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いわゆる不平衡差動アンプは、JAZZリスナーとしては、今ある機材を使用しての音としては、満足させてくれている。さらに上を目指そうとすると平衡差動アンプなってくる。でも、平衡アンプはプロ仕様機材で不平衡アンプに比べると超高価で回路も超複雑で手を出せるしろものでは無いと決めつけていた。でも、木村氏の平衡プロジェクトによると、例えばアンプ回路をみるとメインアンプは、今まで自作してきた不平衡差動アンプを上下対象にした感じで さほど難解とは思わないし、ラインアンプも上下対象でシンプルだ。平衡の成り立ちも簡潔でわかりやすい。これで平衡差動アンプを組めるのであればやるしかないと思った。
製作するアンプは自分にとって使い勝手の良い フォノアンプ付きラインアンプとメインアンプ の2台とする。不平衡アンプでの構成をそのまま平衡アンプの構成としただけで、いろんな意味でバランスが良いと思っている。
平衡機材が手元に何も無いので、2台同時に製作することにした。そうすればレコードをほぼ平衡で聞くことが出来る。 メインアンプは木村氏の記事を参考に 2SK30A-Y 6SN7 EL34 のスタンダード3段構成のあまり代わり映えしない回路だが、自分の実績からこれが一番と思っている。平衡アンプなので、音量調整は 4連ボリュームが必要となるが、今回は木村氏の記事を参考に、4連ボリュームはラインアンプに譲り 4段のアーテネッターとした。そのほうが、安上がりで、構成としては合理的だ。2SK30A は (Y) (o) (GR) が各十数本ずつあり、Idss を全て測定して、各所に充てたが、2.0mAはペアがなくCRDを使用した。
フォノアンプ付きラインアンプは、これまた フォノ部は木村氏の記事をそっくりそのままで 12AX7A 6DJ8の差動フォノとし、ラインアンプ部は手持ちの関係から6DJ8ではなく、12AU7Aとした。利得は6DJ8の半分位だが、メインアンプが3段構成なので、問題はないはずだ。4連ボリュームは調達出来る販売店が木村氏の記事に有ったので、注文したら数日で届いた。シャフト回転感覚は クリック付きでは無くストレート仕様のものだった。問題はヒーター電源だ。以前にもこの問題に悩まされた。使用するトランスには6.3V 2.4A +6.3V 0.6A = 6.3V 3.0A だ。このトランスから12AX7 2本 + 6DJ8 2本 + 12AU7 2本 = 0.3A×2 + 0.37A×2 +0.3A×2 = 6.3A 1.94Vで直流点火さなければならない。木村氏記事のデータライブラリーの中の、ヒーター電圧と真空管特性の関係 を参考に-5%程度までは妥協するとして 5.9V以上を目標としたが、6.3Vではトランジスターリプルフィルターは無理で、コンデンサー物量作戦で どうにか5.9V程度は確保出来た。整流直後の電圧は6.3Vで整流による電圧上昇がほとんど無い。整流前のAD電圧も6.3Vなのでトランスには問題はない。ブリッジダイオードは手で触れると結構温度上昇している。冷却を考えればもう少し高い電圧をGET出来たかもしれない。後の祭りでこのままとする。回路は多くの事例から見ると全くお粗末でかっこ悪い。
実態配線図は取り付ける接続具の大きさや取り付け位置、配線イメージを表現出来るので書くことにしている。
今回はキャノンプラグは避けて、TRSジャックを使用する事にした。接続治具も木村氏の記事にあるので、それを参考に自作した。平衡用接続具は4芯のシールド線で、それぞれ2芯を束ねて1端子とした。不平衡はモノラルジャックと手持ちのRCAジャックを使用してカット&トライで適当に作ってみた。両方 超安上がりで、全く問題無しに使用出来た。 シャーシはオークション内でおなじみのサイドウッドスタイルを使用した。実態配線図はCADで書いてあるので、シャーシ加工のレヤーのCAD図(JWW cadに変換)と共に孔明けもお願いした。通常アンプの自作では作業半分をシャーシ加工に費やししまうので、その分楽をさせて頂いた。加工も精密で、加工費もリーズナブルにして頂きました。320×250×50で計画していたが、無理があると判断され、350×250×50に変更して頂いた。出力トランスの穴明けは、今回使用する PMF-25P 用の孔と 標準シャーシにあるように FE-25-8用の孔も用意しておいた。その気になった時はトランスを簡単に交換出来るからだ。
