第8章 スカウトされた昆布 マコ
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私は、妖精で有りながら天狗にも成っていた。
コンブの姿をした天狗何て見た事も聞いた事も触った事も匂いを嗅いだ事も無かろう。 ああ、ああ、沿うだろう。 私も自分の鏡の姿を見た時に驚いた。 今日も一仕事終えてと、或る日チョビット時間が出来た。 いつも、占いの申し込み者の占いで大忙しなのだ。 でも、其の日は何故か少し時間が出来た。 其仕て、ふといつも被って居る、顔を覆い隠す真紅の黄色い飾りが付いた布を捲って(捲って)鏡を見た。 すると、其処に居たのはコンブの姿をした鼻の長い天狗だった。 丸でカリントウの如く、其の鼻を私の顔にくっ付いていた。 若しかして取れるのでは無いかと思って手で少し力を入れて外そうとした位だ。 外れる筈も無い。 |
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私は何時の間にか(いつのまにか)政府のトップに迄(まで)上(のぼ)り詰(つ)めていた。
本当に気が付いたら沿(そ)う為(な)っていた。 まさかただの田舎に住んでいる妖精がコンブの国のトップに成るなんて、 以前の私が考えたらえ!ありえないとか、そんな風にしか思わなかった。 でも、成ってしまってからは何の違和感も無く私は、毎日忙しく占いの仕事をしていた。 もはや私が有名な占い師で有ると言う事は事務所の、母知り合いのおばさんにも知れてしまった。 「マコアちゃん?別に黙って上げてもいいわよ?金の卵のマコアちゃんの頼みだから御母さんには言わない
で置いてあげる。」 会計事務のおばさんは私が有名に成る事にワクワクしている様だった。 昆布の国の妖精は皆お堅い所以(から)普通、働く予定だった職場を変えて、別の職業に就くなんて 許される行為では無い。 が! 占い師と言う職業は特別なのだ。 占い師は羨望の目で見られる。 羨望の目で見られるという事は詰(つ)まり、羨ましいと思われる事だ。 私は、会計事務の従業員に嫌味を言われた。 「新人で、期待の星のマコアちゃん。素晴らしいわね。羨ましい限りだわ。 ところで、ぺディグリンと言う苗字、人間界に「犬」の餌(えさ)の名前でぺディグリーと言う 名前が有るらしいわね。何か関係でも有るのかしら。」 何の心算(つもり)なのかいまいち言われた時は良く分から無かった。 後で良く考えたら、その言葉が「嫌味」だと分かった。 犬の餌と同じ苗字だなんて。 人間界の犬の餌の名前なんて人間界との行き来が盛んで無い現代に置(お)いて普通知れる筈(はず) も無い。 きっとその昆布は私に何とか嫌味を言おうと思って、頑張って人間界の事について調べて 何とか私に言える嫌味の文句を探し当てたのに違い無い。 そんな事が有った後に私は、占い師専門になった。
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