若芽の国

若者よ。そなたの牙で、「良」と「善」を噛み割けよ!

第10章 知り合う人 田村和夫

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田村和夫
 読みは、たむらかずお。
日本の或(ある)電子工業会者に勤めて居(い)る。
性別は男。
赤塚透
 読みは、あかつかとおる。
田村和夫と同期で電子興行会社に入社した。
一人で居(い)る事が好き。
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第10章 知り合う人

 赤塚に会うと何だか不思議な気持ちに成った。
なんだろう。
安心感。
彼の大きな体。
彼の少しぽっちゃりした、少しだけ筋肉質な体。
其れが俺を安心させた。
頼っても良い。
頼っても壊れないでくれる。
勢い良く力を傾けても、赤塚は壊れないでくれる様な気がした。
其れは体の大きさもそうだが、性格の面からもそんな気がした。

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 俺の事を語るに置いて、先ずは時間を俺の幼少期に戻す必要が有る。
其処俺の心の形成に影響を与えている事柄が在るから。
以下回想。
 俺の父は暴れる事が偶に、ううん多々有った。
パチンコ、ギャンブル、競馬、そんな事をして、金が足り無く成って来るとちゃぶ台を引っ繰り返した。
「其れは仕方が無い事でしょ?」
「でも!是(これ)は!」
此れ(これ)は何なのだろう。
此の状況をどの様に説明する心算(つもり)なのだろう。
「…」
まんまだった。
説明も何も、言い訳も何も、まんまだった。
口に出す迄も無く見た儘(まま)の状況だった。
 俺は、男と言う物は皆が皆いつも情緒不安定なのだと思っていた。
母も父の情緒不安定振り(ぶり)に少々影響されて、何と無く不安な日々を送っていた。
母は昼間はスーパーマーケットでパートタイムジョブ!
レジ打ち。
何やら人間観察が面白くて其れ成り…否(いな)、可也(かなり)楽しんで居た様だった。
スーパーマーケットに居ると変な人、面白い服装をした人、此れでもかと言わんばかりに『普通』の服装の人、繋ぎ服の仕事中の格好良い男とか、色々な人が来るらしい。
其の服装と現在の世間の風潮を関連させて頭の中で、勝手に其の人達の心理を読むのが彼女(私の母)の趣味だった。

 幼い頃に父性(ふせい)を正式に、正確には受け無かった私が会社員に成って男性に惹かれる様に成ったのは余り不思議では無いと思う。
何と無く、男の人の大きな体抱擁感が有りそうな感じに惹かれた。
勿論、私の心の中でいくつか葛藤が有った。
「ゲイ」「ホモ」「同性愛」。
其れは行け無い事では無いかと思った。
生物が最もするべき事は子孫を残す事だと思った。
 最近では、人生はゲームだ。人生と言う舞台に立っているとか言う言葉を聞く。
其の言葉に拠ると、人生をエンジョイすれば子孫は残さなくても良いかの様な言い方だ。
だが、私はそう思えなかった。
真面目に考えてしまって、「生物が子孫を残さない事はいけない」と思い続けた。
 だから、私は自分を蔑(さげす)んだ。
暫くの間、悩みながら暮らした。
其れから、私が「男性特有の抱擁感」に曳かれた事の理由のもう1つの理由としては、父と母の不和が有る。
俺の母と父は世に言う熟年離婚という物をしようと思って居た。
俺は大人だ。
この歳(とし)に成って親が離婚とか言われても差して(さして)動揺何て(なんて)する筈(はず)が……在った。
俺は母と父が離婚する事に動揺した。
斯くして(かくして)俺は30歳でゲイに目覚めたのだった。
 
 俺の事を語るに置いて、先ずは時間を俺の幼少期に戻す必要が有る。
其処俺の心の形成に影響を与えている事柄が在るから。
以下回想。
 俺の父は暴れる事が偶に、ううん多々有った。
パチンコ、ギャンブル、競馬、そんな事をして、金が足り無く成って来るとちゃぶ台を引っ繰り返した。
「其れは仕方が無い事でしょ?」
「でも!是(これ)は!」
此れ(これ)は何なのだろう。
此の状況をどの様に説明する心算(つもり)なのだろう。
「…」
まんまだった。
説明も何も、言い訳も何も、まんまだった。
口に出す迄も無く見た儘(まま)の状況だった。
 俺は、男と言う物は皆が皆いつも情緒不安定なのだと思っていた。
母も父の情緒不安定振り(ぶり)に少々影響されて、何と無く不安な日々を送っていた。
母は昼間はスーパーマーケットでパートタイムジョブ!
レジ打ち。
何やら人間観察が面白くて其れ成り…否(いな)、可也(かなり)楽しんで居た様だった。
スーパーマーケットに居ると変な人、面白い服装をした人、此れでもかと言わんばかりに『普通』の服装の人、繋ぎ服の仕事中の格好良い男とか、色々な人が来るらしい。
其の服装と現在の世間の風潮を関連させて頭の中で、勝手に其の人達の心理を読むのが彼女(私の母)の趣味だった。
 
