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国税課税のホットな話題の一つに、いわゆる「来料加工」をタックスヘイブン対策税制の課税対象とするかどうかというものがあります。この話題の概略については、さしあたり下記の記事をご覧ください。
http://www.kpmg.or.jp/resources/newsletter/tax/200510/03.html
著名な事案では、大阪のF電機が国税当局と争っているものがあります。今現在審査請求の段階で、おそらく裁判に持ち込まれると想定されます。
http://www.funai.jp/pressrelease/2006/topic_060725.html
国税当局のスタンスとして、課税ベースの流出には断固とした態度で臨むということなのでしょう。しかし、来料加工の実態が、独立した法人間の契約に基づいて行われているのであれば、租税回避行為としてタックスヘイブン対策税制の射程に入れるのは、行き過ぎた課税ではないだろうかという疑念が拭い難いところです。
この点については、国際租税の専門家がこれまでに何度も論じているところであり、また、最近読んだ論文でも、「いわゆる来料加工契約の場合に、・・・タックスヘイブン対策税制を適用することは、タックスヘイブン対策税制の立法された政策目的の射程範囲外であり、許されないと解すべきであろう。」としています(中里実「政策税制の政策目的に沿った限定解釈」税研129号79頁)。
いずれにせよ、これは裁判で決着をつける問題でしょう。裁判コストは重いのですが、幸いF電機は大企業なので、負担には特に問題ないでしょう。当該裁判が今後の「判例」として生かされるためには、きちんとした論点整理に基づき争うことにより、裁判所から法令解釈を明示してもらうことが肝要だと思われます。
この手の裁判に専門家の鑑定書は必須と思われますが、上記論文の論調をみるに、中里先生が適任かもしれませんね(すでにF電機は依頼済みなのかもしれません!?)。
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