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当事者活動を考える(4)」からのつづき・・・
edited by ぼそっと池井多

前回、「当事者活動を考える(4)」において
くだんの全国……当事者連合会の
実質上の代表として発言されておられた
Sさんの批判を書かせていただいたところ、
Sさんからメッセージをいただいた。

このようにSさんと直接、議論や対話ができることは
まことに光栄である。

お許しをいただいているので、
Sさんと私のやりとりをここに全文公開したいと思う。

ただし、私の判断で固有名詞の一部を伏字にするなど
じゃっかんの編集をほどこした。

Sさん
ぼそっとさん、おはようございます。
Nxxx設立の件では、ご意見をありがとうございます。

ぼそっとさんのご意見は、ほかの当事者の方からも出るだろうなと思っておりました。私がこの組織の表に出ることについては、マイナス面もあることは認識しています。

SNSのスレで私の考えを書きますと、皆さんに不快な思いをさせる可能性もあると思いましたため、こちらからお送りします。
(ぼそっとさんの判断で、転記いただくのは構いません)

-----------------------------------------------
Nxxxの最終的な存在意義は、「一人でも多くの当事者の方の『幸せ』に貢献すること」だと思っています。
そして、NPOである以上、公平・公正に判断をし、誰も排除しない、誰も特別扱いしない、ということだと。

実は、私はNxxxの理事にはなっていません。いわゆる会社でいうと「執行役員」の立ち位置になります。
意思決定機関は理事会であり、あらゆる活動は、理事の皆さんの合意があったうえで、私がマネジメントしながら進める、という形をとっています。

これには理由がありまして、各理事の皆さんはそれぞれもご自身の団体があり、その活動があるので、Nxxx自体の活動に完全にコミットすることが難しいことと、実際の活動を進めるうえでは、その推進役がいなければ、進むものも進まないからです。

その意味で、私は今回「プロジェクトリーダー」となっています。私は意見を言うことはあっても、意思決定には関与しないという立場ですね。

例えばですが、この「Nxxx」という名称ですが、理事の総意で決まっています。私自身は「ひきこもり〇〇」という名称にしたかったのですが、理事と2週間にわたる議論をしたうえで、最終的にNxxxに落ち着いた、という経緯があります。

私自身も組織の活動に関して「意見」を言うことはもちろんありますが、最終的にそれを決めるのは理事の皆さんの合意の上で、という形になっています。

ですので、例えば私が自身の会社へ何かしら利益誘導的なことを行うというのは、できない話です。
(この「利益相反」があるので、私は理事になりませんでした)
例えば「ひきペXXXX」はめちXXXが開発をしていますが、これも理事の皆さんの総意の上での話です。

ちなみに、このような組織を立ち上げると、表に立つ人間がだれであれ、反発は出ると思っています。
例えば、私は当事者ではありませんから、「当事者でない人が当事者のふりをして・・・」となります。
これが仮に私が当事者だったとしたら「自分の考えは違う。お前が当事者の代表のふりをするな・・・」だと思います。
(これは、残念ながらどの理事の皆さんがメディアに出ても、同じ話は多かれ少なかれ出ると思います)

結局、だれが表に出ても、同じ話なのではないかと思っています。反発する人もいれば、応援してくれる人、見守る人、様々な人がいます。

この団体は理事の皆さんとここまで相当議論を進めて作り上げてきましたが、大事にしているのは「当事者の方が『幸せ』になることに力を注ぐこと」だと、私は議論を通じて思っています。

誰を排除するものでも、特定の誰かを優遇するものでもなく、あくまでも公平・公正に、そして必要とするすべての人に情報などを届けられるように。

それと、この組織の誰もが「自分たちは当事者の代表ではない」と思っています。さまざまな当事者の方がいますが、全員の方を代表することなどはできませんし、おこがましい話です。ただ、そうはいってもこのような動きをすること自体で、全員ではないとしても、ある程度の当事者の方の『幸せ」に貢献できるのなら、それは意味のある話だと思っています。

この視点できちんと行動をしていけば、後ろ指をさされるようなことは何もないと、個人的には思っています。
その意味では、私自身の話も含めて、Nxxxの今後の行動で判断をしていただくしかないのかな、と思います。
-----------------------------------------------

ぼそっとさんが「個人的にはまた酒でも飲みながら話をしたい」と書かれていたこと、嬉しかったです。
そのうえで、「それはそれ、これはこれ」で、議論すべきはきちんと行うというスタンス、私も大事だと思っています。

私のNxxxに対するスタンスは、このような感じです。
ご参考までにということで、よろしくお願いします。

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ぼそっと池井多

Sさん ごていねいなメッセをお送りいただき、まことにどうもありがとうございました。

私も声をあげるのにSさんへ直接メッセを差し上げることから始めようかとも考えたのですが、他の方のご意見も聞いてみたかったので、あえて投稿というかたちを採ってきました。

