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平日の午後、クライアントの船舶設計事務所から緊急信号が発生。
巡回中に連絡を受けた私は現場へ出動しました。しかし、狭い路地がいくつも重なり合い
カーナビ君も悩んでいる始末。
(うわ〜、ゼンリン、ゼンリン!!)と地図を開いて調べていると前から
赤ちゃんを抱いた女性が歩いて来ました。即座に窓を開けて道を訪ねる事に・・・
女性は少し(と言うか、かなり)焦っている私に、やさしく丁寧に道を教えて下さいました。
やはり赤ちゃんを育てている方は母性愛が強いのでしょうか?
ほんの束の間ですが、忙しない日々を送っている私の心は不思議と癒された感じがしました。
早速、教えて頂いた道をたどってクライアントの事務所へ。
入り口のインターホンを鳴らすと直に中年の男性が顔を出し
「あ、今お宅の会社にも連絡したけど、間違えて警報鳴らしただけだから」と言われました。
「そうですか、何よりです。スミマセンが決まりなので身分を証明して頂けるモノを
拝見させて・・・」
説明も最後まで聞かず、男性はめんどくさそうに運転免許書を出しました。
「あ、はい、それでは拝見させて頂きますね」
私が住所などを確認していると男性は
「あのさぁ、入り口を開けているとほこりが入ってくるんだよねぇ、もうイイだろぉ」
「はい、確認させて頂きましたので・・・」
(バタンッ!!)
また男性は私の言葉を最後まで聞かずに、入り口を締めてしまいました。
(まあまあ、こういう方もよくいます。警備員を目下に見ている方もいますし・・・)
私は、ちょっと傷付いた事を自分で気付かないフリをして車に乗り込みました。
(さあさあ、帰ろう、帰ろう〜っと)
何も無かったかの様に振舞ったのですが、やはり自分の心は騙せません・・・。
既に動揺して本部に報告する事も忘れていました。
私は通りがかった公園の脇に車を止めて、本部に連絡をする事に。ついでにタバコも一服する事に。
すると、知らない間に数人の子供達が、開けっ放しの助手席の窓からこちらを覗いていました。
「なあなあ、変身できるの?」「車に乗せて〜!」「腰に付けてるのは武器なの?」
と大きな声で質問攻撃を受けて仕舞う始末。公園内に居たママさん達も笑って見ていました。
その中に、先ほど道を教えて頂いた女性も・・・(なんか恥ずかしい〜!)
少し日が陰り、もうすぐ夕日が出てくる中で、屈託の無い子供達の笑顔と笑い声、そしてそれを
見守る母親達のやさしいまなざし・・・
私はそれ程、正義感が強い人間ではありません。
しかし、この平和な風景が、このやさしく心を癒してくれる時間が、いつまでも続くならば
私の様な人間でもお役に立ちたい・・・。
そんな事を思う一日でした。
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