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千葉雅也著『勉強の哲学 来たるべきバカのために』──「おフランスの現代思想」じたいがすでに陳腐(★)

『勉強の哲学 来たるべきバカのために』(千葉雅也著、2017年4月、文藝春秋刊)

 この著者は、ちまたに氾濫する、いわゆる「勉強指南書」はひとつも読んだことがないのだろう。だから、「すでにそういうことは何人もの人が言っている」的な、重複がかなり見られ、しかも、「切り口」も、陳腐である。

 文藝春秋が出した、「文句のない学歴」かつ「人気」(前者のおかげもある)に目をつけた、「かなり遅れた」「勉強本」のひとつと見た。

 二十年ほど前から勉強本を出し続けてきた齋藤孝がかつて書いていたが、「高学歴で自身は勉強している著者による、若者よ、勉強などするな」という本を見かけると、はらわたが煮えくりかえると。本書は、決して「若者よ勉強などするな」とは言ってないし、むしろ勧めているのだが、それが、なんせほら(笑)、専門の「おフランス現代思想」的ディスクールだかなんだか、そういう「色眼鏡」にまぶされているので、決してやさしくない内容を、「やさしそう」に「書き直して」いるので、二重に難解になっている。簡単に言えば、「若者よ! 勉強するには覚悟がいるゾ!」と脅しているので、勉強への敷居をさらに高くする結果となって、著者のような「エリート」がさらに優位になる仕組みになっている。前著『動いてはいけない』とまっく同じ、反動本である。むしろ、われわれおとなは、どうして、このような、「一見若者の味方風の」反動者が出現し、かつ出版界でもよいポジションを取り(反動ゆえにかもしれないが)、本人は稼いでいるという事態になったのかを考えるべきだろう。

 こんな本を読むくらいなら、ベルクソン『物質と記憶』、フロイト『夢判断』を一冊「アゲた」方がよほど血肉になる。というのも、「おフランスの現代思想」は、だいたいにおいて、この二者対して、どいうスタンスを取るか、いかに読むかについて書かれているからだ。

 普通の勉強本なら、やはり佐藤優のものが実質的だと思う。

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【いぬ読(どく)】(犬が読むのにちょうどいい本)

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