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「奇跡のピアニスト」 〜フジ子・ヘミング物語〜(シナリオ)14 ※フジ子の自宅
フジ子と投網子の弟子達との演奏会。
フジ子のN「物思いにふけりながら弾ける曲が好き」テレビの取材クルーが入っている。 フジ子が「木枯らし」を弾き始める。 CDプロデューサー藤井身理も座って、録音テープを回している。 ※レコード会社の事務所
フジ子の写真と録音テープ。
部長「なに〜!この人のCDを出したい?藤井!お前は、何年プロデューサーをやっているんだ!クラッシックはな〜!若いカワイコちゃんか、国際コンクールの優勝者以外はダメだ!新人高齢ピアニストのCDを誰が買うんだ?」テープからフジ子のピアノ曲が流れている。 曲を聴きながら、藤井と上司の部長が話している。 返す言葉が無い藤井。 部長「老人会か?老人ホームか?」
部長の一言一言にビビリながら、聞いている藤井、段々と小さくなる。
※上野公園旧東京音学校奏楽堂の全景テロップ「1998 4/15」 ※同、入口。
フジ子の自分で作ったコンサートのポスターが貼られている。
※同、内部カメラリハーサルで代役がステージに立って、カメラポジションを決めている。 コンサート会場をテレビ局の固定カメラと移動カメラが動き廻り、ライト、マイク、音響等のスタッフがセッティングの準備等でごった返している。 ※同、奏楽堂の入口
観客が長蛇の列を成している。
※同、グランドピアノが置かれたステージ
客席は立ち見が出るほどの超満員。
演奏するフジ子の姿がFOして行く。フジ子が登場すると、満場の拍手。 フジ子がピアノを弾き始める。 テロップ「演奏会用練習曲」 静まり返った観客。 フジ子のN「ピアノを弾いていると、必ず風景が見えるの・・・こんな年齢になってしまったけれど、やはり人生をもう一度取り戻したい・・・」 ※建国記念日の靖国神社。(1999年)
今にも雪が降り出しそうな空。
右翼の街宣車から、軍艦マーチが大きな音で流れている。
その街宣車が信号を無視して、傍若無人に走り回る。
物々しく軽微をしていた機動隊の警察官は見ているだけ。私服だけが必要に右翼の動きを写真に撮っている。 ※フジ子のピアノ部屋 自宅で、白ワインを飲みながらピアノを弾いているフジ子
側のテレビが映っている。
フジ子のN「わたしには祖国もない・・・」※テレビ画面
ドキュメント番組『フジコ〜あるピアニストの奇跡〜』
フジ子が不満そうにテレビのスイッチを切る。ラストテロップが流れている。
手にした、白ワインを飲み干すと、猫を抱き寄せタバコに火を付ける。
※深夜、テレビ局の事務所
アルバイトの留守番が一人。
電話の声「フジ子の演奏がもっと聴きたい」机に足を乗せ、踏ん反りかえって漫画を読んでいる。 側の電話機が急に鳴り出す。 面倒くさそうに電話に出ようとすると、次々と電話が鳴り出す。 慌てて、その一つの電話を取るアルバイトの留守番。 バイト「えっ?何の事ですか?」 電話の声「今やってた番組の人だよ」
話しているうちに、他の電話が鳴り続けているので、
バイト「ちょ、ちょっと待ってください」
次の電話に出る。
電話の声「あの人に、手紙を書きたいので住所を教えてください」
多くの人達からの反響で、「感動した」「涙が出た」「演奏会に行きたい」等の声が響き渡る。
フジ子のN「夢に向かっていても、それは自分との闘いよ。自分との闘いに負けなければ、たとえ、夢が叶わなくとも、後悔しなくて済むじゃない」バイトはうろたえるだけ。 ※レコード会社の社内
社員が慌しく動き回る中で、藤井が部長のデスクの前で話している。
藤井「テレビの反響が、すごかったらしいですよ」部長「なっ!1回でも曲を聴けば判るんだよ。俺が思った通りだよ!」
驚いたように部長の顔を見る藤井。
部長「始めて曲を聴いた時から思っていたんだ。チャンスだぞ!藤井。フジ子のCDを発売しよう。必ず売れるぞ!」
部長、拳を握り締め確信を持って、
部長「藤井!契約を取って来い!」藤井「はい!」
藤井は、喜びを胸に部屋を飛び出していく。
※フジ子の居間
テーブルの上に、CD発売の契約書が置かれている。
藤井「お願いします」テーブルを挟んで座っているフジ子と藤井。 藤井が深々と頭を下げて、 藤井「契約書の内容はですね・・・」
と説明しようとしている間も無く、フジ子があっ気なくサインする。
フジ子のN「招き猫って言うけど、この子たちが私に、カンバックをもたらしたような気がするの・・・」呆然とサインされた契約書とフジ子の顔を交互に見詰める藤井。 フジ子は、何も無かった様に足元を歩き回る猫を抱き上げ頬ずりをする。 ※全国のCD店
全国の店頭に並ぶ、フジ子のCDがオーバーラップ。
※酒屋の前若い女性が、フジ子のCDを手に取り買って行く。
空き瓶運びのバイトをしている劇団員。
劇団員「大家さんのCD買っちゃった」イヤホーンでCDを聞きながら、働いている。 劇団の団長が通りかかる。 団長「俺も買いに行く所なんだ。年齢的にもフジ子さんには、負けられないぞ」
笑顔で頷く団員と分かれる団長。
※軍艦マーチが鳴り響くパチンコ屋
酒場の男がイヤホーンでCDを聞き乍ら、パチンコを打っている。
パチ友「今日は出してるな」横に積み上げられたドル箱。 入ってきたパチンコ仲間が酒場の男の肩を叩く。 酒場の男はイヤホーンを片方外す。 酒場の男「何時でも出てるよ」 パチ友「何を聞いているんだ」 酒場の男「クラッシック」 パチ友「クラッシック〜?カラオケの練習はどうした?」 酒場の男「やめた。俺、有名人のお友達になったから・・・」
不思議そうな顔のパチ友。
酒場の男「CDにサインして貰ったんだ」
フジ子のCDケースを見せびらかす酒場の男。
つづく・・・。 |

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