閑話休談
 
続く
次繰(つづく)ったらつづく
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第10章
知り合う人
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 俺の名前は、田村和夫(たむらかずお)。
第3章で烏賊佐間(イカサマ)テレビ局の話が有っただろう?
 そのときの主役は、「和男」だから。
俺の名前は、田村和夫。
一文字違いだから間違え無いで欲しい。
俺は或(あ)る、会社のサラリーマンだ。
今年に成って入社した。
其れは其れは大変な就職活動の末、この手で掴み取った就職先だ。
 話は唐突に変わるが…
この会社に入社してから気になる奴がいる。
気になる奴と言っても、同性である。
何と言っていいか、分からないがとにかく気になる。
そやつはいつも一人でいる。
仕事をしているんだから、1人になることもあるだろう。
だから別に1人でいてもそれは、そういう仕事をしているんだと思えばなんらおかしくはない。
だが、彼は今まであまり人と話さずに生きてきた、という感じがするのだ。
なぜかは分からないが、そんな気がする。
まあ恐らく、無口な人ではあるのだろう。
きっと人と話すのがそんなに好きではないのだろうな。
と、まあ、私は勝手にそんなところまで予測していた。
ここまで考えているようだと、予測というより、もはや妄想の域に突入しているような気がする。
 いつも1人でいるという事の他に気になる理由として、やつはワカメの国に1人で行けるらしいのだ。
そういう噂だ。
話によるとやつは潜水艦に乗らずに身一つでワカメの国に行けるらしいのだ。
ワカメの国は誰でも知っているが、そんなおこちゃまな話が噂になるだなんて、どういうだろうか。
この会社の人は精神年齢がものすごく低いとか?
まあ、ワカメの国の事は話の種、冗談の1つとして噂されているのだろう。
そのくらいに思うことにした。
とても気になるのでこの昼休みに話しかけてみることにした。
「こんにちは」
うどんを食べるのを一時休めて、やつはこちらを見上げた。
「こんにちは」
「ここいいですか」
「どうぞ」
やつは知らない人に声をかけられたからといって、特に驚く様子もなく、平然とした声で言ったかと思うと、再びうどんを食べ始めた。
「お前さあ、ワカメの国に身一つで行けるって本当か?」
「ああ、いけるよ」
…話す直前までは、「お前」だなんて言葉を使うつもりは無かった。
初めての人だし、年下という訳でもなし、まあ「君」くらいにしようかと思っていた。
が、口をついて出てきた言葉はなぜか「お前」だった。
「本当か。すげえなあ」
「別に凄くは無い」
「いやすげえよ。今時ワカメの国にアナログで行ける人なんて聞いたことないぞ」
「そうか?俺は行けるやつ何人か知ってる。」
「えっ。マジか。」
「ああ」
「お前すげえなあ」
こいつ、行けるって言ったよな…。
こいつは自分がおちょくられているというのに気がついているのか?
それとも本気でワカメの国なんて信じているのか?
どんだけ精神年齢が低いんだ?
精神年齢が低いとかの領域ではないぞ、もしワカメの国なんて本気で信じているなら頭がイカレてるだろ。
「っていう事はもしかして、…全然機械を使わないで生活しているのか」
「いいや、全然ではない。最低限の機械は使っている。」
「ああ、そうだよな」
さすがにそれはないか。
ところで、ここの食堂のうどんは美味しいのだろうか。
 と、そこら辺で昼休みが終わり、会話は切り上げになった。
正直言うとまだ少し話したいことがある。
話してみて分かった事がある。
彼は「ワカメの国」の話を本気で信じている。
 
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イメージ 9寮のノートパソコンで調べる田村和夫

 げに。つまりこういう事だ。現代では「ワカメの国」にはバブル号なる球状の機械の乗り物に乗っていく人が通常だそうだ。しかし、精神が発達した人は機械に乗らなくても行けるらしい。
ワカメの国というのは海の底にあるわけだし、機械に乗らないでって…それって、超能力って事か?魔法か?いやそういう事になるだろ。という事は俺はやつに遊ばれていたという事か。インターネットでのヒット数も少なかったし。そんなに有名な事柄でもないらしい。全く初対面でだますっていうのはどういう事なんだ。
 でも…おや?そうでもないのか?なんだかサイトを見て回っているといかにも本当に超能力で海の底に行く事も可能だみたいな様に書いてあるところが多い。なんなんだ?あれ?俺が生きている世界ではそんな事は普通にあるんだっけかな?イメージ 1
イメージ 5田村和夫が勤める電子工業株式会社の食堂
 やつは一人で座っている。別に話す人もいないのだろうか。昼休みの時間くらいだべればいいのに、やつは食堂のほぼ中心の席でラーメンをすすっている。今日も調査、調査っと。
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イメージ 4昼休みラーメン片手に謎の人物赤塚に話し掛け様(よう)とする、田村和夫

「こんにちは」
「こんにちは。」
「そういえば、大変な事が起きてしまいましたね」
「ええ」
「私思うんですがね」
「はい」
「この頃の大人はねえ、この頃の若者は皆『ひとりで育ってきたと思ってると思い込んでる』と思い込んでると思うんだよ」
「はあ、そうですかねぇ」
「はい。若者をみくびりすぎですね」
「まあ確かにけっこう若者を批判する内容のテレビ番組が最近になってなぜか増えていますね」
「そう、そう。あれも問題だと思うよ。若者はねえもっと元気を出していないとダメなんだよ」
「はあ。え、それって批判していませんか」
「ああ、してるしてる。若者はもっとこうなんというか、破茶メチャ加減がだねぇ大切なのだよ。そうはちゃめちゃ加減も大切なのだよ。うん、うん。」
「はあ、けっこう面白いですね。赤塚さんて」
「?そうですか?そうしているつもりはないのですがね」
「十分面白いです」
「そうですか。それはよかった」
 なんでだろう。あの人と話しているとどんどん話してしまう。なんだか俺ってなれなれしくて嫌な人になってる気がする。

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