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「奇跡のピアニスト」 〜フジ子・ヘミング物語〜(シナリオ)11 ※静かなドイツ音楽大学の教室、昼
1台のピアノが置かれ「ため息」が流れてくる。
クラウス「フジ子からプライベートレッスンを受けたから、卒業試験も合格間違いなしだ」フジ子がピアノを弾き、その隣にクラウスがいる。
笑顔でピアノを弾き続けるフジ子。
※ベルリンの壁
東ドイツが東西ベルリンの境界を封鎖(記録映像)
※壁の側を散歩する、フジ子とクラウス。
「サマータイム」(ジャニス・ジョプリン)のハスキーボイスが聞こえてくる。
※映画「ウエスト・サイド・ストーリー」のポスター※映画館内
フジ子とクラウスが手を繋いで見ている。
※ドイツ国立音楽学校の講堂
カラヤン指揮によるベルリンフィルの演奏会。
※同、控室前客席には、ドイツ国立音楽学校の生徒達で埋め尽くされている。 そこに、フジ子の姿も見える。 フジ子はカラヤンだけをじっと見ていた。
フジ子がカラヤンの付き人に手紙を渡している。
※フジ子の手紙
「私のピアノを聴いて下さい」
※同、控室の外控室の中で、その手紙をカラヤンが読んでいる。
ぽつんと立っている、フジ子。
付き人「すぐに会ってくれる」付き人が、中から出てくる。
付き人の案内で、中に入るフジ子。
※同、控室内
カラヤンがピアノの側に座っている。
カラヤン「聴かせてくれ」フジ子が入ってくる。
カラヤンが、ピアノを示す。
フジ子「えッ!今ですか?」
頷いているカラヤン。
フジ子「今すぐには・・・」
フジ子の困った様子にカラヤンがホテルの部屋番号を書いた紙を渡たしてくれた。
※ベルリンの街
フジ子がホテルの番号が書かれたメモを見ながら歩いてくる。
※ベルリン国立音楽学校の卒業式ホテルの入口の前で立ち止まる。 暫く、入るか迷っていたフジ子が、悔しそうにメモを握り潰す。
「別れの曲」が流れている。
※オーケストラでピアノを弾いているフジ子テロップ「エチュード第3番、別れの曲」 卒業式を終えて友人と笑いながら会場を出てくると外は、雨だった。 数人の男女の友達と、談笑しながら外に出てくるクラウス。 フジ子がクラウスの姿を見つけ、笑顔がもれる。 クラウスもフジ子を認めるが、談笑しながら笑顔で手を振って去って行く。 去っていく後ろ姿をボーゼンと見送るフジ子。
演奏するフジ子の姿にドイツの代表的新聞(1968年)の見出しが
※ウィーンの下町オーバーラップする。 「日本から“ピアニスト”が出た」 「ショパンとリストを弾くために生まれてきたピアニスト、フジ子」 「ドイツ・オーストリア・スウェーデンでの演奏収録番組」等
テロップ「ウイーン」
※ウィーンの街中にフジ子のリサイタルのポスター。フジ子が、がらんとしたアパートの一室に大きな荷物を運び込んでいる。
「ウエスト・サイド・ストーリー」の作曲者バーンスタインが絶賛!!
※フジ子のアパート「バーンスタインが初のプロジュース。フジ子リサイタル」等の文字。
フジ子が古ぼけた紙を広げると、子供の頃から使っていた紙の鍵盤。
※左耳を押さえて絶叫するフジ子!時々、咳き込んでいる。 フジ子は自分の手に、白い息を吹きかけ乍ら練習をする。 自分の額に手を当てて、熱を測ってみる。 又、咳き込むので、クローゼットからオーバーを出して羽織る。 睡魔と熱にもうろうとして、ベットに入るフジ子の息遣いが荒い。
フジ子のアパート。
フジ子「明日から、1週間のリサイタルなのよ」狼狽しているフジ子。 室内のあらゆる音の出る物を次々と鳴らしてみる。 しかし、何も聞こえない静寂が続く。
泣き叫ぶフジ子が咳き込む。
※ウィーンのホール諦めた様に、ベットに入って天を仰ぐフジ子の眼から涙がこぼれる。
フジ子のコンサートステージ(静寂)
※メモ書き緊張して舞台に立つフジ子の見た目。 満員の観客の話し声が聞こえない。 拍手の音も聞こえない。 フジ子は、普通のように装って舞台に立ち、ピアノの前に座る。 曲「小鳥に語るアッシジの聖フランシス」 ピアノを弾き始めるが、何も聞こえない。 演奏が終わり、まばらな拍手。耳は聞こえないが動きで判る。 フジ子は、舞台の上でいつまでも立ち尽くしていた。
「バーンスタイン様。全てのコンサートをキャンセルしてください。フジ子」
※フジ子のアパート
放心した様にたたずむフジ子。
フジ子「もう、ピアニストには戻れない」
その場に、座り込んでしまう。
つづく・・・。真央ちゃんのスケートを見ながら「別れの曲」を聴いてみる? |

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