穴あき日記〜奈良漬のブログ

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狐火の話

狐の嫁取り(嫁入り)について先日取り上げましたが、その続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/16875089.html

狐の嫁取りの正体はよく分かりませんが、新潟県三条市の現場では光る苔が原因なのではないかという解釈をする人もいました。
けれども沢山の火が山の麓から頂に向けて移動していくわけで、樹木の皮にへばりついた苔がそんな動くわけがありません。
もっともらしい意見のようで、どうもこれも眉唾な擬似科学的な解釈だと思うのです。

そのほかにも、なんやかやと解釈があるのですけれども、その一つで、これは珍しいなと思うのが大正時代の雑誌『郷土研究』第4巻第1号(大正5年4月)に載っています。
和歌山県の話なのですが、こんな内容です。

「狐の火は小雨の降る夜などによく見ることがある。
 火の色が青くて、はじめに1つ見えたかと思うとどんどん増えていって明滅する。
 火は上下に細長い火である。」

これはまあよくある狐火の話ですけれども、その原因を次のように述べています。

「狐の涎(よだれ)が光るのだとも云ふ」

つまり狐火の正体は狐の涎なのだといいます。
うーん、これはまた斬新なと思いますが、普通に言われるものなんでしょうか。
僕は初見でしたが…。

なお、左右の人差し指と中指を組み合わせて出来た指の間を「狐の窓」といったりします。
そこから狐火を覗いて、ふーっと息を吹くと、狐火が消えるといいます。

指の間から覗くという行為はなかなか呪的な働きがあるものです。

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狐の窓のことは、そういえば民俗学の常光さんも書いていました。時代は降って、僕の小学生時代に、二回拍手してから狐の窓のようなものを手で作って、飛んでいる飛行機を覗くと良いことがあるというのを、女子がやっていました。ヘリコプターを覗くといけないそうです。指の間から覗くという行為の呪術性は根強いようです。

2010/8/4(水) 午後 8:58 [ カムイ ]

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常光さんはしぐさの民俗の専門家ですからね。
5円玉の間から覗くとか、股の下から覗くとか、いろいろな事例を調べてますね。
飛行機/ヘリコプターの事例は初耳です。
そういうのもあるんですか。
飛行機/ヘリコプター以前は何が対象だったんでしょうね。
そういう俗信があって、近代的なものが派生していったのでないかなあと思いますけど。

2010/8/4(水) 午後 11:14 [ 奈良漬 ]

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なんだったのでしょうか?直接以前の形がどうだったのかはわかりません。都市民俗学が調べてほしいものですが。

もともと、扇の骨の間から、死刑の場面など、穢れたものを見るというのが中世頃にあったようです。この「穢れを転化する」、から「日常のものを良いものにする」に変わっていったのかもしれませんね。カメラのレンズを通すと日常見慣れたものが変わって見える、というのに近い心理が関わっているのかもしれませんね。

2010/8/5(木) 午後 8:02 [ カムイ ]

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子どもの遊びや習慣の中には不思議と古くからの伝承が残っているものですよね。
しぐさやまじない、替え歌のようなものまで、いろいろ。
そういう学校社会や友達の間のフォークロアをまとめた本ってあったら読んでみたいものです。

扇の骨は絵巻などでよく見られますね。
退治した酒顛童子や土蜘蛛を車に乗せて凱旋する場面とかで扇の骨から覗く見物人がいますね。
あと、芝居見物もそうですか。
吉原を舞台にした落語で、三代目金馬が「客は扇の垣根より」ということを言っていて、遊女を見るにも、そうした仕草をする人がいたみたいです。
〈のぞく〉とか〈垣間見る〉とかは物語文学の上でも重要な意味をもつことがあります。
それはまた現実世界における習慣が反映されたものなのかも知れませんね。

2010/8/6(金) 午前 0:13 [ 奈良漬 ]

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目と対象物の間に別のものを介することによって、向こう側と距離を置くという意味もあるのでしょうか。遊女を見る時にもするのは知りませんでした。

覗き小屋がはやったのも、その「覗く」という行為自体が「あやしさ」や「どきどき感」をもたらすからでしょうね。

2010/8/6(金) 午後 8:05 [ カムイ ]

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覗き小屋というと、一気にいかがわしさが増してしまいますが、本来見えないものを見るというのは、普通に視認するのとは異なる手続きがいったのでしょう。
それがまたタブーを犯すという手続きでも見られることがあり、たとえば鶴女房や西洋の青髭公の城の伝説に表れているのでしょう。
覗き小屋もある意味タブーを犯す営為ということでしょうかね。

2010/8/6(金) 午後 9:30 [ 奈良漬 ]

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覗き小屋は「確信犯」的に使っていますね。
鶴女房はタブーを犯す手続きとして、扇の骨から覗くのはタブーから距離を置く、といったところでしょうか。
お話に出てくる「覗く」というのは、二重三重の仕掛けが見られますよね、「絶対に見ないで」といいつつも、「覗く」ことによって話が発展していったり、ある条件なら覗いても良いとか。

2010/8/7(土) 午後 8:10 [ カムイ ]

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いわゆる「見るなの禁忌」というやつですね。
「見るな」といわれれば見てしまうのが人の性w
物語世界では見てしまって取り返しのつかない事態に展開するのが一種の法則。
現実世界では祭礼の中などに俗信として生きてますね。
「見たら目がつぶれる」
「見たら気が狂う」
とか言って。

2010/8/8(日) 午前 9:35 [ 奈良漬 ]

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そういえばご神体や、秘仏がそうですね。見てはいけないから、何重にも布や箱にくるんで奥にしまいますね。そうするとなおのこと見たくなりますね。宗教的なものはその人間の心理を上手くついているようです。とくに神道は、拝殿の奥に扉を設けて、さらに中は見られないように錦をたらしていて、すごく象徴的ですね。

2010/8/8(日) 午後 9:24 [ カムイ ]

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見られなくすることで、より神秘性が増し、増すことでまた信仰心も増すという相乗効果が期待できるわけですね。
「神は人の敬うにより威を増し、人は神の徳によって運を添う」という『御成敗式目』第一条に重なる発想でしょう。

2010/8/9(月) 午前 0:14 [ 奈良漬 ]

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鎌倉の人もそこを認識していたのですね。うーん、深い。

2010/8/9(月) 午後 10:03 [ 魂振り ]

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魂振りさん、こんばんは。
この発想は日本ではときどき見られることですね。
江戸時代、各地で流行神が顕れて立派な社が出来たり、急速に衰えてさびしい祠に成り下がったり。
日本人の神観念がよく表れている考えかも知れません。

2010/8/10(火) 午前 0:13 [ 奈良漬 ]

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私の祖父が住んでいたのは新潟県南魚沼市なのですが、私が幼少期に夏休みを利用して遊びに行っていた時の話しです。
19時位だったと記憶しているのですが、祖父が「○○、外に出てごらん。狐の嫁入りが見れるよ」と私を外に呼び出したのです。
私は外に出て見ると向こうの山に灯りが20個程列をなして見えたのです。
そこで祖父が【狐の窓】の組み方を教えてくれ、その中央から息を吹いてごらんと言われたので、息を吹いてみると その狐火がポッポッと順番に消えたのです。
何故かその不思議な出来事は鮮明に覚えていました。
2年前に母親と墓参りに行った時にその話しを母にした所、母もやはり幼少期に祖父に教えてもらい息を吹いた事があると言っていました。
今では祖父も他界してしまい真相を聞く事はできません。

2019/1/29(火) 午前 11:50 [ たっかん2 ]


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