くにしおもほゆ

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gooニュース 2016.11.21.10:28 http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASJCN63YNJCNPOMB00G.html 
国宝仏像の台座に液体、奈良・興福寺が被害 十数カ所に
  
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 奈良県警は20日、奈良市登大路町にある興福寺の国宝館と東金堂で、安置されている、いずれも国宝の華原磬(かげんけい、銅造、高さ96センチ)や千手観音菩薩(ぼさつ)立像(木造、高さ約5・2メートル)の台座などに液体をかけられる被害があったと発表した。県警は文化財保護法違反の疑いで捜査している。

 奈良署によると、20日午後1時ごろ、拝観した人が寺の職員に「何かついている」と知らせた。調べたところ、国宝館にある華原磬と千手観音菩薩立像の台座のほか、東金堂にある持国天像(木造、高さ約1・6メートル)の台座など計十数カ所に透明な液体が点々とかかっているのが見つかった。液体は無色といい、成分は分かっていない。
 寺の担当者は「拝観が始まる前の午前9時前にはなかった」と話しているという。21日は国宝館と東金堂の拝観を中止する。

いまの法律は文化財を守るのに甚だ不十分です。
例えば全国で社寺への放火とみられる事件が多発していますが、
刑法では放火した対象物が何かによって幾つかに分かれていて、寺の本堂や神社の拝殿など、通常は人が住んでいない建物への放火は「非現住建造物等放火罪」が適用されるでしょう。農機具小屋などへの放火と同じ扱いなのです。
刑法第109条:放火して、現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建造物、艦船又は鉱坑を焼損した者は、2年以上の有期懲役に処する。 
たったこれだけです

文化財保護法には末尾のあたりに少しだけ規定があります。
第百九十五条  重要文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
この規定では国宝を含んで重要文化財に指定されている物だけが該当します。


重要文化財に指定されていない文化財を汚損したり、破壊した場合には
刑法第261条:前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
これでは甘過ぎませんでしょうか。何百年か前の人が心血を注いで造った傑作であろうと、多くの人の信仰の対象であろうと、最高でもこの程度の刑です。
おまけに「器物」とは国語辞書的には「入れ物」ですが、法律用語では「他人の所有物」を指すので、持ち主が警察に訴えないと犯罪にすらならない親告罪です。

今回の事件で、この「液体」が渇いた後に、もし何も痕跡が残らなかったら、刑法に規定されている損壊でも棄損にも当たらない可能性があります。
文化財は現行の法律だけでは守りきれません。

貴重な文化財を今日まで伝えてくれた先人に感謝するとともに、きちんとした法整備を行って守ってゆくのは今の日本人の使命です。

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