穴あき日記〜奈良漬のブログ

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獅子舞の悪用

13日の記事で神楽扶持(かぐら・ぶち)という芸能者を紹介しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/17462014.html
あくまで迎えた側の思い出話だから、正確なところはわかりませんが、獅子舞の一種だったと考えられます。
これは農家をやめた人が生計のために行っていた門付けでした。
立場的には弱いから、きっと追い出されることもたびたびあったんじゃないかと察せられます。

他方、追い出されるどころか脅迫めいたことをする来訪者もいたわけです。
これはつまり押売りという奴で、近年ではめっきり見られなくなったものですね。
(今でもいるんでしょうか?)
代表的なのはゴム紐売りで、押売りの代名詞のように使われますが、実際目撃したことはありません。
ほかにマッチや「家内安全」のお札(ふだ)、木彫りの大黒様を売りに来る者もいたようです。
あとはどんなのを売っていたのでしょうか。

ところで昭和8年8月に発行された『郷土研究』という雑誌に奇妙な獅子舞の話が載っています。

場所は千葉。
季節は正月明け。
20数人の男が「馬場徳」の半纏を着て、でたらめな獅子舞をして、商店や芸者屋をまわって稼いだというのです。
普通の獅子舞だと思って5銭をやったら、
「おぼえていろ」
と捨て台詞を言って去ります。
しかしその晩、
「5銭でこの半纏が承知するか」
と昼の男が嫌がらせに来たそうです。
こうして計300余円を稼いだのですが、結局恐喝容疑で警察のお世話になりました。
「馬場徳」なる集団を記事を書いた人は「恐喝専門の一味」と説明しているので、一種のヤクザなのでしょう。

その組織に属する者は同じ半纏をまとっていたそうですが、普段どういう仕事をしていたんでしょうかね。
さすがに獅子舞もどきの恐喝ばかりでは無理でしょう。
こんな妙なアイデアを実行に移したばかりに話題になり、記事にもなったわけです。
ともかく、彼らは民家には寄らずに商店や芸者屋といった大口ねらいだったことがうかがわれます。

この記事に

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『獅子舞の悪用』というタイトルに、どのような内容なのだろうと思いました。笑い話ではないのでしょうが、ドラマのような話に笑ってしまいました…。

>「5銭でこの半纏が承知するか」

『この半纏が』というような雰囲気のセリフですが、実際に言ってたのですね〜。私は時代劇の中だけのお話かと思っていました。でも、こういう言い方(例えば、この入れ墨が許さない…とか)で相手を圧倒させようとするのは、日本だけではありませんか?
ちなみに、わたくし、こういうセリフ好きです…(^^)

2010/8/17(火) 午後 5:00 [ ゆら ] 返信する

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「この半纏が」って言ってたんでしょうなあwww
店の前に背中を向けて座り込んで大声で怒鳴る様子が目に浮かびます。
彼らからすれば見得を切るような自己陶酔的なところがあったかも知れません。
め組の親方などが言ったらカッコいいでしょうね。

このような啖呵を切る表現が果たして外国にもあるかどうか、考えてみたことが無いのですが、興味深いですね。
バトル系のマンガやアニメではよくそういう意味合いの表現が使われますが、たとえば西洋中世の騎士道物語の類にもあるんでしょうかね。
合戦の時に
「我こそは八幡太郎の末孫、○○の孫、××の嫡男、△△なり!
腕に覚えのある武士あらば、勝負せよ!」
みたいな(名乗り)は東西を問わず言うみたいですね。
啖呵を切るのは合戦の場では挑発行為になりますから、外国にもあったかも知れません。
調べてみなくては分かりませんが…。

2010/8/17(火) 午後 6:14 [ 奈良漬 ] 返信する

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この時代ならではの手口ですね。
やはり、獅子頭にある程度受け手が神聖さを感じないと、成立しないですね。なんとなく「金払わないと罰当たるかな」という感覚もあったのでしょう。

2010/8/17(火) 午後 9:41 [ カムイ ] 返信する

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>め組の親方などが言ったらカッコいいでしょうね。

同感です! 想像しちゃいます…(^^)

>合戦の時に
「我こそは八幡太郎の末孫、○○の孫、××の嫡男、△△なり!
腕に覚えのある武士あらば、勝負せよ!」
みたいな(名乗り)は東西を問わず言うみたいですね。

あっ、そうなんですか!
合戦時に長々と名乗りをあげるような悠長な戦闘習慣は、日本だけかと思っていました。外国のことは、いつもなんとなくのイメージで考えてしまい、さらには、そのイメージどおりに思い込んでしまうところがあるので、気をつけないと…と思いました…^^;

2010/8/18(水) 午前 0:00 [ ゆら ] 返信する

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>カムイさん

そうかも知れませんね。
もっとも、コワモテの面々がやってきたら払わないと何されるか分からないと思うから払ったのかも知れませんね。
はじめからゆすりたかりが目的だったんですから。


>ゆらさん

名乗りは一騎打ちの伝統だろうと思います。
単に相手に素性を述べるだけでなく、威嚇するという効果も期待されたのかも知れません。
もっとさかのぼれば言霊の力を借りる発想があったのかも…。

2010/8/18(水) 午前 7:41 [ 奈良漬 ] 返信する

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たしかに、この事件ははじめからゆすりたかりですね。もっと巧妙にやっていたのもありそうですね。あと、獅子舞にあげる当時の相場が五銭というのがわかるのも面白いですね。

2010/8/18(水) 午後 10:35 [ カムイ ] 返信する

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ちょっと間が空いてしまいました。
すみません。

馬場徳というのは、ヤクザの一味なんでしょうね。
あの手この手で収入を得ようとしていたのかも知れません。
当時の生態を知りたいものです。

2010/8/20(金) 午後 10:27 [ 奈良漬 ] 返信する

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やくざも今のやくざとはまた違うんでしょうね。上納金がひつような下のひとたちでしょうか?知りたくもありますが怖い世界ですね。

2010/8/20(金) 午後 11:38 [ カムイ ] 返信する

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