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VOSOT ぼそっとプロジェクト
ぼそっとつぶやくトラウマ・サバイバーたちの生の声...Voice Of Survivors Of Trauma

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外国のうつ・ひきこもり事情(126) 
からのつづき・・・
traduit par ぼそっと池井多


ぼそっと池井多 きっとあなたは
そういう面で早熟な女性だったのでしょう。

私が、自分の人生を真剣に考え始めたのは、
就職先が決まった二十三歳の時でした。
しかし、どうやらあなたはそれを十七歳でおこなっている。

そのとき、あなたは高校生だったのですね。
高校は卒業したのですか。

ジョセフィーヌ たしかに、あのころ私は高校生でした。
学校へ行くのはバカバカしいので、やめました。
だから、高校は卒業していません。

高校卒業などという資格を取ったところで、
私が持っている知識や内面性の高さに比べたら、
その資格は不当に低すぎます。
そんな資格で私の世界における価値が決まってしまうなんて、
まっぴらごめんだったからです。

いずれにせよ、私は
学校のカリキュラムなどではまったく飽き足らないくらい、
異様に高い知能を持っていました。 

それと同時に、私は狙った獲物は逃さない、
直感にすぐれた猟師でもあり、
学校のように管理された環境では、
何事においても私が持つ才能や資質を
発揮することはできませんでした。

ぼそっと池井多 それがほんとうならば、
あなたは相当すごい方ですね。
こんにち、あなたの生き方を批判している人は、
あなたの身近にいますか。

ジョセフィーヌ こんにち、私を批判する者はいません。
なぜならば、
私はあなたを含めた数少ないひきこもり仲間の他には、
誰とも社会的な接触がないからです。

ぼそっと池井多 なるほど。いまは誰もあなたの周りでは、
あなたを批判する者はいないのですね。
だから、あなたの価値が、
あなたの中で揺るがないともいえる。

そこで、あなたにお尋ねしたいと思います。

今、あなたには何か不足しているものがありますか。
あなたはこの世界からさらに何が欲しいですか。
それとも、この世界からもはや何も期待していませんか。
 
ジョセフィーヌ いまの私の人生に不足しているものは、
おそらく達成評価でしょう。

私のような高い知能を持った者は、
その知能の所在を立証するような、
何か凡人たちの及ばない
とてつもなく素晴らしいことを成し遂げ、
世の中の馬鹿どもを
私の足元にひれ伏せさせなければなりません。

私は生きているうちに
自分の可能性を最大限に活用したいと思っています。

 「自分は必ず何者かになる」

というニーチェの言葉を、私はぜったい実践したい。

しかし、私は陳腐な平凡さは好きではありません。

そのために私は、
「なんでもいいから何か仕事を見つける」
というような、つまらないことは、
試みようとすら思っていません。

ぼそっと池井多 こんなことを申し上げてよろしいでしょうか。

あなたもご存じのとおり、
私は世界のいろいろなひきこもりの皆さんと
対話させていただいています。

お気に召さないかもしれませんが、
あなたのように思っているひきこもりは
あなたの他にもたくさんいます。

多くのひきこもりは、
自分が非常に偉いと思っているのです。

じっさい、非常に偉いひきこもりもいるのでしょう。
しかし、それほどでもないひきこもりもいると思われます。

それでは、陳腐な平凡さを排除したところで、
私たちはどのように
「自分は必ず何者かになる」
というニーチェの宣言を実践できるのでしょうか。

ジョセフィーヌ たとえば、 
私は大いなる文学的才能を持っています。
その才能の高さに、
しばしば私は自ら恐ろしくなるほどです。

私は自分の作品の中で実践できる、
言語への贈り物を数知れず持っていると思います。

私はドストエフスキー、ヘス、プルースト、
ブロイ、セリーヌ、ボードレール、ナボコフ、
ロートレアモン、そしてランボーなどの後継者に当たる者です。

だから、 私はこの世界を自ら去るつもりはありません。

そして私はこの言葉を世界で最も誠意をこめて言いますが、
「私はこの世界からもはや何も期待していない」
ということはけっしてないのです。




へつづく

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    今回の記事を読んでぼそっとさんが「ひきこもり新聞」でインタビューされた田中慎弥さんのことが頭に浮かびました。
    田中さんは孤独(ひきこもり)であることを客観視して色々自分なりに考えることの大事さをおっしゃってましたね。
    私はジョセフィーヌさんを偉そうに批判できるような人間ではありませんが彼女は自分の妄想の世界の中だけで生きているように感じました。
    また田中さんは書けなくてもとにかく毎日机に向かうようにしていたそうですが彼女は何も動くことも無く自分が特別な人間になれると思っているのもちょっと…とおもってしまいました。

    対話の続きが楽しみです。 削除

    [ OG ]

    2019/7/14(日) 午後 3:48

    返信する
  • OGさま コメントをどうもありがとうございます。

    なるほど、それは面白い比較ですね。

    田中慎弥さんは、動じることもなく飄々(ひょうひょう)とひきこもり続けていた感じがします。そこが彼のすごさなのかもしれません。

    ある意味、プライドばかりが高くなり、自己愛を肥大させているジョセフィーヌさんは、ひきこもり一般が持つ一面を色濃く有しているともいえるでしょう。

    この対談は、今まで比較的地味に進んでまいりましたが、残り2回のクライマックスで大転回します。
    お楽しみに!

    チームぼそっと

    2019/7/14(日) 午後 5:43

    返信する

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