穴あき日記〜奈良漬のブログ

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絵巻・絵本

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六本木のサントリー美術館で「おもてなしの美」という企画展が開催されています。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol07/index.html
豊富な所蔵品を宴のしつらいをテーマに展示したものです。
茶道具や屏風など、<おもてなし>に利用されたものはいうまでもなく、饗宴の様子が描かれる屏風絵、絵巻、錦絵など絵画資料なども紹介されております。
膳の配し方、調度品の置き方、床の間の飾り方などなどよくわかります。

面白い資料は沢山ありましたが、中でも左義長羽子板を目にできたことがよかったですね。
桃山〜江戸初期の古い羽子板がよく知られたものですが、19世紀に下っても同様のものが作られていたことを知っただけでも収穫でした。
絵柄はほぼ同じで天地に型押しした金箔の源氏雲が押されているのも同じ。
形式が決まっていたみたいですね。
同様な絵柄の玩具として、貝覆いの貝桶も出品される予定ですが、展示期間が違って見られなかったのが残念。
同じく室町期の『住吉物語絵巻』が見れなかったのも残念無念!

初めて見て面白かったのは江戸前期の『歌舞遊宴図屏風』で、左隻が遊女で右隻が若衆というもの。
若衆がどういう装束や髪型をして、客との遊興がどういうものかが詳しくわかる絵です。

古い絵画資料によく出てくる朱漆塗の折敷(おしき)や椀の類も実見できます。

物語絵では次のものなどが見られます。
『源氏物語画帖』(住吉如慶筆)
*本文は抄出。「初音」「胡蝶」の場面が展示されてます。
「初音」は正月の読み初めの対象となったものだからでしょう。
『酒顛童子絵巻』
*酒顛童子が頼光四天王と酒宴をしている場面が開いています。
『藤袋草子絵巻』
*猿から娘を取り戻した猟師がみなで宴を開いている巻末の大団円の様子が開いてます。
『善教房絵巻』
*宴の場面。
女性(侍女)の酒飲みの描写が面白いです。
『おようの尼絵巻』
およう(御用)の尼が僧のもとに来て縁側で対応している場面です。
『雀の小藤太絵巻』
剃髪の場面です。

名品揃いで一見の価値ありです。
志野焼も味のあるものがいろいろ出てました。

日本橋の丸善で開催されている奈良絵本展については、先日取り上げました。
http://blogs.yahoo.co.jp/warszawa11045/7657956.html

今日、再び見に行きました。
先週の土曜日、「展示解説」の小冊子ができたとのこと。
しかし印刷部数が少なく、僕のあと、2、3人目で品切れとなっていました。
ギリギリ間に合った感じです(;^_^A

主催者兼所蔵者の石川透先生がいらしていて、ちょうど慶応の学生10数名を前に展示資料のレクチャーしておりました。
僕も図々しくも後ろに立って拝聴させていただきました。
『長恨歌』の日本での受容についてや、『源氏物語』の奈良絵本の特殊性についてや、同筆の絵と本文をもつ作品についてなど、いろいろ興味深いお話でした。

驚いたことには、展示品の写真撮影を許可してくださったこと!
あいにくデジカメを持っていなかったので、ケータイで撮らせてもらいました。
実にありがたいことでした。

ちなみに、前の記事に挙げた展示資料リストですが、正式な「展示解説」が出たので用済みかとも思いましたが、上にも書いたとおり、すでに入手不可能となっていますので、それなりに記録をとどめておく価値があるかと思います。
で、その中で11、12の2点は「メモ忘れ」と書きました。
ここに補っておきます。

 11 物くさ太郎 横1冊
 12 伊吹童子 小絵5軸

『物くさ太郎』は古い奈良絵本として知られる大阪女子大学本と面影が似ていて、魅力的な作風です。
『伊吹童子』は小絵(こえ)ですが、制作時期は江戸前期。
横型奈良絵本を絵巻に仕立てたようなものになっています。
「解説」によると、元奈良絵本とあるので、奈良絵本をばらして仕立て直したもののようです。
ともあれ、この時期の絵巻で天地15センチ前後のものは珍しいので、一見の価値ありです。

なお、この展示会は2日、つまり明日(いやもう今日か)までです。
古典文学や絵本に関心のある方は、雪にも負けず、ぜひとも御覧になるといいでしょう。

室町時代後期から江戸時代中期にかけて作られた肉筆絵本である奈良絵本。
その展示会が日本橋の丸善で開催中です。
昨日から始まり、2月2日(火)に終える短期間の展示です。
いずれも個人所蔵のものなので、この機会を逸すると、いつ見られるかどうか。
そういうわけで、今日、見に行きました。
展示資料は全50点。
展示作品のリストは置いてなかったので、参考までに下に挙げておきます。
(助数詞「枚」は断簡の枚数を意味します)

