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いくとせか 春来て秋にたちかへる なごりしのぶの山のうそひめ 燕 |
妄想語訳 鳥の歌
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君があたり見つつ追ふらん友千鳥 羽はなかけそ 名をば呼ぶとも 千鳥 17世紀の動物物語『鳥の歌合』より 【妄想語訳】 わかるよ。 あいつは先輩のほうを目で追っているんだ。 あっ、近づいていった。 ダメ! 肩を組んで歩くなんて! それは僕だけの特権。 …名前で呼ぶくらいならいいけど。 ほんとはよくないけど…。 で、でもそれ以上はダメなんだからね! 〔妄想的解説〕 千鳥くんは雁くんや燕先輩といつも仲良し。 仲良しなんだけど、最近、ちょっとおかしい。 雁くんの燕先輩を見る目が変わってきている。 千鳥くんもまた燕先輩が好きだから、二人の間の微妙な変化を感じ取っていました。 ―ハッ、そういうえば、こないだの雀邸のパーティで雁くんは先輩から立派な燕尾服をプレゼントされてたっけ(※妄想語訳(1)参照) 先輩の同情を買って籠絡しようとしてるんだ。 恋は盲目。 そんな風に二人の関係を邪推した千鳥くんは疑心暗鬼。 ―親友が恋敵(ライバル)になるとは…。 よし、こうなったら、僕も積極的アプローチだ。 恋は戦争なんだから! かくして千鳥くんは、熟考の末、浜辺に落ちている海藻をどっさり肩にかけて貧乏人を装うことにしました。 燕先輩をそれを見て 「なんだそれ、こなきジジイの真似か?」 ガーン! 「つばめっち、それは違うっさ。海坊主にょろ〜ん」 「お前のそれは、鶴の真似か?」 二人は大したリアクションもみせず、先へ進んでいきます。 千鳥くんはそれを後ろから見つめて立ち止まってます。 ―失敗した。完璧だと思ったのに…。 しかも先輩のこと「ちばめっち」とか言ってる。 それだけならいいけど…。 いやよくない! 僕は「先輩」とした言ってないんだから。 「ちどりょーん、なにしてるっさ。めがっさ、にょろーん」 ―う〜、雁くん。ずるい奴。 千鳥くんは二人に追いつき、二人の手を取り走り出しました。 この歌はその時の様子を詠んだものです。 |
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雪の日はせめて人目の近くとも 同じ軒端に君と住まばや 雀 17世紀の動物物語『鳥の歌合』より 【妄想語訳】 雪の日は人目を気にせず、一緒にいたいのに。 どうしてこういう時に来てくれないの? 〔妄想的解説〕 先日(前回)、ドシャ降りの中、シトド(鵐)くんが向かおうと思って行き着かなかった家というのは、このスズメさんのところでした。 シトドくんはしばしばあのような妨害に遭っていました。 一体、誰の仕業なのでしょう。 雨の夜道に置いてあった魅惑の食事は、後でスタッフが食べたそうですが、はたしてどこのスタッフだったのでしょう。 ところで、この二人はただでさえ秘密の関係なのですから、人目をはばかって夜こっそりと密会するしかできません。 だから逢瀬を重ねる時よりも待つ時のほうがずっと長いんですね。 シトド「スズメさん、どうして、君はスズメさんなんだー」 スズメ「シトドさん、どうして、あなたはシトドさんなの」 とか、はたから見たら恥ずかしい二人ですが、こういうのは二人で意気投合しているわけだから、他人が口をさしはさむものではないのでしょう。 とはいえ、二人は秘密に思っていても、存外、周囲からはバレバレなのが恋に盲目になった男女の仲。 当然これを妬ましく思う輩もいるわけです。 ○○「きーっ! なんですのあの小娘は!」 ●●「なんであんなシトド野郎ばかり…」 などという嫉妬の焔に萌える、いや燃える人々が結束してしまいました。 「人目をはばからずイチャラブするバカップルに発展する前にどうにかしてしまえ!」 かわいそうな二人。どうなってしまうのでしょう。 そうした中、前回の雨の夜道作戦が行われたわけです。 これはうまくいきました。 そして今回―― このところ雪の日が続き、どこもかしこも降り積もっています。 スズメさんは炬燵でまるくなりながら、 「あ〜あ、こんな日は人に見られてもいいから、シトドさんと一緒にいたいな〜、来ないかな〜」 とポツリと独りごちたのでした。 思いが通じたのか、シトドくんはスズメさんの家に出発しました。 雪が積りに積って、道なき道となった恋の細道を一生懸命進んでいます。 「ヤッホー! スズメさーん、いま行くよー!」 雪が積ると針が落ちるほど小さい音でもよく聞こえるものです。 雪をかき分けかき分け恋人に会いに行くスズメさんのテンションはいや増しに増しています。 人に聞かれても仕方ないですね。 すぐさま「シトド、スズメに接近中」という情報が同盟幹部に伝えられ、実力行使を開始しました。 彼らは人海戦術で大きな雪の玉を作り、恋の細道を転がしました。 みるみる大きくなっていきます。 そうとも知らず進んでいるシトドくんは驚いたのなんの! 「ぎゃー! 僕は探検家じゃないよー!」 などと叫びながら、来た道を逆送するハメに…。 「インディー!」 さらに ○○「あんな大声出したら、雪崩になってもしょーがないわね。おやり!」 の一言で、左右から雪の波が迫ってきます。 絶体絶命です。 しかしそこは限度を知っている人々ですので、命に別条はありません。 ですが、シトドくんは雪の玉から頭だけ出して、雪だるまになってしまいました。 またしてもシトドくんはスズメさんに逢うことができずに終わってしまいました。 この歌は、そうとも知らずにシトドくんを想って詠んだものです。 |
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雨にしとど 濡れてもはまじ あはできびの 悪さに迷ふ しのぶ細道 鵐(シトド) |
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朝夕に ちんちんからり からからと 笑ふやうにて 鳴きかはすかな 四十雀(シジュウカラ) |



