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今日、同人誌というと、いわゆるマンガ本、イラスト本の薄い冊子のことで、コミケットなどのイベントやマンガ専門店で手に入れるものというイメージが強くあります。
しかし、本来は自作の文芸作品や文芸批評を発表する雑誌として明治時代から作られ続けてきたものです。
そうした同人誌の変遷を押さえることで、70年代以降のマンガ本の同人誌の展開と絡めて見ていきたいものだと思っておりました。
これについて、近代の文芸事情に詳しい知人が1つの文献を紹介してくれました。
『同人雑誌集覧 附・研究論文・翻訳 1』(昭和41年)という本です。
これは日本大学芸術学部内の文学・雑誌センターという機関が作成したものです。
しかし今日この本は入手が困難なようです。
ところが、昨年、同学部の芸術資料館が次のような企画展を開催しました。
「同人誌の変遷―文芸学科所蔵同人誌を中心に―」
この企画展を知ったのも、上記の知人の教示によるものなので、とっくに終了しており、見学できませんでした。
この展示に併せて発行されたのがペラペラのパンフかと思いきや、そうではなく、『同人雑誌集覧』を収録した『同人誌の変遷―文芸学科所蔵同人誌を中心に―』(日本大学芸術学部芸術資料館発行)という、なんと340ページにもわたる資料集でした。
・同人誌展開催にあたって
・同人雑誌、その消長と伝統と
・作家を育む場としての同人誌
・「文学・雑誌センター」創設のころ
・愛着ということ――同人誌展の作業現場から――
・『文芸年鑑』に掲載された同人雑誌数の推移
・同人雑誌年表
・展示品リスト
・編集後記
これに加えて、次の昭和41年発行の集覧が再録されています。
・付録・同人誌集覧復刻版
本書は「同人誌の変遷」をストレートに示してくれる良書です。
今日、大学に問い合わせて江古田に出向いて手に入れてきました。
帰りの電車の中で興奮しながら「集覧」に目を通しました。
とくに昭和30年代の各地の文芸活動が俯瞰できたことや、山室静、立原正秋といった名のある人物もこうした活動をしていたことが知られて、面白く思いました。
いい本に出会いました。
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