今後の日本と韓国がどういう関係を築いていくのかという話だ。
酒に酔ってすっごい青臭い話をしますけど、まあ聞いてくださいな。
話が去年のWBC(ワールドベースボールクラシック)の決勝戦に及ぶと、一緒に飲んでいた韓国人が言った。
あの試合はとてもいい内容だったと。
韓国の林昌勇投手が、監督の指示を無視してイチローに打たれて韓国は負けた。韓国では林昌勇投手を責める声があがったけれど、自分は投手が真っ向勝負をしたことをとても評価している、と。
私も基本的に同じ考えだ。
どちらが勝った負けたではなく、日本と韓国が互いを意識しあい、高めあえるライバル関係になれたことを素直に喜べる試合だったと思う。
私は、決勝戦の9回裏で韓国が同点に追いついたとき、「よし!」と心の中で叫んでいた。
どちらが勝つかではなく、手に汗握る名試合を見せてくれた韓国の選手に感謝したい気持ちだったのだ。
私は一緒に酒を飲んでいた韓国人に対して言った。
「日本と韓国が、互いを高めあえるよいライバル同士になれること、それが私の考える理想的な日韓関係なんだ」
下手くそな韓国語で話したので、どこまで意図が通じたかはわからない。
でもおそらく彼らも私と同じ考えだったのだろう。笑顔でうなずいてくれた。
日本と韓国の間にはさまざまなわだかまりがある。
日本人の間には韓国に対する抜きがたい差別意識があるし(それは私にもある)、韓国人の間には日本に対する嫌悪感が絶えず再生産されている。
しかしたとえそうだとしても、日本と韓国は最も理解し合える隣国だと思う。
両者のわだかまりの原因の第一は、互いが互いの良い部分を知らないことに根ざしているのだと思う。
(悪い部分ばかりはよく知っているのにね)
そうなると、日本人として生まれ育ち、今韓国で生活している私のやるべきことは何か?
日本人に韓国のよいところを伝え、韓国人に日本のよいところを伝えることではないだろうか。
私は自分の生まれ育った日本が大好きである。はっきりいって自分はナショナリストじゃないかと思うくらいだ。
そして、今自分を受け入れてくれている韓国が大好きである。今は韓国のことを学ぶのがとても楽しい。
この二つの国、二つの社会に対する愛情は、並立こそすれ、矛盾することはない。
だから、自分の大好きな両国が憎しみいがみ合う姿は見たくない。
日本人には韓国のことを好きになってほしいし、韓国人には日本のことを好きになってほしい。
青臭い意見だが、これが今の私の偽らざる気持ちだ。
そして、そういう本当の意味での国際交流のために、自分がほんの少しでも役に立てるのなら、ありがたいことだと思う。
そして、もう一つ気になるのは、今自分のいる場所からわずか50kmほどいけばたどりつく北朝鮮のことだ。
1年半前に北朝鮮を訪れたことのある身としては、現在飢餓で多くの犠牲者を出している北朝鮮の状況が気にかかる。
あの時見かけたケソンの住民たちや案内員たちはどうしているのだろうか?知ることはできないながらも、気にかかる。
現在の日本と韓国の相似性を考えれば、日本と北朝鮮は実は結構似た部分も多いのではないかと思う。
北朝鮮は、多くの日本人が考えているような理解不能の国ではなく、実は日本に近い部分も多いのではないだろうか。
これは私の妄想にすぎない。批判される方はどうぞ批判してください。どうせ酔っ払いのたわごとですので。
でも、北朝鮮に住む人々が、われわれとそんなに違わない人々だということを忘れてはいけないと思う。
生きている環境が違うだけで、人間としての本来の性質にはそんなに違いがないものと思う。
いつか状況が変わって、韓国と北朝鮮の人々が、自由に酒を酌み交わしながら談笑できる時代がきてほしいと思う。
それが私の生きているうちに実現するのなら、私もその中に入れてもらおう。おみやげとして日本の酒やつまみを持って。
韓国だけでなく、北朝鮮の人たちとも、自由に話し合える時代が来てほしい。それが私の夢である。
私にはそのような時代を作り出す力は無いが、そのような時代が来ることにそなえて、準備することはできる。
その準備として、私は今韓国語を学んでいるのである。
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