くにしおもほゆ

羅針盤を見誤ることなかれ

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能には幽霊が出てくる演目がとても多いです。
幽霊といっても“ひゅーどろどろ〜” のお化けのイメージではありません。あれは江戸時代に丸山応挙が描いた絵の影響がとても大きいと言われています。
 
能ではこれとは全く別のイメージで、いろんな幽霊が登場します。
花の精であったり、平家の武将の霊(前回の「船弁慶」 には平知盛の幽霊)であったり、動物の邪悪な霊であったり、 様々です。
能の前半は、旅の僧などが不思議な体験をする・・ という設定。
実はその正体は〜の霊であった・・というのが後半のあらすじが多いです。
余りにも幽霊の出る能が多いので、能は「幽霊劇」 だという見方もできるわけです。
 
能舞台を正面から向かって見ると、左側に橋掛かり(はしがかり) という廊下のような部分があります。
後世には、この橋掛かりが花道になったと言われています。
前回(5/21)の「船弁慶」の動画をもう一度思い出してください。
平知盛の幽霊は幕が開いて橋掛かりをやってきます。( つまりあの世からやって来ます)
そして弁慶の唱えるお経の力に負けて、 橋掛かりを通って幕の中に消えます。(つまりあの世に戻ります)
橋掛かりはあの世とこの世を結ぶ橋なのです。
<舞台の図>
イメージ 1
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
能「安達原」(あだちがはら)(観世流での演目名で他派では「 黒塚」(くろづか))
 
あらすじ
陸奥を旅する山伏一行が、 日暮れで一軒だけあったあばら家を訪ね、 泊めてもらうことになりました。
そこに住む女は、辛い浮き世の業から離れられない我が身を嘆き、 儚い世をしみじみ語ります。夜も更け、 女は夜寒をしのぐために薪を取りに行くと告げ、 留守中に決して自分の寝室を覗かないようにと念押しして出ていき ます。
ところが従者のひとりは我慢できず、 とうとう女の部屋を覗いてしまいます。すると、 そこにはおびただしい数の死骸が山のように積まれているではあり ませんか。女は、安達原の黒塚に住むという噂の鬼でした。
逃げ出す山伏たちに、正体を現した鬼が、 秘密を暴かれた怒りに燃えて追いかけ、取って食らおうとします。
しかし懸命の法力によって解脱することができました。
イメージ 2
構成
前ジテ:里の女 後ジテ:鬼女 ワキ:山伏(祐慶) ワキヅレ:同行の山伏 アイ:随行の能力
主役(シテ)はこのストーリーの主の山伏ではなく、 その対象の里の女であり、鬼女です。
無論山伏も重要な役柄ですが、能ではわき役(ワキ)です。
演技として高い芸術性が求められているのは、里の女・ 鬼女だからこそシテ方が演じています。
 
般若について
般若はもちろん怖いですが、かといって モンスターのような存在ではありません。
「般若心経」 などで知られる仏教用語の「般若」にも深くつながります。
人間誰もが持っている「業(ごう)」の象徴です。執念によって般若になってしまった霊が、 読経の力によって最後は悟りを開き、 そして己の姿と行いを恥じて消えゆきます。 つまり般若はどこか人間らしさを少し残しています。

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橋掛かり、お彼岸に合うお話ですね。

般若に残っていた「恥じる心」
日本人の心。細かい心模様が表現されていますね。


2013/9/23(月) 午後 6:38 [ - ]

蒼さんらしいコメント、ありがとうございます。
伏字にしたような部分も読み取って貰えて嬉しいです。

2013/9/23(月) 午後 7:26 watch_compass


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