過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

 
 
映画『風立ちぬ』を公開初日に観てから、随分と経ってしまいましたが、
直後に感じたあの想いは、やはり時間が経ってもうまく表現出来ず、
今に至ってしまいました。
ですが、素晴らしく的確な解説をされているブログはよくお見かけします。
 
私の感想は、ただ、心地よかったのです。
 
非常に。
 
震災、戦争、死別…、激動ともとれる環境、時代背景なのに、
なぜか淡々と伝わってくるものがありました。
 
ジブリ作品の次回作が『風立ちぬ』ということで、
まず小説「風立ちぬ」の著者、堀辰雄氏の作品に興味を抱いたのですが、
作風のみならず、著者の在り方にも大いに魅かれるものがあり、
その出合いによろこんだものです。
(わたしは堀辰雄氏でしたが、同様に堀越二郎氏に惹かれた方も多くいらっしゃるのでしょうね)
 
 
イメージ 2
 
 
堀 辰雄著の小説「菜穂子」のなかで、
菜穂子が半ば衝動的に療養所(八ヶ岳にあるサナトリウム)を抜け出し、
東京にいる夫に会いに行くシーンがあります。
 
圭介(夫)は不機嫌そうに彼女の前に腰をかけたきり、
暫くは何も云い出さずにいた。
「いきなり新宿駅から電話をかけて寄こすなんて驚くじゃないか。
一体、どうしたんだ?」とうとう彼は口をきいた。・・・・・
 
彼女の心の内には、
一瞬、けさ吹雪の中を療養所から抜け出して来た小さな冒険、
雪にうずもれた山の停車場での突然の決心、
三等車の中の立ちこめていた生のにおいの彼女に与えた不思議な身慄い、
それらのものが一どきによみ返った。
彼女はその間の何かに憑かれたような自分の行動を、
第三者にもよく分かるように一々筋を立てて説明する事は、
到底出来ないように感じた。
 
彼女は・・・・・只大きい眼をして夫の方をじいっと見守った。
何も云わなくとも、その眼の中を覗いて何もかも分かって貰いたそうだった。・・・・・
 
「母さんは病気なんだ」
圭介は彼女から眼を外らせた儘、はき出すように云った。
「面倒な事は御免だよ。」 】
 
思わず、がーん!  むかっ!となります。(笑)
 
「菜穂子」この前には、幼馴染の明の見舞い、訪問を受け、
考えさせられるシーンが出てきます。
 
【 「わたしには明さんのように自分でどうしてもしたいと思う事なんぞないんだわ。」
そんなとき菜穂子はしみじみと考えるのだった。
「それはわたしがもう結婚した女だからなのだろうか?そしてもうわたしにも、
他の結婚した女のように自分でないものの中に生きるより外はないのだろうか?…」 】
 
病人が持つ心細さの他にも、その時代の女性ならではの葛藤もあったのだろうと
察することが出来ます。いや、時代は関係ないことかもしれませんね。
 
そして、映画『風立ちぬ』でも同じようなシーンが登場してきます。
はたしてどうでしょうか?
 
受けとめます。
しかも相手の気持ちを察してのことだけでなく、自分のよろこびとして。
 
抵抗しません。
 
そこに嘘がないのです。
 
理不尽なことは起こります。
自分ではどうしようもないことも。
そんな中でも主人公は、失敗の中から何かを掴み、美しい飛行機をつくりたい、
という夢(決意)と共に、真摯に、情熱的に生き抜きます。
 
抵抗していない…。あ、映画、全篇… そうか〜だから心地いいんだ。
そう気づきました。それが諦念なのかもしれません。
 
宮崎監督は、子どもたちに… というこだわりも捨てました。
度々登場する喫煙シーンは、喫煙者でなければ描けないリアルさで、
経験が生かされています。(笑) 
心底感心しました。
伝わってくるものは、ある意味、“あるがまま”の凄さ、なのでしょうか。
二郎役の声も、小細工しない実直さという点で実にぴったりです。
 
言い訳しない潔さ。
 
起こることは起こる。そのとき自分はどう在りたいのか。
どんなことが起ころうと、どんな時代であろうと、淡々と、
常に自分自身であれ(自分に正直であれ)、そんなことを感じた映画でした。
 
       宮崎 駿監督の言葉より ↓(プロフェッショナル仕事の流儀:1000日の記録)
 
「面倒くさいなぁ。まことに面倒くさい。何が面倒くさいって、究極に面倒くさい。
世の中の大事なことって大抵面倒くさいんだよ。
面倒くさくないとこで生きてると、面倒くさいのはうらやましいなと思うんです」
〜この面倒くさい日常さえも、押し流された人たちがいる〜
 
「時代の歪みの中で 夢は変形され、苦悩は解決せずに生きねばならない。
その運命は、実は、現代の世界に生きる自分たちそのものではないか」
 
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
 
「時代の風がごうごうと吹く。だから生きなければいけない」
 
「それが この時代の変化に対する自分たちの答えでなければならないと思います」
 
「力を尽くして生きなさい。自分たちに与えられた自分たちの範囲で、
る限り、力を尽くして生きるしかないんです」
 
「結局 自分が作りたいから作るんだっていうしか理由がないんだよ」 ↑
と宮崎監督が頭を悩ませていた企画書です。
 
 
↓ 堀辰雄著:小説「風立ちぬ」に寄せている丸岡明氏の解説から ↓
 
「巧妙に時の流れが立体的にさえ感じられるように工夫されている…」
 
「『風立ちぬ』が私たちにもたらした最も大きな驚きは、
風のように去ってゆく時の流れを、見事に文字に刻み上げて、
人間の実体を、その流れの裡に捉えて示してくれたことである。」
 
 
 
イメージ 1
 
宮崎駿監督:プロフェッショナル仕事の流儀:引退宣言)
〜創り続ける人生は まだ終わらない〜
 
 

全1ページ

[1]


.
wanchan1wan ワンちゃんわんわん
wanchan1wan ワンちゃんわんわん
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
検索 検索

過去の記事一覧

ブログバナー

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事