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我ながら不器用な性格だと思う。
コミュニケーション能力というのだろうが、他人との関係を円滑にする能力が不足しているような気がする。
おしゃれやら芸能人やら流行やら、そういうものに関しては全くわからない。
小学生の方が私よりよく知っているだろう。
そういう能力に関しては小学生以下と言っていい。
あと、運動やらダンスやら音楽やら、そういう身体を使うものは苦手だ。かけっこをしたらビリになる自信がある。
どうやら私は、いわゆる「普通の人」より持っている能力の種類が少ないらしい。
ある一部分の能力に関してはクラスで一番になれるのに、ある一部分の能力に関してはビリにしかなれない。
そういうバランスの悪い人間である。
幼い頃はそのバランスの悪さゆえによくからかわれた。
「○○しかできないバカ」だと、小学生の時には下級生からも嘲笑われたことがある。
今でもその状況はあまり変わっていないらしい。
「普通の人は五本の指を持っているが、君には三本しか指がない。でもその三本が他の人より長いのだ」
というのは、知人が私を評価した言葉だ。
この言葉を聞いたときは、ちょっと悲しかった。
普通の人が当然持っている能力が自分には欠落しているというコンプレックスだ。
自分はどんなにやっても普通の人のように器用に生きることはできないのかと思った。
何でもそつなくできて、バランス良く生きている人を羨んだりもした。
でも最近気がついた。
指が三本しか無いなら、その指をひたすら伸ばせばいいのだ、と。
能力の種類がそもそも少ないのなら、残りの能力を他人よりも伸ばすべきなのだと。
自分の出来ないことは他の人にやってもらえばいい。
自分が何でも出来なければいけないことはないのだ。
そのかわり自分は普通の人たちができないことをやればいいのだ。
そうやってこそ、自分でも世のために役に立つことができる。
専門家になりさえすれば社会的にも評価を受けることができる。
できないことを嘆くよりも、できることをひたすら伸ばすことを考えよう。
そうしなければ自分は、ただの社会不適応者でしかないのだから。
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