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【クローズアップ科学】 「はやぶさ2」小惑星撮影に成功 エンジン好調で2カ月後にも到着へ
「はやぶさ2」の搭載カメラが撮影した小惑星「リュウグウ」(JAXA・東京大提供)
小惑星リュウグウに接近する探査機「はやぶさ2」の想像図(池下章裕氏提供)
小惑星探査機「はやぶさ2」が順調に航行を続けている。6月下旬にも目的地の小惑星「リュウグウ」に到着する予定で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の担当者は「これからが重要だ」と気を引き締めている。
はやぶさ2は2014年12月に地球を出発した2代目の小惑星探査機。リュウグウで地表の物質を2回採取するほか、人工クレーターを形成し地下の物質も採取し20年末ごろに地球に持ち帰る。
往復約52億キロの旅路のうち既に30億キロあまりを航行した。現在は到着に向けた最後の山場であるイオンエンジン連続運転の真っ最中。機体を加速させるため今年1月10日から行っており、リュウグウに2500キロまで接近する6月5日まで行う計画だ。
連続運転は3回目で、今のところ問題はなく順調だ。ただ、小惑星は絶えず移動しているため、正確に追いかける必要がある。そのためにはエンジンの噴射や停止をタイミング良く実施することが肝心だ。
チームを統括する津田雄一プロジェクトマネージャは今月中旬の会見で「少しでも狂うと到着が大幅に遅れてしまう。だから小惑星に近づくほど、タイミングが重要になる。この先の運転がすごく重要だ」と強調した。
訓練での失敗が自信に
リュウグウには6月21日から7月5日の間に到着予定。地形などが不明のため詳しい探査計画は未定だが、8月までは高度約1〜5キロの距離から地形や重力を調査。9〜10月に最初の物質採取を行う。クライマックスである人工クレーターの形成と地下の物質採取は、来年3〜5月の実施を検討している。
初代はやぶさが幾多のトラブルを経験した反省から、チームは2種類の訓練を重ねている。一つは、観測で判明したリュウグウの地形などを踏まえて適切な着陸地点を選ぶための訓練。もう一つは、探査機が降下して物質を採取する過程のシミュレーションだ。
到着後は地球との通信に片道20分かかるだけに、特にトラブル時の対応には高度な技量が必要だ。訓練担当の佐伯孝尚プロジェクトエンジニアは「訓練に通信の遅れを組み込むと難度が上がり、うまくいかないことが何度もあった。訓練で失敗経験を積み、チームの自信につながっている」と話す。
リュウグウの形状は?
今年2月には搭載カメラでリュウグウの撮影に初めて成功した。小惑星と探査機の位置やカメラの性能確認が主目的だ。リュウグウはまだ点にしか見えないが、チームの杉田精司東京大教授はその色合いから「これまでの分析通り、有機物や水を持っている可能性を示している」と説明する。
注目度の高い探査機だけに情報公開にも力を入れる。JAXAは今月、ネット上に専用サイト「はや2NOW」(http://haya2now.jp/)を開設した。はやぶさ2と地上との通信状況をリアルタイムで表示するものだ。
初代はやぶさが小惑星「イトカワ」の詳細な姿を捉えた際、独特の形状がピーナツ形、ラッコ形などと表現され話題になった。リュウグウはサトイモ形などと予想されているがいったい、どんな姿なのだろう。到着が本当に待ち遠しい。(科学部 草下健夫)
まず先代の「はやぶさ」ですが、このプロジェクトの先進性はとても良かったのですが、JAXAの慢性的な資金不足により、十分な性能確認試験を行えないままで打ち上げざるを得ない状況でした。結果として次々にトラブルが起こっています。
ただ、関係者の決して諦めない精神がまるで「はやぶさ」に乗り移ったかのように満身創痍で奇跡的に地球に戻ってきた「ど根性」が多くの人に感動を呼び、映画が3つも出来ましたね。
さて「はやぶさ2」では、初号機を襲ったトラブルについて、同じことが起きないようにアンテナや燃料パイプなどが改良され、イオンエンジンも若干パワーアップされています。
また探査計画自体も、初号機と同じような二番煎じではあまり意味がないので、表層の下の岩石を採取するなど意欲的な計画をたてて準備してきました。
2014年3月にH2Aロケットで打ち上げ。
2018年6月から7月ごろ、小惑星リュウグウに到着し、約18ヶ月間滞在。
2020年末、地球へ帰還する予定です。
上の想像図はあくまで想像図です。
実際はどんな形をしているのか、間もなくわかります。 |
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