穴あき日記〜奈良漬のブログ

『中世物語資料と近世社会』(三弥井書店)近々出来します/ツイッターID:@NarazakeMiwa

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先月出した論文集の紹介です。
 
『室町戦国期の公家社会と文事』
 
序論
Ⅰ 室町戦国期の菅原家―人と文事
 一 室町戦国期の菅原家
 二 主要人物伝(東坊城秀長・東坊城長遠・五条為清・唐橋在豊・東坊城益長・高辻継長・五条為学・高辻長雅)
 三 十五世紀中葉の願文制作と儒家
 四 京都大学附属図書館所蔵『泰山府君都状』―翻刻と解題―
 五 戦国初期の儒者―高辻章長伝―
Ⅱ東坊城和長の文事
 一 東坊城和長の文筆活動(付・年譜)
 二 戦国初期の紀伝道と口伝・故実
 三 室町後期紀伝儒の祭文故実について
 四 室町後期における勧進帳の本文構成―明応五年醍醐寺勧進帳をめぐって―
Ⅲ 戦国期前後の言談・文事
 一 『看聞日記』における伝聞記事
 二 ものとしての天変―『看聞日記』の一語彙の解釈をめぐって―
 三 中世勧進帳をめぐる一、二の問題(付・中世勧進帳年表)
 四 三条西実隆の勧進帳制作の背景
 五 山科言継と連歌(付・龍門文庫所蔵『発句』翻刻)
 六 【翻刻】東京大学史料編纂所所蔵『山科言継歌集』
 
イメージ 1
 
室町戦国期の公家社会の文筆活動の実態とその背景を文章道の担い手菅原家を中心的に扱うことで明らかにしようとしています。
 
文学的営為のみならず、日々の政務や恒例行事に用いられる文章は単なる事務書類として理解されるべきものではありません。
そこには古来、詩文の形式や四六駢儷体に代表されるようなレトリックが応用されてきたのでした。
それらを作成する素養は同時に文芸活動の素養と共通の基盤の上に立っています。
この点について具体的な活動を見ていくことで公家の文筆活動の意義を明らかにしていくことが本刊行物の課題です。
 
公家の中でも紀伝道、すなわち文章道の中核を担ったのが菅原家でした。
古代律令制の確立以来、菅原家は代々文章博士を輩出してきました。
その後、家が複数に分岐し、家ごとに役割を分担しながら近世まで展開していきます。
朝廷の博士の家として、従来、陰陽道・明経道が解明されてきましたが、しかし一方で紀伝道は相応の評価がされて来ずに今日に至っています。
それは書籍のかたちで知識や思想の体系化を図ってこなかったこと、開放的な講釈活動を行ってこなかったことに主たる要因があるだろうと思います。
そこで本刊行物の内容では、その活動実態を、記録や文書等の収集・分析を通して把握しようとしました。
 
ほとんど店頭売りされない本ですorz
書店HPから購入できます。
またオンライン書店bk1でも入手できます。
学会の出店で見かけたりしたときにでも手にとってやってくださいませ。
 
 
なお、どうでもいいことですが、表紙デザインは前著につづいて著者自身が作りましたw
 
伊藤慎吾著
三弥井書店刊
平成24年2月10日発行
定価:8400円+税
ISBN:978-4-8382-3218-5
平成23年度日本学術振興会科学研究費補助金(研究成果促進費)交付図書
 
***古典的奈良漬***
いろいろ更新しました。

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閉じる コメント(4)

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出版、おめでとうございます。
見る機会もなさそうだなー。
紀伝道・文章道も、分かりません。
これから調べてみます。

2012/3/5(月) 午後 4:08 yoshy 返信する

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ありがとうございます!
超マニアックな領域ですからね〜w
安倍晴明ブームで陰陽道はずいぶん一般的に知られるようになりましたが、紀伝道のほうはオカルトに絡まないから、ひたすらマイナー路線を行くことでしょう。

2012/3/6(火) 午前 11:04 [ 奈良漬 ] 返信する

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おめでとうございます。
凄いですね。この世に自分の作品を残せるなんて
尊敬しちゃいます、大先生です。
「奈良漬」著じゃないんですね〜

2012/3/6(火) 午後 7:33 makko 返信する

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ありがとうございます♪
今度はもっと一般向けの本を書いてみたいです。
奈良漬著でw
これは飽くまで論文集ですからね。

2012/3/6(火) 午後 7:50 [ 奈良漬 ] 返信する

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