1、花鳥風月 横型1冊
2、四十二の物あらそひ 2枚
3、八島 1枚
4、大職冠 2枚
5、鼠の草子 絵巻断簡1枚
6、しづか 横型1冊
7、にんらん国 横1冊
8、文正草子 横1冊
9、毘沙門の本地 横2枚
10、岩屋の草子 1枚(非奈良絵)
11、メモ忘れorz
12、メモ忘れorz
13、判官都話 横1冊
14、一寸法師 横2枚
15、鶏鼠物語絵巻
16、北野天神縁起 横大断簡
17、義経地獄破り 絵巻挿絵断簡2枚
18、天狗物語 改装
19、大仏の御縁起 絵巻挿絵断簡1枚
20、小町草紙 2帖
21、義経記 2枚
22、徒然草 2枚
23、百人一首 2冊
24、平家物語 見開き2枚(大原御幸)
25、笠置 横2枚(色紙風)
26、梵天国 横2枚
27、浦島太郎 横1冊
28、高砂 横2枚
29、伏見常盤 横2枚
30、さざれ石 横1冊
31、磯崎 横1冊
32、猿源氏草紙 横1冊
33、若草物語 横1冊
34、蛤の草紙 横2冊
35、烏帽子折 横3冊
36、玉水 横2冊
37、住吉物語 横2枚
38、竹取物語 横2枚
39、狭衣の草子 横2枚
40、長恨歌 1帖
41、ささやき竹 3枚
42、常盤問答 5枚
43、笛の巻 5枚
44、宇津保物語 2枚
45、源氏物語 2枚
46、伊勢物語 1帖
47、鉢かづき 1帖(表紙欠)
48、笠間長者鶴亀物語 1帖(表紙欠)
49、酒顛童子 1帖
50、道成寺物語 折本1帖(非奈良絵)

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JRの駅では、北海道から沖縄まで各地の名産を売る物産店が出ていますね。
鹿児島の店も時折見ることがありますが、上野駅あたりでは、常時でしょうか、しばしば見かけます。
で、その中に、かるかんやボンタンアメとともに、兵六餅(ひょうろくもち)という菓子が並んでいます。
ボンタンアメと同様、鹿児島のセイカ食品が作っているものです。
僕はこれが好きですが、兵六って誰と思う人が多いはず。

これは近世の鹿児島の物語作品毛利正直という人が著した『大石兵六夢物語』の主人公の名前です。
兵六が、人を化かして坊主にしてしまう化け狐をひっ捕らえようとする内容です。
一方の狐は様々な妖怪に変化して兵六をさんざんに怖がらせます。
『夢物語』に先んじて絵巻物も作られていました。
いくつか伝本がありますが、中でも国立歴史民俗博物館所蔵の『兵六物語』と題する絵巻物が優品で、以前、機会があってじっくり見せてもらったことがあります。

絵巻は横に広く描けるから、妖怪たちがダイナミックに表現されていて、妖怪物は絵巻に限るなあと思ったりするわけです。
そういえば『付喪神記』『百鬼夜行』『稲生物怪録』なども多くは絵巻で伝わってますね。
ある意味、絵巻という書型の有効な使い方を示しているかもしれません。

兵六は目的地にちゃんといったことを示すため、大幣を立て置きます。
これは仲間との賭け事になっているのですが、一方では肝試しの趣向でもありますね。

狐たちはいろいろは悪知恵をめぐらして兵六をだまします。
前半は妖怪(ぬらりひょん、ぬっぺっぽう、てれめんちっぺいなどなど)に化け、さんざんに脅します。
ついで父親に化けます。
父兵部左衛門(ひょうぶさえもん)は持っている黄粉でまぶした団子を兵六に食べさせます。
実は父は狐が化けた姿であり、食べさせた団子は馬糞でした。
この趣向は各地で聞かれる狐に化かされた話(昔話にもなってます)を取り入れているようです。
そのあと、さらに人に化けたたくさんの狐たちの策にはまって、結局坊主にされてしまいます。

兵六は英雄ではありませんが、豪胆な武士で、しかしまんまと狐にしてやられる、ユニークなキャラクターといえます。
妖怪退治の物語の主人公は古来英雄と決まってますが、それをパロディ化したような設定が非常に面白く、珠玉の近世地方文学の所産だと思います。

江戸城の茶会と絵巻物

お伽草子(室町時代の物語/中世風の江戸前期の物語)の江戸時代における受容の年表を作ってます。
かつて故市古貞次氏が「中世小説年表」という画期的な編纂史料を作成しました(『中世文学年表』岩波書店収録)。
これに感動して、「市古氏が慶長19年(1614)までやったから、それから100年を自分で作ってみるかー」という安易な動機で始めたものですw
まあ、その後の100年ってもはや〈中世文学〉の領分じゃないから、むしろ「仮名草子年表」をつくるほうが需要はあるし、いろいろな人に寄与できるのだろうとは思いますけどね。
しかしそういう〈近世〉の前時代として〈中世〉を捉えるのではなく、近世文学と並行して読まれ、出版され、書写されつづけた遺産としてお伽草子を押さえておくことは無駄ではないだろうなあと思ったりするわけです。

それはそうと、今度ちょっとしたところにこの資料を載せる予定です。
今、最終稿が手もとにあります。
で、それをチェックしていたら、なんと出典ミスが___○ノシ
痛すぎるZE!!!

江戸城での茶会に『酒呑童子』の屏風や同絵巻や『土蜘蛛』絵巻などが飾られたという記録があります。
これ、幕府や幕臣の記録ではなく、紀州の藩士の記録に載っているのです。
しかし、年表作成過程で、江戸城内の記録だから幕府や幕臣の記録であって、紀州藩の記録というのは誤りだろうというバカげた思いこみをしてしまい、『改正甘露叢』の記事として出典を書き換えてしまったんですね。
最終稿の段階で改めて確認して『甘露叢』にないじゃないか!!!
と驚愕し、ここ数日、改めていろいろと記録を読みなおしていました。
結局、捨てずに残っていた年表の最初の原稿にあった通り、紀州の記録に出てきました。
なんとバカなことをしたかと呆れましたよ、ホント(-o-;)
もし見つからなかったら削除する覚悟でしたが、それが回避できたのはよかった…。

二度とこんなアホなミスをしないためにも記事に残しておきます。
東照神君の三方ヶ原の敗戦後の肖像画のごとくwww

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