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『虫合戦物語』の中には、前回の記事に掲げたキャラクター以外にもいくつか奇妙なものが出てきます。
その一人が〈まむ外道(げどう)〉なるものです。
名前からして悪役だと分かりますねw
築山の主土蜘蛛が倒され、転生してツツガムシになって現れましたが、そこで酒と称して捕えた虫の血を飲んでいました(まるで酒呑童子みたいです)。
その酒飲み友達がまむ外道です。
この者、八岐(やまた)の大蛇(おろち)の末裔というだけあって、酒好きなんですね。
ある日の夜更けた頃、草村国の御殿の上に黒雲が覆いました。
警戒中の武将俵兵太米虫が空を見上げると、大入道の形がありました(ヌエの印象)。
米虫は、南無や熊野の御神と心中に祈誓して、見事弓矢で射とめました。
蛍の君が近寄って、火をともして御覧になると、その姿が浮かび上がりました。
頭はヘの字
目はマの字
鼻と口はムシの字
耳はヨの字、
体は入道の2字
実に奇妙な正体をしていました。
まとめると、こうです。
強いのか強くないのか分かりません。
物語の中では黒雲とともに登場してラスボスっぽい感じですけど、弓矢1本で射止められてしまいます。
ついでに草村国の虫たちに嘲弄されます。
「虫にはあらねども、ヘマムシといふ唐名(からな)をつけて、虫の仲間に入り、不慮の死を遂げたるよ」
そういって、虫たちにどっと笑われます。
あわれ…。
さて、ヘマムシヨ入道はこのように文字遊びから生まれたキャラクターです。
いうなれば、「へのへのもへじ」の兄弟のようなものです。
近世には「へのへのもへじ」を擬人化したキャラクターは作られたのでしょうか。
マンガの世界では、たとえば高橋留美子作品に顔が「へのへのもへじ」になってる脇役がときどき見られます。
以前紹介した人丸画もこれに類するものといえます。
いずれにしても、文字遊びのキャラクター化として早い時期の珍しい事例ということができるかと思います。
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2011年11月17日
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