配線は、あらかじめ平ラグ上に部品を配置してからの作業となるので、シャーシに取り付ける前に配線順序をイメージして順次よく行うようにした。ヒーター配線は AWG20の撚り線を使用した。ちょっと太いが電圧を気にしていたので、これでよい。他の配線は0.65mmの単線を使用した。ストリッパーでの絶縁部の除去が容易で、接続端のくりくり処理も不要で、かつ曲げ癖も付けやすく扱い易い。火入れは、メインアンプは一発音だし成功だ。バイアス調整はあらかじめ中央にセットしておいたのと、EL34はエレハモの安物だがクワッドとして管だったので、測定端子の出番は極僅かで終わってしまった。トランスよりEL34の背が高いので、シャーシをひっくり返す気になれず、未だ電圧未測定で、後に記載する。回路ミスでアーテネッタはロータリースイッチの右回転が音量小となってしまった。音量調整はプリで行うのでこのままだ。回転は反対だが、使い勝手はたった4段だが抜群に良い。木村氏のセンスの良さだ。
フォノアンプ付きラインアンプは1箇所ハンダ不良が有ったので、一発音だしは出来なかった。トランジスターリプルフィルターのエミッターで275V出ていて 予定電圧を20V以上高い。電圧調整用抵抗を 150Ω から 1.5kΩ に大幅変更した。何が原因なのか不明のままだ。火が出るとか焦げくさいもないので、後で検証する。リプルは全く問題は無い。ここで不思議な出来事、CDプレヤー接続時に プリアンプの電源を落としてもメインアンプから音が出てくる。HOT COLD 共抵抗を介して電気的繋がっているからだ。ちょっと驚いたが、回路を見て納得した。
視聴して、平衡アンプとはノイズキャンセラーアンプであることが体感出来た。メインとプリを繋ぎ、入力オープンでスピーカーはフォノ AUX1 AUX2 で全く振動しないと言って過言ではない。不平衡接続具を介してCDプレーヤーを繋いでも同様だ。レコードプレーヤーではさすがに僅かだがノイズが出る。レコードプレーヤーはかなりの年代物だし、MMカードリッジも同じく古いものなので、仕方がない。MMカードリッジから針部を抜いて、ブリキの四角の4隅をメンボーに無水アルコール付けて軽くこすって掃除し、数回抜き差しするとノイズが減ってくる。このような対策でレコードは かなりの高音質で聞くことが出来る。CDプレーヤーをメインアンプに不平衡で直接
繋ぐと物足りない音になる。たぶん不平衡では入力電圧が半分になってしまい、パワーを半減させているためだと思う。プリアンプを介せば普通に聞ける。平衡CDプレーヤを繋ぎたいが、最近の機材で TASCOM CD-200iB は仕様によると アナログ出力インピーダンスが200Ωで接続不可能だ。CEC CD3000の仕様は アナログ出力 XLR/2番ホット:4.4Vrms、RCA:2.2Vrms で接続出来るかは不明だし もう生産はされていない様だ。これ以外は高くて購入?となる。 木村氏の記事には 低負荷インピーダンス対応 の記事があるので、本気になれば出来そうだ。本当は事前に我がアンプに平衡と不平衡CDプレーヤを繋いで聞き比べしてみたいと思う気持ちはありありなのだが... 手持ち機材での音としては 出力トランスは PMF-25P で問題は無い。去年の年末 スタンレークラーク&上原ひろみ のコンサート会場で体感した 大音響でも聞き疲れしないあの音に似た音が我がスピーカーから出ている。表現しにくいが音の質感が滑らかで厚みがある。 自作でリーズナブルに良質のアンプを制作することが出来た事は、木村氏の記事おかげだ。感謝いたします。 あまりなじみの無いレコードまでターンテーブルに乗せて聞いている昨今だ。 110630 追記
フォノモードで通常の使用状態では感じないが、オープン状態のVR最大ではスピーカーからマイクロフォニック雑音がモゾモゾと出る。無音ではない。手持ちに「ナショナル」マークの12AX7(T)があったので差し替えてみた。結果、かなりのマイクロフォニック雑音を軽減できた。
110703 追記
修正回路図
フォノ付きラインアンプのヒーターは、平滑抵抗を 0.47Ωを3本並列に変更 AC6.26V 整流直後6.05V 平滑後5.95V となった。計算どおりとはならない。テスターの接触抵抗を考慮すれば約6Vで ま いいか。メインアンプのアーテネッターを絞り、ラインアンプのVRを大としたほうが良いと思われる。
110704 追記
メインアンプ 6SN7のロードライン改善のためプレート電圧150Vとするために、電源電圧調整抵抗 8.2K --> 5.7k 15k --> 20k に変更した。 |

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