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東の團十郎、西の藤十郎と言われる程、歌舞伎界の二代巨頭の一人『坂田藤十郎』の名跡が231年ぶりに復活した。これは歌舞伎ファンにとっては凄いことであり、逆に『坂田藤十郎』の名跡をなぜここまでほっといたかが謎である。その興行が現在東京の歌舞伎座で行なわれている。
今回の演目である『曽根崎心中』の粗筋を述べると、醤油屋の手代・徳兵衛と、遊女のお初は恋し合う仲であった。物語は、徳兵衛とお初が生玉の社で久しぶりに偶然再会したシーンから始まる。便りのないことを責めるお初に、徳兵衛は会えない間に、自分は大変な目にあったのだと語る。
徳兵衛は、実の叔父の家で丁稚奉公をしてきた。誠実に働くことから信頼を得、店主の姪と結婚させて、店を持たせようという話が出てきた。
徳兵衛は、お初がいるからと断ったが、叔父のほうは徳兵衛が知らないうちに、結納まで済ませてしまう。固辞する徳兵衛に、叔父は怒り、とうとう勘当を言い渡す。その中身は、商売などさせない、大阪から出て行け、付け払いで買った服の代金を七日以内に返せ、というものであった。徳兵衛は、やっとのことで、継母から結納金を取り返すが、どうしても金が要るという友人・九平次に三日限りの約束でその金を貸す。
語り終えたところで、九平次が登場。同時に、お初は喧嘩に巻き込まれるのを恐れた客に連れ去られる。 徳兵衛は、九平次に返済を迫る。が、九平次は借金など知らぬと、逆に徳兵衛を公衆の面前で詐欺師呼ばわりしたうえ、散々に殴りつけ、面目を失わせる。 兄弟と呼べるほど信じていた男の手酷い裏切りであったが、死んで身の証を立てるより他に、身の潔白を証明し、名誉を回復する手段が、徳兵衛にはなかった。
徳兵衛は覚悟を決め、密かにお初のもとを訪れる。お初は、他の人に見つかっては大変と徳兵衛を縁の下に隠す。 そこへ、九平次が客として、お初のもとを訪れるが、素気無くされ、徳兵衛の悪口をいいつつ帰る。徳兵衛は縁の下で、怒りにこぶしを震わせつつ、お初に死ぬ覚悟を伝える。
真夜中。お初と徳兵衛は手を取り合い、露天神の森へ行く。互いを連理の松の木に縛り覚悟を確かめ合うと、徳兵衛は脇差でお初の命を奪い、自らも命を絶つ。(Wikipediaより引用)
近松門左衛門が書き下ろした『曽根崎心中』は高校の歴史で名前だけは承知しておったが、こんなに『切ない物語』とは思わなかった。第3場の曽根崎の森の場の徳兵衛とお初の心中のシーンなんぞ思わず、心の中で「死なないで〜!」と叫びたくなった。
しかし、自決する或いは心中するという、一見野蛮な行為であり、おいらとしては天から授かった大切な命をそう、自分から手放そうとは思わないが、本当に愛する人同士ならば、命も厭わないという観念は人間にはどこか宿っているのか?、或いはその観念も紙一重の考えなのかなぁと感じずにいられなかった。だからこそ江戸時代の町民達が共感し、現在にも歌舞伎や人形浄瑠璃で演じられ、今の世の人々にも共感させられる物語であり、その人間の深層心理を伝える感性を近松門左衛門は持っている事に驚かずにいられなかった。
あと予断ではあるが、中村橋之助の発する声は魅了されるものがあり、正直写真の普段の顔とは想像できない位、威厳のある声である。その声にちっと酔ってしまった。
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初めまして、名古屋でも10月1日、襲名披露初日、幕開けました。詳細な記事に頭が下がります。TBさせて下さいm(__)m
2006/10/5(木) 午後 7:46