穴あき日記〜奈良漬のブログ

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『鼠の草子』の譬え

近世前期の文献に見られるお伽草子の記事や出版、書写の記録について、拙著『室町戦国期の文芸とその展開』に年表形式で掲載しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/7768508.html
その後、追加すべきものが出てきました。
そして一昨日読んだ本にもありましたorz
そういう記事はなるべく公表していきたいと思います。
なお、慶長以前の記録については市古貞次氏『中世文学年表』をご参照ください。
僕が作成したのは元和以降元禄以前の約100年の年表です。


【追加記事】

寛文4年(1664)6月 『鼠の草子』の譬え

なんぞ一雪と云小新発意、幅紗の作者の影法師、硯屏の楯をつき、筆刀を引さけ、鼠の双紙の事そばへたる草〳〵を出し、貞室の褊(さみ)する事、心有人のうけひくべきか、(蠅打巻三)
*『貞門俳論集』下所収


 * * *

一雪…椋梨一雪。松永貞徳の門人で、後に西武・梅盛に師事。
幅紗…『幅紗物(ふくさもの)』すなわち一雪著『茶杓竹(ちゃしゃくだけ)』のこと。寛文3年(1663)刊。
貞室…安原貞室。名は正章(まさあきら)。一雪は『茶杓竹』において貞室著『正章千句』を難じ、それに対して貞室は門人貞恕(ていじょ)をして応酬しました。それが『蠅打』です。

「一雪という青臭い坊主が筆をもって『鼠の草子』のようにふざけたことどもを持ち出し、貞室をさげすむことは、心ある人が聞きいれるようなことではあるまい」といった趣旨のことを述べています。

『鼠の双紙(鼠の草子)』は人間の女性に恋をした鼠が人間の男に化けて婚礼をしますが、最後には正体がばれてしまうという物語です。
そういう子ども向けの話のように荒唐無稽なことを言っているということでしょうか。

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