穴あき日記〜奈良漬のブログ

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イメージ 1幕末明治期の辞書について、前々回の記事でちょっと取り上げました。
 
その中の一つに『新編広集字書大全』というのがあります。
前々回に挙げた画像では右上の横長で分厚い黒表紙の本です。
 
この辞書は画数検索、部首検索ばかりでなく、中国語の四声や平仄などにも対応しており、今日の漢和辞典と通じるところの多いものです。
当時はまだ漢字制限が実施されていなかったので、常用漢字との区別や人名漢字の一覧などありません。
字義についての解説がない点、不便なこともありますが、音訓の読み方を知るだけでよければ、今でも十分役に立つものです。
 
ちなみに『国書総目録』によると、本書は国立国会図書館に所蔵されるほか、兵庫県西宮市の個人蔵が確認されます。
しかし後者は「新編広集字書」とあるだけで「大全」の2字がないようです。
同じ項目に記載されているから同内容の辞書なんでしょうが、おそらく、タイトルだけ手を加えられて再版されたもののようです。
はたして「大全」が付くのが先か、付かないのが先か、定かではありませんが、見比べて確認したいものです。
 
さて、僕の所蔵する『新編広集字書大全』には印記があります。
1つは「藤」という正方の黒印。
もう1つは「信州/¬サ藤屋三/計見」と円の黒印。
 
「藤」は藤屋の「藤」ということで問題ないでしょう。
信州は今の長野。
計見は地名ですが、どこでしょうか。
スキー場としても知られる野沢温泉の南に木島平村というところがあります。
今は合併して村名としては消滅しましたが、明治9年(1876)までそこに計見村という地がありました。
もしかしたらそこの人が持っていたものかも知れません。
藤屋は屋号で藤屋三右衛門とか三左衛門とか、そんな名だったのでしょうか…。
藤屋がいかなる店だったかも、この印記からだけでは分かりません。
ただ、気になるのは、現在、野沢温泉に藤屋旅館なるところがあることです。
そこと印記にある「藤屋三」とは何かつながりがあるかも知れないなあと想像します。
 
時間があったら、確認がてら、のんびり温泉につかりに行ってみたいものです。

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