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原宿の太田記念美術館が浮世絵研究の紀要を始めました。
浮世絵専門の美術館であり、毎度展示のクオリティの高さに定評があります。
奈良漬個人としては、昔、学芸員の筆記試験を通過したものの、面接で落とされた苦い思い出が…。
と、気を取り直してw
本誌は内容も分量も充実した読み応えのある学術誌です。
内容は次の通り。
・宮川長春と菱川派―長春前期の画業をめぐって―
・勝川春章の初期相撲絵における写貌表現の研究
・『頼光山入』考―奥村政信と古浄瑠璃正本をめぐって―
・江戸の扇にみる折りの造形―鴻池コレクション調査より―
・歌川芳艶研究―国芳門弟の伝記と画業―
・寛政後期から享和期における初代豊国の役者絵―二人立役者絵の板行に注目して―
美術史の論文集だけあって、画像資料が充実しています。
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国文系の本(学術)
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継続は力なり。
創刊号から購読している『日本語と辞書』が、もう16冊になりました。
頭が下がります。
国語資料の翻刻、索引、論考と、これだけ資料性の高い学術誌を出し続けるのは脱帽ものです。
今回は次のような内容となっています。
・古辞書の陥穽 其一 「みかばち」と「じがばち」
・中世古記録に見える漢字の特殊用語 ―其二 訓通―
・中世における「むぎ」を後部要素に持つ語について
・東勝寺鼠物語自立語索引
・村口本下学集漢字索引
以上、266ページ。
「みかばち」と「じがばち」との関係についての論考はジガバチ(似我蜂)の語釈に有益な博物学的な考証となっています。
続く訓通については「与/能」「斎/時」「鬨/時」「毘/火」の慣用的な使用法について『経覚私要鈔』や『山科家礼記』などの室町期の古記録の事例を用いて考証しています。
「〜むぎ」は食物史的に有用な考察です。
今回はどれも面白い論考です。
■発行 古辞書研究会 平成23年5月1日
***異類の会***
ヌエの変貌
***メディアコンテンツ研究会***
コミティア96終了
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毎号読んでおりますが、最新号は通常の2倍の厚みがあります。
分量もさることながら、中身も充実しています。
【怪談特集】
・前言 怪談の時代―「蛇のわけ」のわけ―
・江戸怪談の思想と表現―因果・因縁を語るということ
・資料 予言する妖怪
・『近代東怪談』―翻刻と解題―
・翻刻『野史種百章 怪談破几帳』
・黄表紙『節季夜行』翻刻と注釈
・雪旦謝礼(三) (附)岡山鳥と小山田与清と
・安政期の佐々木弘綱関係和歌資料
・無題説話絵巻の紹介―南方熊楠顕彰館所蔵『絵巻断簡』影印と翻刻―
・黄表紙『気散夢物語』翻刻と注釈
・草双紙の方法―擬人法を中心に―
・近世心中物のなかの『今宮の心中』
『近代東怪談』『怪談破几帳』『節季夜行』『絵巻断簡』『気散夢物語』と翻刻資料が充実しており、資料として有用です。
このうち、南方熊楠顕彰館の絵巻は僕が寄稿したものです。
去年暮、和歌山県田辺市の当館に閲覧にいったとき、偶目したもので、ユニークな内容にこれはいいと思って即紹介させてもらったものです。
時間がなかったので、たいした解説も付けずに載せてしまいました。
全140ページ。
巻頭カラーで四方山人作の黄表紙『源平総勘定』(『平家物語』のパロディ)の表紙、序文を掲載。
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今年からお世話になっている機関の刊行物です。
この大学は歴史が古いだけあって、古典籍をはじめとする学術資料が充実しています。
そうしたものを調査研究して公開する活動の一環として刊行しているようです。
第3号がつい最近出ましたので、紹介しておきます。
目次は以下の通り。
・國學院大學図書館所蔵『呉越絵』の解題と翻刻
〈研究論文〉
・大阪府皇典講究分所から財団法人大阪國學院へ
・宮西惟助の『日本制度通』講義 ――河野省三の講義筆記ノートを通じて――
・近世前期の富士村山修験と野論争論
〈資料紹介〉
・國學院大學図書館所蔵「森田清太郎旧蔵醍醐寺地蔵院等文書」
〈資料翻刻〉
・國學院大學図書館蔵伝楠木正虎筆『金葉和歌集』の解題と翻刻
・伝慈円『千五百番歌合』恋二零本について
・「八代国治旧蔵史料」について ――中世文書を中心に――
『呉越絵』は呉越同舟の故事で知られる呉と越との戦いに基づく中国ネタの物語絵巻。
本誌ではカラー口絵として絵の部分がすべて掲載されています。
八代国治は『長慶天皇御即位の研究』の著者。
本誌で紹介されている中世文書(東大寺文書や太田道灌、織田信長、豊臣秀吉の書状など)のほかに、国学者や水戸藩関係資料も充実しているらしいです。
自筆懐紙の類もあるというから、具体的にどういうものがあるのか知りたいものです。
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近世初期文芸研究の専門家が、より広い領域でまとめた論考・資料の雑誌です。
新刊が先日出ましたので、ここに紹介しておきます。
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・謾考 徳元短冊の補遺
・痢病尊神と二宮尊徳
・江戸時代雑感―その②「水戸生瀬の乱」
・いわゆる大阪屋花鳥のことなど
・『源氏物語』鑑賞(その四)
・『紫式部日記』鑑賞(その二)
・『異本翁草』(京都大学附属図書館蔵)翻刻
・鈴木重嶺(翠園)関係資料紹介(8)
・野間道場あれこれ(その二)
・『旗本夫人が見た江戸のたそがれ―井関隆子日記―』
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徳元は斎藤徳元という江戸初期の俳人。
この人の短冊を紹介、考証。
『異本 翁草』は全200巻の大部な随筆で、そのうち、巻59〜69を収録。
なかなか面白い内容です。
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