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雨にしとど 濡れてもはまじ あはできびの 悪さに迷ふ しのぶ細道 鵐(シトド)
17世紀の動物物語『鳥の歌合』より
【妄想語訳】
雨にびっしょり濡れても、絶対食べないんだ!
大好物だけどね。
粟(あわ)も黍(きび)もあの子に逢う前に縁起でもないじゃない。
雨の夜道は気味悪いし、逢わずに終わっちゃったらどうすんの。
ああ、でも美味しいからなあ、
大好きなんだよなあ…。
ちょっとぐらいいいかも。
でも忍ぶ恋路なんだから、さっさと行こう。
でもちょっとくらい…。
って、ここどこー!?
迷っちゃったよ(>_<)
〔妄想的解説〕
シトドくんは雨がザーザー降る晩に、ひそかに恋仲になった人のもとに向かうことになりました。
暗くて細い道ですが、苦労したほうが逢った時の喜びは一入(ひとしお)と、気持ちを膨らませて足早に歩みを進めるのでした。
すると、不思議なことに、道沿いに大好物の粟と黍が置いてありました。
雨に濡れないように、ちゃんとサランラップにくるんであります。
「これは、あらからさまに怪しい」
シトドくんは独りつぶやき、君子危うきに近寄らずという教訓を思い出し、素通りすることにしました。
でも、シトドくんは、このところガールフレンドのプレゼントを買うために、食費を切り詰めるだけ切り詰める生活が続いております。
正直、お腹がすいてます。
しかも好物だし。
ということで、一度は通りすぎたものの、再び皿のところに戻りました。
いやまて、やっぱりおかしいぞと思いなおし、また彼女のもとに向かうのでした。
シトドくんは大変悩みました。
苦悩して頭を抱えながら行ったり来たりしていたら、道がわからなくなってしまいました。
そのまま、シトドくんは夜が明けるまで森の中を歩き回ったのでした。
この歌は、このときの絶望的な心境を詠んだものです。
なお、森の中に置いた粟と黍は、その後、スタッフがおいしくいただきました。
食べ物は大切にしましょう。
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