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店主の西貢が日々考えたことや体験したことをつづるブログです!

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(写真1枚目)旺谷マウルの遠景

(写真2枚目)旺谷マウルのメインストリート。ここだけは観光地らしく整備されていた。

(写真3枚目)旺谷マウルの昼下がり。古い建物がある以外は、まあ普通に農村ですわ。

(写真4枚目)旺谷マウルで一番古い建物、孝子閣(1820年建立)。朝鮮時代には儒教道徳の布教のために、民間で親孝行な子がいると、その善行をたたえるために政府が孝子閣を作らせた。この孝子閣は旺谷マウルに住む楊根咸氏の四代にわたる孝行を顕彰したものだそうな。(病気の親に自分の血を飲ませて病気を治したというなかなかどギツい話が伝わっている)

(写真5枚目)最後の夜に食べた小豆入りのパン。名前は忘れた。2000W。

11月24日 水曜日(2)

昼ごはんを食べた後、宿に戻ってバッテリーをカメラに入れた。
さて、次の目的地である旺谷マウルに行こうかと思ったものの、急に気分がだるくなったため、昼寝をとることにした。

耳の奥でガンガンと金属音が鳴り響くような感じがして、頭が痛くなった。
理由は多分、旅行による疲労だろう。
自分という人間は旅行に出ると、普段よりもテンションが上がるため、無駄に消耗してしまうことが多い。

しかも外国旅行の場合、旅の疲れと共に外国語を話す疲れも重なるため、余計に消耗しやすい。
加えて今回の旅では日記を書きながら旅を続けていたため、夜も精神を休める暇がなかった。
これらの疲れが今になってドッと湧き出てきたのだろう。

明日ソウルに戻ろうか、と思った。
今回の旅行は誰に気兼ねすることもない気楽な個人旅行である。
自分の好きなように行動すればいい。

本当は明日から慶尚北道(キョンサンプクト)の鬱珍(ウルジン)に行こうかと思っていたところだが、頭が痛くなるほど疲れがたまっているなら仕方がない。
今回は一度戻って、次の機会にまた来ればいいと思う。
自分の関東旅行はまだ途中ではあるけれど、関東は逃げない。

今回の旅行を第一部として、第二部はまた次の機会にすればいいのではないか。(次の機会がいつになるかわからないのだけど)

私は次の日にソウルに戻ることに決めた。

昼寝を終えてから、また外に出る。旺谷マウルに行くためだ。
バス停で束草(ソクチョ)行きのバスに乗り、「旺谷マウル入り口」というバス停で降りた。

「旺谷マウル入り口」というわりには、ここから旺谷マウルまでは1.4kmの距離がある。
その間はバスがほとんど無いので、歩くほかに方法は無い。
旺谷マウルは街道筋に沿った交通の便の良い場所ではない。
それどころか山と湖に囲まれた入りにくい場所にある。
 
旺谷マウルは、高城郡竹旺面五峰里(オボンリ)にあり、昔の建物が比較的良く保存された農村である。
高城郡周辺は朝鮮戦争の時に北朝鮮軍と韓国軍が一進一退を繰り返した場所であるため、戦争の被害もそれだけ激しく、朝鮮戦争以前の建物はほとんど残っていない。

それにも関わらず、旺谷マウルには約200年前に建てられた孝子閣をはじめとして、古い建物が奇跡的に数多く残っている。
そのためにただの農村であるにもかかわらず(失礼な言い方だなあ)、高城郡を代表する観光地になっているのである。

旺谷マウルに古い建物が数多く残った理由は、外から入りにくい地形だったからである。
そのために朝鮮戦争時にも北朝鮮軍と韓国軍が入り込まず、破壊を免れたらしい。
私も実際に行ってみてなるほどと思ったが、五つの峰と一つの湖(松池湖)によって他の地域から隔てられており、昔の時代にはさぞ不便な場所だっただろうなあ、と思った。
不便な場所だったからこそ古いものが残り、現在は注目されるというまさに「塞翁が馬」のような場所である。

旺谷マウルに行ってみて感じたのは、「非常に素朴な観光地だなあ」ということだった。
いや、観光地という言葉は適切なのだろうか?
古い建物が残っている普通の農村に、少しだけ観光客用の施設(民泊や食堂が少々)があるという感じだった。
何と言っても古い建物にはまだ普通に人が住んでおり、写真を撮ろうと近づいたら犬に吠えられてしまった。
ここは観光地というより、農村なのである。
民俗村みたいなのを期待して行ったら大間違いであろう。

何となく岩手県遠野市に近いものを感じた。
(岩手県遠野市も『遠野物語』で有名になったため観光客がたくさん来るが、基本的には農業と牧畜業で成り立っている地域である。『遠野物語』で有名なダンノハナ(共同墓地)や河童淵などは現地の人によって今でも利用されている)
 
旺谷マウルを見て回った後、松池湖(ソンジホ)をぐるっと迂回して国道7号線に戻り、杆城行きのバスに乗った。
しかしここで困ったことが起きた。
「杆城までは1260ウォンだ」とバスの運転手に言われたので、1000ウォン札を取り出そうと財布の中をのぞいたら、1万ウォン札しか無い。(1万ウォン札ではおつりがもらえない)
「1万ウォン札しか無いんですが・・・」と運転手に言うと、小銭はいくら持っているかと聞かれた。
しかし小銭をいくらかき集めてみても800ウォン程度にしかならない。
そのことを運転手に伝えると、運転手は「財布の中の小銭を全部入れな」と言った。
どうやら800ウォン程度の小銭で許してくれたみたいだ。ぶっきらぼうな運転手だったが、根はいい人のようだ。

宿に戻ってテレビを見ていたら、前日の北朝鮮の延坪島砲撃に対する処置として、高城統一展望台が立ち入り禁止になったというニュースが流れていた。
高城統一展望台とは、いうまでもなく、この前日に私が行こうとしていた所である。
「やはり・・・」という思いとともに、我ながらすごい時期に北朝鮮との国境付近に来ているのだなあとあらためて思った。

余談だが、関東の海岸線の風景は、私にとって馴染み深い日本の山陰地域のそれとよく似ている。山が海にせりだしているという自然地形が似ているのに加えて、やはり同じ海を共有しているからなのだろう。
そのせいなのか関東の海岸線を見ると、どこか懐かしいような気がする。
今回の旅はこれでほぼ終わりとなるけれど、関東地域にはまた来ようと思った。
自分の関東巡検の旅はまだ始まったばかりなのだから。


(あとがき)
これで「韓国関東巡礼日記」はひとまず終わりです。
今思うと一週間に満たない短い旅行でしたが、その間に漫画家さんに会ったり、北朝鮮の砲撃事件が起こったり、軍人さんの非常食を買ったり、シャワーに苦労したり、盛りだくさんの内容でした。

旅行が終わったのは11月25日なのですが、もうこの旅行が終わって1ヶ月になるんですねえ。
月日の速さを感じるとともに、一ヶ月が過ぎてようやく最後までアップすることができたことに唖然とします。
この間忙しかったこともあるのですが、何より日記の内容が長すぎて編集に手間取ってしまい、ここまで遅くなってしまいました。

基本的に自分の備忘用に書いたものなので、読みにくい点も多々あるとは思いますが、一人の旅行者のちょっと珍しい旅行記であると思っていただければ幸いです。

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