宇宙航空研究開発機構(JAXA)は種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)に、2020年度の打ち上げを目指す新型基幹ロケット「H3」用射場を整備する。ロケットと射点設備を制御する発射管制塔(LCC)やロケットを運ぶ移動発射台を新設する。LCCは18年3月完成予定。打ち上げ間隔を「H2A/B」に比べ半分の1カ月程度に短縮できる。機動的な打ち上げが可能になり、民間からの商用衛星打ち上げの受注拡大が見込める。
H3用のLCCをセンター内の吉信地区から南に3キロメートル強の距離にある竹崎地区に新設する。建屋は3階建てで敷地面積は420平方メートル、延べ床面積は820平方メートル。建設費は非公表。ロケットの打ち上げ作業全般の指令管制を行う「総合指令棟」の隣に設置することで連携を密にする。19年中ごろにもH3と射場設備との組み合わせの検証試験を行う。
吉信地区にはH3用にロケットを射場まで運ぶ移動発射台を新設する。移動発射台の開口部はH2Bの移動発射台より広く、打ち上げの際のロケットの噴煙が下に抜けやすい構造とする。
噴煙による施設の損傷を減らせるため打ち上げ後の施設の再整備期間が短くなり、ロケットの打ち上げ間隔を短縮できる。
【ファシリテーターのコメント】
H2Aロケットでは次の打ち上げまでに最短で52日かかったが、新しい射場は半減できる。これによって年間6機程度の安定的な打ち上げが期待される。
(日刊工業新聞科学技術部・冨井哲雄) 日刊工業新聞 記者
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種子島宇宙センターで、現在のH2Aロケットは年間5回打ち上げられています。
H3ロケットについては、この構想が明確になってきた頃から何度か書いてきました。
「H2Aをはるかに凌駕する超巨大なロケットでしょうか?」
→大きくなります、でも一番すごいのは徹底したコスト意識の設計なのです。
「どうしてコストにそんなにこだわるの?」
→それは衛星打ち上げが欧州やロシアにコスト面で負けていて、海外のお客がつかないからです。