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先日の土曜日、愛知県岡崎市に文楽を鑑賞しに行ってきました。
近松門左衛門作といわれる牛若丸と浄瑠璃姫のラブロマンス『源氏十二段』を公演するというので。
そもそも文楽を生で鑑賞するのは初めてのことでしたので、貴重な体験となりました。
今回は古い作品の復曲ということなので、一種、実験的な試みという側面をもったものでした。
上演されたのは『源氏十二段』の一部で、矢矧(やはぎ)の長者の「館の段」と「長生殿(ちょうせいでん)の段」の二段から成っています。
前者は詞章しか残っていなかったので曲は新作。
後者はいつのものだか知りませんが、譜面が残っているとのこと。
前後、全然曲調が違いました。
新たに曲を付けた五世野澤綿糸師によると、後世の文楽とは違い、初期の近松らしさを出すのに苦労したようです。
譜面のない作品をイメージで復元するのは、まったくの新作ではありますが、その時代らしさを出すのは大変だったことでしょう。
新古典主義とちょっと似ているかも知れませんね。
それが出せたからといって、現代人に合うものになるとも限らないから、面白い作品を作るというのとは違うのでしょう。
その意味で商業優先ではなく、学術的な実験という一面があると思います。
さて、このあと浄瑠璃御前の伝承地を少し歩いてみました。
乙川の河原に大きな碑が立っており、このあたりで浄瑠璃姫が入水したと伝えます。
石碑の力は強大で、こういうものを建てることによって、伝承地として確定させてしまうんですね。
本来、漠然と「あのへん」と伝えられていたものが、印を付けることで具体的に「あそこ」と認識されるようになるわけです。
橋を渡って川沿いの成就院(じょうじゅいん)という曹洞宗寺院の墓地に行きました。
すると、新しい墓に囲まれて浄瑠璃姫とその侍女冷泉の墓が並んでおりました。
近現代の普通の墓石の中に中世の伝説上の人物の墓があるというのは、なかなかシュールな光景でした。
侍女の名「冷泉(れいぜい・れんぜい・れいぜん)」というのは浄瑠璃姫の物語の他にも散見されるところで、これまた面白い人物です。
ともあれ、有意義な日帰り旅行となりました。
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2011年10月04日
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