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今日も仕事です。遅まきながら今評判の「99才の詩人・柴田トヨさんの処女詩集通勤電車の中で読みました。30分もあれば読めます。読み終えて朝から気分がいいです。
詩集というと抽象的で分かりづらいものが多いですが、この詩集は平易で分かりやすいです。しかし表現されていることはなかなかの感性豊かです。明治、大正、昭和、平成と1世紀近くを生き抜き、貧困、離婚、戦争‥‥若いときからの苦労があったらかこそその感性が生きてきたのでしょう。「朝は必ずやってくる」というのがトヨさんの信念です。苦労してきたからこそいえる言葉です。政治や社会の動きにも敏感です。
詩の中に「陽射し」や「風」、「雲」が出てきます。それは「そよ風」であったり、「頬をなでる風」や「風の囁き」であったりします。その陽射しや風とトヨさんは会話をします。
私も山に入って木や風、陽射しと会話ができるようになりたいものです。
気に入った詩を一つ紹介します。「貯金」という詩です。
私ね 人から
やさしさを貰ったら
心に貯金しておくの
さびしくなった時は
それを引き出して
元気になる
あなたも 今から
積んでおきなさい
年金より
いいわよ
しっかり「年金より いいわよ」と社会風刺も入っています。
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職場で昼食を食べていたら、同僚が「ワシより早く食べ出したのにまだ食べているのか」といわれました。私の知人に「いつも母親から折角つくった食事をもう食べてしまったのかと嘆かれた」という早飯食いがいますが、私はそんな人種とは無縁です。私は食欲がないというわけではありませんが、元々食事のペースが遅い質です。 最近「ピンピンコロリ 7つの秘訣」(笠原浩、大月書店)という本を読みました。間もなく「前期高齢者」の仲間入りをするのでこんな本に関心が出てきました。ゆっくり食べるということは、結果としてよくかんで食べていることになります。よくかむことは次のような効能があるようです。よくかんで元気で末永く山歩きとスキーを楽しみたいものです。 「よく噛むことで、あごの周囲の筋肉が頻繁に動かされると、頻の内部にある耳下腺や下顎骨周囲の顎下線と舌下腺などが刺激されて、『唾液』がどんどん分泌されてきます。唾液は口のなかをうるおして食物を飲み込みやすくするとともに、舌や口唇の動きを滑らかにしてくれますし、成分のβアミラーゼなどの酵素によって、でんぷんの分解など消化の第一歩も始まります。また、リブチームや免疫グロプリンの屈などの殺菌・抗菌物質も含まれていて、口や消化器の健康を守る大切な役割を担ってもいます。唾液が十分に出ていないと、口のなかが荒れて口内炎になりやすくなるばかりか、むし歯や歯周病も悪化することが多いのはこのためです。有害な活性酸素を消去する力を持ったカタラーゼ、SOD、ベルオキターゼなどの酵素もあり、これらはかび毒のアフラトキシン、肉や魚の焼け焦げ、煙草の煙に含まれるベンツビレンといった口に入る可能性のある発ガン物質の作用を抑制することも知られています」
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著者はベトナム戦争時米軍に従軍してベトナム戦争を戦場から伝えた報道カメラマンです。私が若いころ、石川文洋といえばすでに著名なジャーナリストでした。著者は報道カメラマンという職業ジャンルを確立した人といっていいでしょう。私は写真を撮るのが好きです。写真には言葉や活字で伝えられない魅力があります。書名に引かれて書店で手にしました。 本書の構成は四国遍路の旅紀行や、心筋梗塞を患った闘病記、作家灰谷健次郎との交流記、そして心筋梗塞の患いから回復後、再開した遍路の巡礼紀行、ピースポート旅行記、ベトナム再訪紀行などですが、私はいづれやろうと思っている四国遍路に関心があります。ちょっと期待していた写真の技術的なことはいっさい書かれていません。 著者は2005年秋から四国遍路の旅に出ました。四国遍路といっても団体でバスや車で回る人が多い今日、著者は公共交通は使いますがほとんど歩いての遍路です。信仰心が薄いという著者がなぜ歩きの四国遍路の旅に出たのか、その動機が興味津々です。 一つは俗っぽいですが減量目的です。もう一つは、2005年がベトナム戦争終結30周年にあたったので、ベトナム、カンボジア取材中に犠牲となった日本人15名を含め、欧米人、アジア人など約150名のジャーナリストと約200万のベトナム民間人、それに戦死した135万のベトナム兵、5万8200のアメリカ兵の慰霊です。 最近高齢者だけでなく若い人にも四国遍路をやる人が増えているそうです。朝ドラの「ウェルカメ」は遍路宿で育った女性が主人公のドラマでしたが、ドラマが放映されたのは遍路ブームの影響があったのでしょうか。著者は道連れになった人から遍路の動機を聞きます。福島県からきて歩いている若い女性の場合は「気持ちをリセットさせたいから」だそうです。なぜリセットが必要かは遠慮して聞かなかったとのこと。 遍路宿で一緒になった八八ヶ所を回るという若い女性に「その日数と費用があれば外国旅行もできると思うがどうして遍路旅なのか」と聞き出すと、「沖縄の島巡りも考えて見たが、何かシンドイことをしたかった」とのこと。著者は「何故、シンドイことをしたくなったかまで聞かなかったが、分りやすい言葉だと思った。理由は個々に違っても『シンドイことをしたい』と歩き遍路をしている人は多いと思う」といっています。 7名〜10名ぐらいでライトバンタクシーで回っているグループや、自家用車で回る人、団体の場合は、添乗員の一人が納経帳を持って先行し記帳してもらっている様子を何度か見かけたといっています。ライトバンタクシータクシーは、運転手が納経帳に届けていたとのこと。自家用車で着くと、まず納経をして礼拝はそこそこに次の寺へ急ぐという光景も何度か見たと言います。納経帳の記帳が目的のような感じを受けたといいます。 同じ遍路といっても様々な形態や動機があっていいでしょう。日本百名山巡りもいかに短日時でやるかということが話題になっています。しかしスピード登山をやって何がおもしろいかと言いたい。山は一山一山味わいながら登りたいものです。四国遍路もできれば著者のように歩きの遍路をやりたいものです。
