「はじけろ煎茶道」

「愛と勇気の煎茶」を目指す松月流家元渡辺宗敬のblogです。煎茶の心は、和のこころ。超保守的解釈で煎茶道を志して居ります。

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《一煎一話集》竹有上下節

松無古今色…まつにここんのいろなし
竹有上下節…たけにじょうげのふしあり
 
 
 この言葉は、よく別々に揮毫されますが、対の句となって居ります。松は「松樹千年の翠」と言われるように、そのみどりを古今に変わりなく一様に保ち続けます。竹は上下の節があり何時でもはっきり区別があります。禅の解釈では、この二つの相対する句によって、正しい平等と不平等が表されるとされています。

 一つには、大自然の前、神仏の前に於いては如何なる人間も動物も植物も生きとし生けるもの全てが平等であります。しかし、ひとたび神仏の手を離れた瞬間、そこには節度を持った関係が要求される事になります。

 親子の関係であれば、親は子を守り、子は親を慕う事によって絆が生まれます。日本の古来からの伝統に鑑みますと「尊敬」と「謙譲」のこの二つによって人間関係は成り立っているのですが、ここを忘れて自分勝手に生きてしまっている人が増えました。出来る事ならば、分相応・身分を弁えた暮らしと言うものを取り戻していきたいものだと願って居ります。

 さて、我々煎茶人にとっての「竹」とは、どんな意味を成すのでしょうか?どこまでも真っ直ぐに天にも届きそうな勢いの良さ、風に吹かれてそよぐその姿の心地良さ、そしてどんな風にも負けない柔軟さ、力強さ、これら総てが私達を魅了して止みません。そして、これらは須らく竹に上下の節が有るからこそであり、その枝葉を支える為に縦横無尽に張り巡らされた根っ子があるからに相違ありません。これは、人間に置き換えても同じ事が言えます。祖先から受け継いだ歴史と伝統と言う根っ子があり、人生に於いては節目があり、それを受け入れ、乗り越えてこそ、真の強さと喜びが生まれるものだと信じて居ります。

 日本には、素晴らしい自然と四季があります。「春夏秋冬」の季節の移り変わりも一つの節目でしょう。歴史に培われた五節句と呼ばれる行事も大切な節目です。入学に卒業、更に出会いも勿論新しい節目となります。結婚・出産、誕生日や記念日も大切に過ごして参りたいものです。これら様々な人生の節目に、一煎のお茶が新しい輝きをもたらしてくれる事を強く願うものです。

 竹林に思いをよせる時、風の囁きと笹の葉の擦れ合う声に大自然と一体となって暮らして来た古えの文人の気持ちに帰ってみて下さい。そして、大いなる宇宙と心を繋げてみたいものです。一煎のお茶で、心に清らかな風が吹きます様に…。
 
                                       煎茶道松月流 家元 渡辺宗敬
 


 
下手な字を書き生活の糧とさせて頂いて居ります。その中に、私自身の思いを込めたメッセージを入れさせて貰ってます。その時々の思いなので、自分自身の成長と共に内容も変わる事もありますが、その心はいつも一つです。そして、時々読み返す事もあるのですが、中々に立派な事を書いている割に成長しない自分に反省致すものです。恥の上塗りの様な人生ですが、謙虚に受け止め、自らの信じる道を進みたく願うものです。
 
しかし、この頃、改めて思いますのは、同じ言葉であっても受け取り方によっては、全くの別のものに為ると言う事です。文中にもあります「平等」と言う言葉ですが、これは本来日本人ならば誰しもが持ち得た素晴らしい伝統なんですが、西欧風のインチキな垢に塗れてトンデモナイ解釈がまかり通る世の中と為りました。
 
人間とは、そもそも自由でも無ければ平等でも無いのですが、だからこそお互いがお互いを思いやって、それぞれが分相応に感謝して暮らしてきたのが、日本人の英知でした。ところがルソーやマルクスが言うところの哲学によって、「恨み・辛み・妬み」と言った歪んだ精神が、これら大切な言葉を汚らわしく上書きしてしまいました。
 
残念ながら、これが明治以降行われた欧米化の一番の弊害だと思っています。お茶の世界には、「茶席の上での平等」と言う言葉があるのですが、これは立場の違いがあるからこそ成り立つ文化であり、立場の差を乗り越えてこそ成立する素晴らしい伝統だと信じるものです。今時の味噌も糞も一緒の平等とは、質が違います。
 
敢えて言わせて貰えるのなら、日本人には尊敬と謙譲で結ばれた、平等よりももっと素晴らしい伝統があります。これが、「和の心」に導かれた真実の人間の関係です。更に日本には、「ナガサキ」と言う言葉があります。「ナ」とは「アナタのナ」です。私よりも、あなたが先と思えた時、人生に光が差します。
 
お茶の世界は、先輩・後輩の上下関係も煩く、完全なる縦社会です。私自身、長い間「茶席の平等」について悩んできました。けれど、威張らず驕らずに、相手が一歩引けば、自分はもう一歩引き、どこまで行っても、相手よりも上に行かないと言うのが、古来からの日本人の英知みたいです。尊敬と謙譲、感謝の心と思いやりの心で結ばれる仲間を増やしていきたいものですね!!人間なんて、結局は理屈じゃなく「こころ」です。
 
では、下がるばかりで良いのか?こちらが頭を下げているのに、それを踏みつけてくる無法者には正しい対処が求められます。話して分かる相手には、上手に諭して上げるのも正しい関係を維持する為には必要です。ただし、話しても分からない連中には、時に鉄拳もやむなしかも知れません。「馬鹿に、馬鹿と言える日本人に為りたい」ものです。「お前こそ…」と言われそうですので、今日はこの辺りにて失礼致します(笑)。
 
今日の出逢いに感謝です。嘘の平等に「NO!」を突き尽きてやりましょう(^^)v  …by so-kei♪
 

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