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gooニュース 02月23日 05:00 http://news.goo.ne.jp/article/chuplus/region/chuplus-CK2017022302000010.html
歌会始入選歌、油井さんから返歌 伊那の小松さん「感動」
歌会始で披露された歌、宇宙飛行士油井さんの“返歌”の書を見る入選者の小松さん(右)と内田さん(中)、北原さん=伊那市の信州高遠美術館で
川上村出身の宇宙飛行士油井亀美也さん(47)の地球への帰還を和歌に詠み、1月にあった「歌会始の儀」で披露された伊那市高遠町の小松美佐子さん(80)が22日、油井さんからの“返歌”を受け取った。小松さんの出身校である高遠高校生徒が2人の歌を書にしたためた作品展示がこの日、同市の信州高遠美術館でスタート。歌を目にした小松さんは「感動しました」と喜んだ。
歌会始に入選した小松さんの歌が、二〇一五年に油井さんが宇宙から帰還した感動を詠んだのに対し、油井さんは小松さんの歌から「広野」「引力」「ちから」の語を借り、周りの人々の思いも含めて詠んでいる。 小松さんは、後輩たちが書いた油井さんの歌を見て「自分だけで生きているのではないと自覚し、努力している。人格が出ている」と感激。「改めて引力ってすごいと感じます」とも話し笑顔を見せた。
高遠高校が小松さんの歌を書にする企画に取り組み始めたのを受け、市が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に油井さんのコメントを求めたところ、「思いがけず返歌が贈られてきた」(市担当者)という。 歌を書にしたのは、本年度全国高校書道コンクールで大賞を獲得した高遠高芸術コース書道専攻の内田真恵さん(三年)、県書道展特選一席に選ばれた書道部員北原紗穂さん(同)。内田さんは楷書、北原さんは行書で、それぞれ二人の歌を書いた。 三月一日まで、宇宙関係の資料とともに展示される。その後、軸装の一組が小松さんに贈られる。 (近藤隆尚)
宇宙より帰る人待つ広野には 引力といふ地球のちから (小松さん) 広野にて感じるちから引力と 皆の想いが優しく強く (油井さん) 返歌というものがありますね。人から贈られたり、言いかけられたりした歌に対する返答の歌です。例えば教科書にも載っていた有名な返歌として、伊勢物語の中に出て来る幼馴染の男女の歌のやりとりがあります。
「筒井筒井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに」(井戸の囲いと背比べをした私の背は、もう囲いより高くなってしまったようです。あなたとお会いしていないうちに。)に対して女性から「くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべき 」((あなたと長さを)比べていた 私の振り分け髪も、(長くなって)肩を過ぎました。あなた以外の誰のためにこの髪を結い上げましょうか。 )
このように日本人は大昔から心を歌に詠みあげ、時には歌で答えてきました。
さて宇宙飛行士の油井(ゆい)さんは防大から航空自衛隊に入り、F15パイロットを経てテストパイロット、さらに空幕と凄いエリートコースを邁進された方です。強く希望して宇宙飛行士になって空自を二佐で退官されました。日本の宇宙飛行士としては、初の自衛隊出身です。
この報道記事にはいくつもキーワードがみられます。
歌会始、宇宙飛行士、返歌、書道・・
歌会始に応募した80歳の小松さん、返歌をした47歳の油井さん、そして書道で応えた二人の高校生。上の報道記事の写真も素晴らしいです。
日本はやはり伝統の文化がしっかりと息づいています。科学は次代を切り拓くもので、日本の伝統文化と対極のように見えるかも知れませんが、和の心を持ちながら科学に携わることは、何ら矛盾がないばかりでなく素晴らしい調和です。
返歌をするためには歌を詠める素養のうえに、元の歌を活かして脈絡を繋がなければなりません。
〝皆の想いが優しく強く”
この七・七をみてみましょう。
何の気負いもない平常の言葉です。「故郷の皆さんの優しくて強い思いを引力として私は地球に帰還しました。」というような意味でしょうか。
これだけでも油井さんのお人柄が分かる気がします。
武士は日頃武芸に励み、同時に学問を修めて教養と徳を積み、さらに茶の湯や歌をたしなみました。
この武士の生き方が現代に受け継がれているとしたら素晴らしいですね。
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文化
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素敵なお話をありがとうございました。ある才能に秀でた方は、振幅も大きいのですね。
2017/2/28(火) 午後 9:35 [ 桃実 (Momomi) ]
桃実さん、お早うございます。
部下を率いて敵と戦う優れた武人が、こんなに人間味あふれる一面も併せ持っていたという話題です。
何気ないようでいて、完成度の高い歌ですね。
ありがとうございます。
2017/3/1(水) 午前 5:10