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私の住む、近畿地方は、山の奥に行かないと「桜の花」は見られなくなりました。
かわって、東北地方では「桜が満開」となっています。
岩手・水沢競馬場
向こう流しの「満開の桜」の中を「競走馬」が走る姿は「東北の遅い春」を感じさせます。
メインレースはその名も「桜花特別」
1頭のサラブレッドが「中央競走馬登録」を抹消され岩手競馬に移籍してきました。
アドマイヤコリン
父 ディープインパクト(七冠馬) 母 シルクプリマドンナ(オークス馬)
超良血のサラブレッド。デビュー前には1億円に迫る金額で取引された馬でした。
「新天地」での初の競馬。ゲートオープン、スタート・・・コースを1周半。
向こう正面の「満開の桜」を横目にレースは進みます。
残り半周、桜並木に別れを告げ、スピードが上がる3コーナー。
忽然とレース画面からアドマイヤコリンの姿は消えてしまいました。
馬体故障・騎手落馬・競走中止
レース後、アドマイヤコリンはゴールすることなく馬運車で運ばれていきました。
予後不良・安楽死処分・・・・
「咲く桜、残る桜も 散る桜」(良寛)
7年遡った2010年ゴールデンウィーク、一本だけ、遅咲きの桜が「満開」でした。
水沢競馬場には「阿久利黒賞」というレースがありました。
「阿久利黒」とは坂上田村麻呂の蝦夷・北方討伐の折、戦利品と手に入れた「名馬」のことだそうです。
廃止を免れ、全国地方交流競走「ダービーグランプリ」復活、それに伴い、「阿久利黒賞」が行われるのは最後でした。
圧勝したのは「ロックハンドスター」
「岩手の星」になるようにと名付けられた競走馬は、その後、岩手三冠を制し、東北の競馬ファンが待ち望んだ「スターホース」となっていきます。
2010年の大晦日。水沢競馬場
桜並木はじっと雪に耐えていました。
その前を「岩手の星」はシーズン最後の走りを見ました。
「圧勝・ロックハンドスター古馬を撃破!!」
父マーベラスサンデーがそうであった様に、桜の咲くころにはもっと強くなってくれるだろう。
メイセイオペラのように中央のGIを勝てる馬に育つのではないか。
期待は膨らんでいったのです。
2011.3.11
未曽有の大地震が東北地方を襲います。
競馬場の施設も大きな損害を受け、一度は消えていた「岩手競馬廃止」という声が再び上がり始めます。
競馬や馬より「生きることが先」
「我慢」することしかできない関係者や競走馬。
そんな中、開催にこぎつけ、秋には「岩手競馬を支援する日」と銘打ちJRA東京競馬場で「南部杯」が行われることとなりました。
本当なら「地元」の走り慣れたコースでのレース。
しかし、スタートが芝で途中からダートコースになる東京1600ダートコース。
返し馬で芝とダートの分かれ目を飛び越えた「岩手の星」
まさにその場所でつまずき、レースを終え、水沢に帰ることはありませんでした。
ロックハンドスター斃死 4歳
主戦騎手だったら、体調が戻っていたら、岩手で開催されていたら・・・
震災さえなかったら・・・
すべては考えても「むだ」なことなのかもしれません。
昨日、アドマイヤコリンが競走中止をした後「ロックハンドスター」のことを思い出され「花は咲く」のメロディーが思い起こされました。
真っ白な 雪道に 春風香る
私は懐かしい あの街を思い出す
叶えたい夢もあった 変わりたい自分もいた
いまはただなつかしい あの人を思い出す
誰かの歌が聞こえる 誰かを励ましてる
誰かの笑顔が見える 悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く 私は何を残しただろう
いつか、水沢の桜並木を走った馬が「メイセイオペラ」に続いて花を咲かせる日が来るのをねがっています。
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