遅ればせながら、GHO設立のときはどうもお世話になりました。重ねて御礼申し上げます。

私が、恨みをいだいて批判しているわけではない、ということを深くご理解いただいていることに感謝いたします。…そうなのです、いかにSさんが飛行機のファースト・クラスで『飛XX』の純米大吟醸を飲もうと、若い超美人を奥さまに持たれようと、貧困層で無職、中高年ひきこもりの私は決してひがむものではございません。

ただ、当事者というアイデンティティの根幹にかかわることなので、これは譲れないということを申し上げているわけです。
以下、Sさんのメッセージから引用させていただきながら、私の考えを述べさせていただきます。

---

> 例えば、私は当事者ではありませんから、「当事者でない人が当事者のふりをして・・・」となります。
これが仮に私が当事者だったとしたら「自分の考えは違う。お前が当事者の代表のふりをするな・・・」だと思います。
これは、残念ながらどの理事の皆さんがメディアに出ても、同じ話は多かれ少なかれ出ると思います。

おっしゃるとおりでしょうね。そしてそれは、当事者の連合会を作ろうとした時点から、必ずどこかで通過しなければならない問題なのでしょう。

しかし、そこで
「どうせ誰かが批判されるのだから、当事者でないSさんが表に出る」
というのが、まったくもっておかしいと思います。当事者の会なのですから、たとえ批判されようとも、当事者の誰かが出るべきでしょう。

当事者会の代表を引き受けるということは、そういうことです。北海道のTさんも、当然そういう覚悟はお持ちでしょう。
私も、メディアに出るたびに叩かれています。

いずれにしても、
「どうせ誰かが批判されるのだから、当事者でないSさんが出る」
というのは、当事者というアイデンティティを軽視する発想だと思います。

---

> 私はNxxxの理事にはなっていません。いわゆる会社でいうと「執行役員」の立ち位置になります。
意思決定機関は理事会であり、あらゆる活動は、理事の皆さんの合意があったうえで、私がマネジメントしながら進める、という形をとっています。

そうした組織論は、いわば組織のタテマエに属するものであり、あまり実態を語らないように思います。組織上は何の役職にも就いていない実力者が、陰で実権を握っているNPOや会社は腐るほどあります。いや、そちらの方が多いのではないでしょうか。

---

> 私が自身の会社へ何かしら利益誘導的なことを行うというのは、できない話です。

できない話ではない、と私は拝察しております。
Sさんは、理事たちの「総意」を取りつければよいだけの話です。
そして、それは簡単なことではないでしょうか。Sさんに対して、表立ってモノ申せない理事の方がたくさんいるのを、私は存じ上げております。

「ひきXXXX」をめちXXXXが開発をしていることは、理事の皆さんの「総意」を得ている、とおっしゃいますけれども、私にはそれがすでにそうした一例であるように思われます。

Sさんが全国を飛び回り、理事の皆さんをつなげたとなれば、とうぜん理事の皆さんは「ひきXXXXはめちXXXXで」という流れになるでしょう。

じつは、私はこれらのことを申し上げるのに、けっして皮肉ではなく、ある種の敬意もこめているのです。

いつぞや自由が丘でおこなった庵-IORI- でも申しましたが、Sさんが庵-IORI- で展開してこられたことを、私は内心、舌を巻いて眺めておりました。

庵-IORI- では、就労への勧誘をしてはいけないことになっている。しかし、庵-IORI- の中で一つのテーブルを使って会社を立ち上げたことにすれば、会社説明会も人材のリクルートも、すべて庵でできてしまう。そこで、あらかじめ準備した会社の構想を、一つのテーブルとして庵-IORI- の運営会議に持ち込む。……

結果は大成功でしたね。
私も、非力ながらSさんのそのやり方に学んで、すべてお膳立てをしたうえでGHOのテーブルを提案し、設立させていただいたわけです。
しかし、GHOは、純然たる情報共有の場であって、収益はいっさい上がりません。

ともかく、Sさんは「持っていき方」がすごくうまい。そんなSさんをもってすれば、理事たちの「総意」を取りつけることなど朝飯前だろうと拝察するのです。
そして、理事たちの「総意」は、いつのまにか全国の「ひきこもり当事者の総意」になってしまうかもしれません。それを、私は憂いています。

---

> この団体は理事の皆さんとここまで相当議論を進めて作り上げてきましたが、大事にしているのは「当事者の方が『幸せ』になることに力を注ぐこと」だと、私は議論を通じて思っています。

「幸せ」。
それが当事者ごとに形が違うかもしれない点に、当事者連合会の難しさがあるのかもしれません。

「当事者の方が『幸せ』になることに力を注ぐ」という理想論が、今後のNxxxxのご活動に、現実的にどのように反映されていくのか、今後とも連合会とは組織的に関係のない一当事者として上を見上げ、注目してまいりたいとぞんじます。
---

転記をお許しいただいているので、Sさんと私のこのやりとりは無駄な炎上をしないように配慮しながら公開させていただきます。

今度、おいしい日本酒、飲みに行きましょう。
私が行けるような安い店でも、おいしい日本酒を出しているところはたくさんありますので。



・・・「当事者活動を考える(6)」へつづく

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