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同じ著者による「昭和史 戦後編」に続き550ページもの大著を読みました。芥川龍之介の中国旅行記や永井荷風の日記、石川達三や大岡昇平のルポルタージュなど同時代を生きた人の証言が随所にあってリアリティに富んだ読みやすいものですが、これだけの大著となると読み終えて「フー」という感じです。私は歴史物ならどの時代にも関心がありますが、終戦の1945年生まれですから物心が付いた頃や両親が若かった頃の近代史にも大いに関心があります。 昭和前半の歴史は戦争の歴史ともいっていいぐらいです。張作霖爆破事件、満州事変(柳条湖事件)、廬溝橋事件、南京事件、ノモンハン事件、太平洋戦争開戦とよくぞこれほど戦争を続けられたなという印象です。明治の日清・日露戦争に勝って「不敗神話」が軍部にも国民の中にも醸成されて北方へ、中国大陸へ、南方へと侵略の道を突き進んでいったのだと思います。一連の戦争で310万人もの国民が死にました。もちろんこの数字には中国やアジアの人々、アメリカなどは含まれていません。 しかし太平洋戦争の開戦を想定して昭和の初期から「事変」→戦争を繰り返したきたのではありません。何度も戦争の拡大を食い止める契機はあったし、冷静に考えれば彼我の軍事力に力の差が明白にあり、太平洋戦争の開戦などはありえないことでした。それがずるずると戦争拡大の道に進んだのは、好戦的な軍部が独走したというだけでなく、時の政府も天皇も無責任だったのです。責任を取る、決断ということがありませんでした。 軍部の中に「不敗神話」からおごりが生まれるのは必然ですが、それをチエックするのは国民であり、マスコミのはずです。ところが当時のマスコミがそれをあおったのです。著者が「昭和がダメになったのは、この瞬間だった」という満州事変は、日本の陸軍側が仕掛けた柳条湖事件がきっかけでしたが、「東京朝日」の号外は「奉天軍(中国軍)の計画的行動」と軍の発表をそのまま特派員の至急報を伝えます。新聞は軍部の動きを全面的にバックアップしていき、国民はそれらに煽られて瞬く間に好戦的な熱狂になっていきました。 著者はむすびの章で「国民的狂奔をつくってはいけない。その国民的熱狂に流されてしまってはいけない。ひとことで言えば、時の勢いに駆り立てられてはならないということです。熱狂というのは理性的なものではなく、感情的な産物ですが、昭和史全体をみてきますと、なんと日本人は熱狂したことか。マスコミに煽られ、いったん燃え上がってしまうと熱狂そのものが権威をもちはじめ、不動のもののように人びとを引っ張ってゆき、流してきました」と述べています。 いつぞやの総選挙で「小泉劇場」に踊らされ「小泉旋風」の熱狂が吹き荒れました。それが今では「『純ちゃん』と叫んだ私が馬鹿だった」という川柳に詠まれているほどです。「歴史は繰り返す」といいます。日本経済の行き詰まりは国際的に異常です。「自民か民主か」の二大政党の中だけでは打開の方向は見えてきません。マスコミの「二大政党」キャンペーンに踊らされないように心しなければなりません。
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親しくしている大学の後輩が神経症と鬱で入院しました。脅迫性の妄想を口走ります。メンタルヘルス障害の病気が増えていると聞いていましたが、こんなに身近なところで発症するとは思いもよらないことでした。 入院してしばらくして主治医の説明を受けました。発症は離婚と仕事が引き金になっているようです。離婚を平静に装っていても本人にとって恥ずかしいことだという強いストレスが働いているというのです。いずれにしてもこの病気のことを理解しなければと主治医が書いた表題の本を読みました。 病名はともかくなぜ妄想を口走るのかが不思議です。彼はたびたび「人につけられている」とか「自分の部屋の中に人が入った形跡がある」とか「電話が盗聴されている」とかまじめに口走ります。 著者は心には波があり、極度に落ち込んだ状態が鬱であり、統合失調症とは「自分が考えていることを正しく自分の頭の中にあることと感じとれず、外的な事実と誤って感じてしまう病気、つまり自分の思考の一部を自分のものだと統合することが困難になっている」と説明しています。 「以前は『精神分裂症』という直訳語の病名でしたが」、イメージが悪いということで『分裂している』という表現を『統合に失敗している』という訳語に病名を変えました」とのことです。 後輩の場合統合失調症という診断はつかないのですが、なぜ強迫的な妄想を口走るのかがわかります。これまで鬱や統合失調症の本を何冊か読みましたが、この説明がもっとも分かりやすいと思います。 著者は「しっかりした頑張り屋さんという性格は、発病に至る時にはマイナスに作用することが多いものです。何事も適当にやれる能力の高い人はなかなか発病には至らないはずです」と。私には「高い能力」はありませんが、「何事も適当にやれる」能力はあります。こういう病気には無縁のようです。
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根張りは、時代を感じますね。
リハビリ登山出来るまでに回復し、嬉しいです。(私事)
根気!大切と、実感です。



